経営コンサルタントコラム 2016年1月31日号

相続放棄の実務(5)申述書を書くのは簡単だけど。。

申述書は書式が裁判書のウェブサイトからダウンロードできます。便利ですね。

記載例もダウンロードできますので、それを見て書けばまず間違えることはありません。

記載自体は、とてーも簡単なものです。

 

ちなみに申述書はこんな感じ。

記載例はこんな感じ。

記載内容は基本的に本籍、住所、氏名で、ちょっと面倒なのが負債の額の記入でしょうね。

なので、負債の額については、分かる範囲で調べておく必要があります。

 

調べる中で出てきた債務の書類などは、コピーをとって、申述書に添付します。

手続き費用の収入印紙800円も忘れずに貼りましょう。

 

申述書を書き終え、戸籍謄本などを取得できれば、いよいよ家庭裁判所に郵送します。

 

ひとつ、注意点ですが、相続放棄は基本的に相続人本人が申述(つまりは手続き)する必要があります。

代わりにできるのは未成年者の親か弁護士さんだけ、です。

 

でもですね、亡くなった方が80歳ならば、その兄弟姉妹も当然その近辺のご年齢。

つまりはお爺さんお婆さんです。

 

このお爺さんお婆さんに相続放棄の必要性を説明し、納得してもらい、ご自身で手続きしてもらう必要があるわけですね。相続人本人が申述しなければなりませんので。

 

しかし、これはなかなか簡単ではありません。

 

基本的にお年寄りは、初めて聞くことに拒否反応を示しがちです。

とくに裁判所、なんていうと、余計に面倒で関わりたくないよー的に拒絶されやすいです。

(事実最初におじさんおばさんお話ししたときは、皆さん引き気味でした)

 

ただ、かといって放っておきますと、単純相続しちゃって債務がどーんとやってくることになってしまいます。協力してくれないから放っておけばいい、という無責任体制もとれなくもないですが、人としてそれはいかんな、という少々難しい状況になります。

 

なので、放棄しないと借金がきちゃうよー、やばいよー、放棄したほうが「得」だよー(このお得、というのに弱い傾向あり)というのを懇切丁寧に何度も説明し、納得してもらう作業が必要になります。

 

納得してもらわないとその後の資料集めやらなんやらで時間がかかりますので、「説明」や「理解」よりも、いかに「納得」してもらうかが、その後の手続きのキーになります。

 

納得していただくには労力を伴いますので、お手伝いする場合は覚悟してかかりましょう。

 

そんなこともわからんでか、申述書も自署欄が別途設けられています。

 

裏読みすれば、書いたりするのはまあ他人でもいいから、サインだけはしてよね、という裁判所の意図が見えます。

 

つまり、本来的には申述人本人しかできないとなってはいるものの、ある程度手伝っちゃってもいいよ、ということですね。裁判所もご高齢の方に対し全部自分でやるのもムリかな、という温情かなとも思います。

 

(つづく)

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問題解決画像池田輝之

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