経営コンサルタントコラム 2014年6月6日号

事業計画は社内に対しても有用。

会社の再建や倒産回避のアドバイス、中小企業さんの顧問などをしていると、事業計画を作成されていない会社さんに出くわすことがよくあります。

 

このような会社さんが事業計画を作る、作らなければならない状況になるというのは、大抵外部(銀行など)からの要求に基づくものです。本来的には企業自身の為に作るものですが、中小企業ではあくまで外部向けに作成することが多いと思います。

 

事業計画は会社の生きる目標ですので、本来的には(形になっている かどうかは別にして)必ずあります。成長していきたい計画や安定し たいという計画、潰れたくないという計画など、会社さんそれぞれ、 独自の計画が必ずあります。

事業計画が無い、というのは、それが社長さんなど経営者さんの頭の中だけにあり、表に出ていない、形に表されていないということを意味します。

 

実際、私が事業計画策定のアドバイスをするときは、この経営者さんの頭のなかにあるものを、あの手この手で引き出し引き出し、整理整頓、見易く提示してさしあげる、という作業をすることになります。

 

事業計画がない場合、ひとりでビジネスしているようなタイミングでは、自分で考え自分で動けばいいわけですから、それでも問題ありません。しかし、社員さんがいるとなると、ちょっと話が違います。

 

事業計画がないということは、会社に所属している社員さんからは、 会社の行きたい向・目標が見えない、ということになります。 これは、言い換えれば、行き先のわからない電車に乗っているのと同じことです。

 

スリリング、という意味では刺激的な人生を送れるかも しれませんが、勤めている人からすれば、普通、コワくて不安になります。

社員さんは、その人生の多くの時間を会社に費やすことになるわけですから、その会社にいるかどうか、いるべきかどうかの判断は 人生の一大事になります。

事業計画がなければ、判断するための材料が足りません 。足らずに判断すれば、それは危険な賭けになってしまいます。これでは安心して働けない。

 

また、社長さんの頭の中では、いけいけどんどんで拡大発展を考えていても、社員さんが違う志向があったらそこはミス・マッチになってしまいます 。

社員さんからすれば、その会社に合わないということを知り、辞める機会を逸してしまうわけですね。会社としても、方向性の合わない人を継続して雇ってしま うという残念な結果になってしまうわけです。

 

これは経営者、社員ともお互いに不幸ですね。

 

事業計画が無い、ということで斯様な状況を導いてしまう可能性があるのであれば、社長さんは頭の中にある計画をきちんと表に出して開示し、説明する必要があります。でなければミスマッチの不幸は収まりせん 。

 

つまり、事業計画は単に財務的な話だけでなく、社員のモチベーショ ンややる気、社内の雰囲気といったところにも関連してくるわけです。

 

ならば作るのが道理。

といっても今まで作ったことがない方は、どこからどう手を付けてよいものかわかりませんね。

そこで、これから計画の策定方法をざっくりご紹介します。

まず、事業計画の骨組みとしては以下のような感じで考えていきます 。

 

1)今は我々はここにいます。

2)将来我々はどこどこに行きたいです。

3)どこどこに行くには、こういう経路で行かねばなりません。

4)そのためにはこれをして、あれをします。

 

ちなみに、

 

ここ=現況

どこそこ=目標

こういう=戦略

これあれ=施策 です。

 

現況は過去の数値的な実績も含めて、現状課題の把握が主になります 。

強みや弱み、機会や脅威の所謂SWOT分析的なものですね。

 

とはいえ、やりたいことがあっても現実不可能では計画とはいえません。(実際 のところ、不可能なことというのは世の中にそうはありませんが)

可能な目標に対して、今の戦力から何ができるか、戦力が足りなけれ ばどうするか、という戦略を考えます。

 

そして、戦略を実行するためにその施策、行動計画を定めます。

 

このなかで一番大事なところは、目標の設定です。

 

例えば、アグレッシブにいくとすれば「売上10倍」「売上日本一」とか、保守的にいくとすれば「仕事が無くても5年食える会社にする」 とか、なんでも良いとは思いますが、どこへ行きたいんだ、というこ とを明確に定めることが大事です。

 

それにプラスして具体的な数値目標を定めます。

 

ランチェスター戦略(中小企業向けのニッチ生き残り戦略)などでは 地域№1を目指すとこから始めますよね。

 

話はそれますが、人間、目標があるからこそ頑張れるものです。

志望校が決まらなければ、受験勉強にはなかなか身が入りません 。目指せ東大!とか。目標偏差値なども自ずと導かれてきますよね( 偏差値とかが教育的に良いかどうかは別にして)。それと同じです。

 

と、このような感じで計画を具体的なものに仕上げていきます。

 

事業計画の作成を社員のためと思って始めても、むしろ経営者さん自身の頭の整理に役立ったりするものです。

 

事業計画を作ったことのない方は、ぜひ一度取りかかってみてください。きっと新たな発見があるはずです。

コツは、考える際に、頭の中だけでなく、実際に紙に書いていくことです。単純なことですが、役に立ちますよ。

 

客観的な意見を、ということでしたら、いつでも相談に乗りますのでお 気軽にご連絡をどうぞ。

 

世の中的には梅雨に入ったとか。体調を崩しやすい季節です。お身体ご自愛のほど。

 

池田

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