経営コンサルタントコラム 2013年5月分

ワンマン経営の功罪(その2)~リスク

ただ、残念ながらどんなに「できる」社長さんも人間ですから間違わない、ということは100%無いのですね。

 

人間、誰しも完璧はありません。

ついては、どのくらいの間違いなら経営的に許容できるのかを考える必要があります。99%正解でも1%の間違いが致命傷になることもありますからね。

 

例えれば、時速5キロで走行中に起こす事故と、時速100キロで走行中に起こす事故では、同じ居眠りでもその誤りが与えるインパクトは雲泥の差になります。

会社経営に当てはめれば、時速5キロでは些細な誤りも事によっては、企業の存続に大きな影響を与えることになる可能性もあるわけです。

 

つまり、その判断が誤りだった場合、それによる影響が程度の軽いものか、事業の継続性に疑義が出るほどのものとなるか、そのリスク軽重を図りながら経営判断はしなければ、事業の持続性の観点からも、まずい、ということになりますね。

 

「できる」社長の会社は、社長が一番「できる」わけですから、新規の事業アイデアや投資プランはすべて社長の考えた事、ということになります。

 

このアイデアやプランを事業として進めるかどうかを決めるのが経営判断なわけですが、判断するのは社長、つまり考えた人ですね。となると、「やらない」という選択をするのはかなり難しいことになります。

 

社長自らが考え抜いたもの(真剣かつ深く)を自ら否定することはできませんし、社員に意見を求めても否定されることはありません。その理由はこれまで述べてきたとおりです。

 

ですので、ワンマン社長の会社は構造的にイケイケドンドンになりやすい組織であると言うことができます。

 

さて、そういう会社が経営判断を誤るとどうなるか。

 

判断すべき事柄の軽重をリスク分析することに重きが置かれていないので、まさに運次第。運が良ければ躓く程度、運が悪ければ窮境に陥る、ということになります。いやはや怖いことです。商売はある程度ギャンブル的要素はあるにしろ、それ以前のコワさです。

 

先に申し上げたとおり、一般的にそれはすべきでない、ということであっても、組織内にそれを意見することができる社員はいませんし、たとえ意見したとしても、言下に否定されるのがオチですから、誰も何も言いません。

言うことによるリスク(クビとか降格とか給料下げるとか)と言わない事のリスク(経営的にどうなの?というところ)を考量すれば社員は前者を選んで口を閉じるのは当然ですよね。

 

同様のロジックで、現場サイドで問題が発見できたとしても、それを伝えることは後回しになります。社長の指示通りにやってうまくいかない、というこ とはあってはいけない組織構造なのですね。たとえ問題を報告しても、そもそもの経営判断の問題ではなく、現場の運用の問題にされ、いわれのない責任を追及 されることが目に見えています。

 

本来であれば、早期に問題を発見し、早期に対応できれば、会社が窮境に陥る可能性は限りなく減ずることができます。しかし、そうはなりません。

 

これがワンマン経営の陥りやすい弱点です。

 

「俺の会社だから、どうなろうと俺の勝手だ」という社長さんもいらっしゃるでしょう。それはそれで構いませんが、窮境に陥り苦労するのはご自身です。天に唾はきゃ自分に帰る、わけです。

 

であるならば、どうすればいいか。経営リスクを(できるだけ)回避するためにはどのような組織体制をとれば良いか。このような視点を持って経営にあたっていただければ、再生の窮境状況に陥る可能性を減らすことができます。

 

企業再生は大変です。精神的にも大きな負担となります。しかもどの経営者さんも初めての経験です。正しい、的確な判断と行動がされることは考えづらい環境になります。ですので、ほとんどの方は再生ままならず、倒産していきます。

 

再生のポジションにある会社は、どの会社も皆、過去は好業績の企業です。

「うちの会社には関係ないよ」という考えが少しでもよぎったら、小さいガンがすでに巣食っていると思っていただいて間違いありません。

 

好事魔多し。

 

儲かっている時こそ冷静な判断を。

働く社員さん、取引先さん、そしてご自身のために。

宜しくお願いします。

 

池田

 

ワンマン経営の功罪(その1)~組織的特徴

中小企業の社長は創業者&オーナーであることがほとんどです。

今現在は売上に比べ過大な債務を抱えている社長さん(私がよくお会いする皆さん)も、つい最近まではやり手社長と噂されるような方であった方がほとんどです。

過剰債務になるほどお金が借りられたということは、反面、借り入れ当時は業績が伸び、信用も得られていたからこその話ですからね。

 

さて、そのような社長の会社の組織構造の傾向はというと、上意下達・トップダウンのワンマン形式となっていることがほとんどです。大抵、社長一人で創業 し、業務が忙しくなって人を雇う、という流れで成長してきた会社がほとんどですから、ある意味これは当り前の傾向ですね。

 

組織内部的特徴は、というと、業績が伸びている会社の「できる」社長さんですから、「できる」社長の言うことを(ある意味、言うこと「のみ」を)黙って、粛々と、効率的にやるような組織形態となっていることが多いようです。

 

下手に意見をするとすぐ「クビ」にされたり、降格されたりしますから、社員も余計なことは言いません。とはいえ、意思反映については効率的に動く組織なの で、社長が波に乗っているときは、目覚ましい成長を見せます。魚がいる場所に鵜匠が船を進めれば、鵜はどんどん魚を捕ります。魚がいる場所を鵜匠が知って いれば。

 

となると、不要なもの、使わないものは退化していくわけですから、ワンマン経営者の下では、自分で考える、という観念が組織から無くなっていきます。保守的な、縦割り的な、閉鎖的で全社的思考をしない組織になっていくわけですね。

 

社長さんからすると、「うちの社員は何も考えてない」「やる気が感じられない」「自分のことしか考えていない」ということになるわけですが、ワンマン軍隊組織で元々社員の意見を受け入れていないわけですから、そのようになるのは逆らえない、自然の流れです。

 

ワンマン社長さんは、もともと管理されたり、人に指示されたりするのが嫌いで独立したようなタイプの方が多いように見受けられます。なので、自分の会社の社員にも、自分と同じように、野心的でやる気に満ちた、自由闊達な行動を求めます。

 

しかし、社長の意に反して、そのような企業の社員さんは、中小企業であっても、とても保守的で官僚的です。部門間連携はできていませんし、責任の所在も曖昧です。下手をすると大企業の方がその辺イージーで柔軟に動いているかもしれません。

 

ワンマン社長の下では、ミスが起きたときに誰の「せい」でもないようにしておく必要があるわけです。でないとすぐクビや降格など、自分の生活に直接的な影 響が出てしまう事態を招いてしまうことになりますから。ある意味、大企業ほど身分が安定しておらず、転職のハードルも高い、中小企業の社員さんが斯様に保 守的になるのは理解できますね。

 

ついては、中小企業ならそこまで要らないだろうというほどの書類手続きや内部稟議手続があったりします。さらには、部門間での責任の押し付け合いなどをという、ある種「せせっこましさ」があったりするのですね。

 

そのような組織的爆弾を抱えながらも、「できる」社長さんさえ間違わなければ、社員さんは社長の意思を忠実にこなしていきますので、業績は上昇カーブを描いて成長していきます。

 

次回、そのリスクについてお話していきます。

 

池田

サポイン事業の申請に関して一考

10日、平成25年のサポイン事業提案に関する相談会開催のニュースがありました。サポインはサポーティング・インダストリーの略とのことです。日本語で言うと戦略的基盤技術高度化支援事業だそうです。なぜ英語に訳した上で更に略さねばならないか、は不明です。

関東経産局ニュース記事

で、なにを支援してくれている事業かというと、

「鋳 造、鍛造、切削加工、めっき等の22分野技術の向上につながる研究開発からその試作までの取組を応援します。 特に、複数の中小企業、最終製品製造業者や大学、公設試験研究機関等が協力した研究開発であって、この事業の成果を利用した製品の事業化についての売上見 込みやスケジュールが明らかとなっている提案を支援いたします。※この事業の対象は、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」(以下「法」 という。)に基づく認定を受けた研究開発です。 」とのこと。

支援内容は一般型と小規模型に分かれていて、
一般型は4500万円、小規模型は2300万円までの開発費を支援するそう。

要は開発費補助金出す、ということですね。

ア ベノミクスのプラスの影響全くない、というかむしろ落ち込んでいる中小製造業さんは、開発費を出す財務的余裕がないところが多いです。とはいえ、開発投資 をしなければ将来自社のクビを占めることになるのは明白なので、なんとか開発費はこさえたい。そういう切実な願いに応えてくれる補助金、のような気がしま す。

でも申請手続きがかなり大変。。

この申請のためには、

まず、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律に基づく特定研究開発等計画の認定」を受けなければなりません。

これはなんだというと、

「中 小企業のものづくり基盤技術の高度化を支援することにより、我が国製造業の国際競争力の強化及び新たな事業の創出を図ることを目的とした「中小ものづくり 高度化法」が平成18年4月19日に施行されました。中小企業者は、単独又は共同で、特定ものづくり基盤技術に関する研究開発及びその成果の利用に関する 計画(特定研究開発等計画)を作成し、中小ものづくり 高度化法の規定に基づき、経済産業局長の認定を受けることにより、戦略的基盤技術高度化支援事業、中小企業金融公庫による低利融資、中小企業信用保険法の 特例、特許料等の特例等の支援措置を受けることができます。」

というやつ。

申請は3つのステップに分かれていて、
STEP1 「技術指針」:技術指針を確認し、合致する分野を特定する。
STEP2 「認定申請」:特定研究開発等計画に係る認定申請を行う。   
STEP3 「委託費提案」:戦略的基盤技術高度化支援事業に提案する。

・・・そろそろ辛い感じですよね。

ちなみに私は相当イライラしました。「で、どーすればいいんだ!?」と。

申請が面倒過ぎます。

ちなみにマンガ版もあります→マンガPDF

これはよくできたマンガで、「面倒だからいいや」と理解させるのが早く、一読の価値あり、です。

ま あ、それなりの金額を補助いただくわけですから、仕方がない部分はあるのかもしれませんが、人員ピチピチでやっている、そもそもそういう資料作ったりとい う人材のいない中小製造業(おそらく大半がそうでしょう)にとっては、あまりにもチャレンジング過ぎる申請手続きです。

そもそも施策開発費補助金をお願いする申請にこんなに手間暇かけさせてどうするんでしょう?

本当に中小ものづくりをどうにかしたいのだったら、ヒアリングにより内容スクリーニングした上で、書類は役所の担当が全部作るくらいの制度にすればいいのにと思ったりもする今日この頃です。

 

池田

中小企業白書要約の要約-2013年5月6日号

先月末に今年度版の中小企業白書が公表されましたね。

読みたいけれども、そのボリュームにたじろいでいる方のために、要約の要約を書き連ねてみました。

以下こんな感じです。

 

<経済および中小企業の動向>

○中小企業の業況は、持ち直しの動き。

○2013年3月卒の大学新卒者の求人倍率は3.27倍で、前年比で若干の低下にとどまる。

○中小企業・小規模事業者の経営改善等の取組を支援するための施策を強化。

 

<被災地域の業況>

○生産活動等に回復がみられるが、被災三県の事業所数等は大幅減少。

○事業再開しても以前の事業jには取り組めていない企業も存在。

○グループ補助金等で被災中小企業等の復旧を支援。

 

<中小企業・小規模事業者の役割・課題>

○従業員規模が小さいほど、管理的職業従事者に占める女性割合が高い。

○小規模事業者では、純資産(自己資本)の割合が低く、また、情報技術の未活用等で生産性向上に遅れが見られることが課題。

 

<起業・創業>

○起業の形態を(i)事業経営方針と(ii)目指している今後の市場により大別。事業安定を優先し、地域で活動する起業家が多数を占める。

○起業形態別に起業家の起業年齢を見ると、グローバル成長型の方が比較的起業年齢が若い。

○開廃業率は、米英に比べて低迷。

○起業・事業運営上の課題として売上発生前の起業当初(萌芽期)は、地域需要創出型で各種手続、資金調達、経営ノウハウ不足、グローバル成長型で資金調達、各種手続、経営ノウハウ不足を挙げる起業家の割合が高い。

○売上発生後(成長初期、安定・拡大期)には、人材確保を挙げる起業家が増加。

○起業家が必要とする社内人材は、起業形態で異なり、また、発展・成長段階で変化。

○創意工夫で人材確保の課題に対応する起業家や起業家の人材確保の課題を解決するサービスを提供する企業も存在。

 

<新事業展開>

○新事業展開企業では、今後の業績向上が見込まれ、特に事業転換を実現した企業の業績向上が著しい。

○事業転換は、業績の好転・悪化企業の両方が取り組み。

○業績悪化企業のうち、事業転換した企業は約5割が売上増を見込む。

○新事業展開をしたことで、企業の知名度や信用力の向上、将来性・成長性に良い影響があったとする企業は6割。

○関心のある新事業分野として、新エネ・省エネ等エネルギー関連のほか、環境保全、農林漁業、医療用機器等が挙げられる。

○既存の技術やノウハウを活かして新事業展開する企業が存在。

○直面した課題として、人材確保、販路開拓が挙げられるが、特に小規模事業者では、自己資金不足、資金調達も課題。

○新事業展開に際して、自社の強みの分析等を行い成果を上げた企業もある。

 

<事業承継>

○経営者の平均引退年齢は上昇傾向。

○小規模事業者では、70歳以上の事業者の7割が収益悪化に直面。

○事業承継時の現経営者が若いほど、業績好転の割合が高い。

○小規模事業者の廃業理由として、後継者難が大きな割合。

○親族承継では、特に中規模企業で、後継者養成、相続税関係が課題。

○親族以外の承継では、個人保証の引継ぎや自社株式等の買取りが課題。

 

<情報技術の活用>

○経営課題を解決するために、ITの活用が必要と考える企業は多いが、特に小規模事業者では実際に導入した割合は、半分に満たない。

○ITを導入し、効果が得られている企業では、販売先数の増加等の成果が得られている。

○経営課題の解決に、ITを活用して活躍する中小企業・小規模事業者が存在。

○ITの導入・活用の課題として、コストの負担や人材不足を挙げる企業が多い。

 

 

なるほど、私的には現場の実感と乖離はありません。

 

後継者のいないパターン事業承継の話、まぁ、売却ってことですが、最近多いです。

信金さんあたりが中小企業の事業承継を対象にしたLBOファイナンスやってくれればスムーズに代替わりできるんですが。。

 

最近は社長やりたいっていう従業員さんがいないようです。

残念ですね。

 

池田

「じつばつけいかく」って何だ?(その3)-2013年5月1日号

では別途の金融検査マニュアル別冊中小企業融資編を見てみましょう。

内容は検証ポイントの貸し出し条件緩和債権の卒業基準にあります。

 

金融検査マニュアル別冊中小企業編

2.検証ポイント

検証ポイント中5.貸出条件緩和債権

(2)貸出条件緩和債権の卒業基準

ホ.中小・零細企業等の場合、大企業と比較して経営改善に時間がかかることが多いことから、資産査定管理態勢の確認検査用チェックリスト「自己査定」(別表1)1.(3)③の経営改善計画等に関する規定を満たす計画(債務者が経営改善計画を策定していない場合には、債務者の実態に即して金融機関が作成した資料を含む。以下「合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画」という。)が策定されている場合には、当該計画を実現可能性の高い抜本的な計画とみなして差し支えない。また、今後の資産売却予定や諸経費の削減予定等がなくても、債務者の技術力、販売力や成長性等を総合的に勘案し、債務者の実態に即して金融機関が作成した経営改善に関する資料がある場合には、貸出条件緩和債権に該当しないことに留意する必要がある。ただし、経営改善計画の進捗状況が計画を大幅に下回っている場合には、合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画とは取り扱わない。また、経営改善計画の検証にあたっては、上記3.経営改善計画を踏まえて検証する必要がある。

 

ありましたね。

中小企業の場合は、合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画(合実計画)が策定されている場合には、この計画を実現可能性の高い抜本的な計画とみなして差支えない、となっています。

実抜計画が「厳しめに計画して債務超過解消3年」でしたから、合実計画は要件がこれよりゆるくなっているはずです。となると合実計画の定義を知りたいですね。

 

合実計画の定義を知るには、上記マニュアルに記載の資産査定管理態勢の確認検査用チェックリスト「自己査定」(別表1)1.(3)③を見てみないといけませんね。

 

 

資産査定管理態勢の確認検査用チェックリスト「自己査定」(別表1)1.(3)③破綻懸念先-自己査定結果の正確性の検証

 

左記に掲げる債務者が破綻懸念先とされているかを検証する。ただし、金融機関等の支援を前提として経営改善計画等が策定されている債務者については、以下の全ての要件を充たしている場合には、経営改善計画等が合理的であり、その実現可能性が高いものと判断し、当該債務者は要注意先と判断して差し支えないものとする。

なお、本基準は、あくまでも経営改善計画等の合理性、実現可能性を検証するための目安であり、経営改善計画等が策定されている企業の債務者区分を検討するに当たっては、本基準を機械的・画一的に適用してはならない。

債務者区分の検討は、業種等の特性を踏まえ、事業の継続性と収益性の見通し、キャッシュ・フローによる債務償還能力、経営改善計画等の妥当性、金融機関等の支援状況等を総合的に勘案して行うものとし、本基準の要件を形式的に充たさない債務者を直ちに破綻懸念先と判断してはならない。

特に、中小・零細企業等については、必ずしも経営改善計画等が策定されていない場合があり、この場合、当該企業の財務状況のみならず、当該企業の技術力、販売力や成長性、代表者等の役員に対する報酬の支払状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況と保証能力等を総合的に勘案し、当該企業の経営実態を踏まえて検討するものとし、経営改善計画等が策定されていない債務者を直ちに破綻懸念先と判断してはならない。

さらに、債務者が制度資金を活用して経営改善計画等を策定しており、当該経営改善計画等が国又は都道府県の審査を経て策定されている場合には、債務者の実態を踏まえ、国又は都道府県の関与の状況等を総合的に勘案して検討するものとする。

イ.経営改善計画等の計画期間が原則として概ね5年以内であり、かつ、計画の実現可能性が高いこと。ただし、経営改善計画等の計画期間が5年を超え概ね 10年以内となっている場合で、経営改善計画等の策定後、経営改善計画等の進捗状況が概ね計画どおり(売上高等及び当期利益が事業計画に比して概ね8割以上確保されていること)であり、今後も概ね計画どおりに推移すると認められる場合を含む。

ロ.計画期間終了後の当該債務者の債務者区分が原則として正常先となる計画であること。ただし、計画期間終了後の当該債務者が金融機関の再建支援を要せず、自助努力により事業の継続性を確保することが可能な状態となる場合は、計画期間終了後の当該債務者の債務者区分が要注意先であっても差し支えない。

ハ.全ての取引金融機関等(被検査金融機関を含む)において、経営改善計画等に基づく支援を行うことについて、正式な内部手続を経て合意されていることが文書その他により確認できること。ただし、被検査金融機関が単独で支援を行うことにより再建が可能な場合又は一部の取引金融機関等(被検査金融機関を含む)が支援を行うことにより再建が可能な場合は、当該支援金融機関等が経営改善計画等に基づく支援を行うことについて、正式な内部手続を経て合意されていることが文書その他により確認できれば足りるものとする。

ニ.金融機関等の支援の内容が、金利減免、融資残高維持等に止まり、債権放棄、現金贈与などの債務者に対する資金提供を伴うものではないこと。ただし、経営改善計画等の開始後、既に債権放棄、現金贈与などの債務者に対する資金提供を行い、今後はこれを行わないことが見込まれる場合、及び経営改善計画等に基づき今後債権放棄、現金贈与などの債務者に対する資金提供を計画的に行う必要があるが、既に支援による損失見込額を全額引当金として計上済で、今後は損失の発生が見込まれない場合を含む。なお、制度資金を利用している場合で、当該制度資金に基づく国が補助する都道府県の利子補給等は債権放棄等には含まれないことに留意する。

 

結構長い文章ですが、ざっくりいうと、

「原則5年で債務超過解消の計画だけど、10年まででもOK。その場合は計画数値が8割切らないようにしてね。ただし金利減免とリスケだけの場合だけね。それと計画に基づく支援については全行一致で。」

ということですね。

 

つまり、債務超過までの期間(正常化)が実抜だと3年ですが、合実では5年~10年ということなので、中小企業が経営再建計画を作るときはMAX10年で正常化する計画を策定すれば良し、ということになります。

 

一度計画した数値が8割を切るといろいろと面倒そうですね。なので、厳しめに数値計画を作る必要があるのですが、ただ厳しくしてしまうとそもそも正常化するまでの利益が上がらない場合もありますよね。正直ここが一番、頭を悩ますところです。

 

実抜と合実の内容とその関係について見てきましたが、いかがでしょうか。

ご参考にしていただければ幸いです。

 

池田

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