このたび、月刊誌「近代中小企業(中小企業経営研究会)」8月号(8月1日発売)の特集企画「建前と本音 “今”を上手に生きるための仕事術」に寄稿させていただきました。
内容は『「これはダメ!」社員のやる気を失わせる経営者の言動とは』として、社員からの信頼を失うような経営者の言動について列挙し、人間力の側面からそれをどう解決するかと提示しています。
本記事最下部より記事のダウンロードができますので、ご興味あるかたはご覧いただければと思います。
以下記事抜粋
~「やる気」がない社員がいるから業績が悪いのか、はたまた業績が悪いから「やる気」がないのか。現場での数多くのヒアリングから導き出された結論は、「やる気がないのには理由がある。やる気は『ない』のではなく『出ない』のだ」ということ。意味もなく「やる気」がない社員はいないのです。時に、社長の言動が社員の「やる気」を阻害する原因になっていることも。
「やる気」のレバレッジを効かせる
筆者は、企業再生のご相談を受けるとき、必ず現場に出向きクライアント(相談企業)の話を伺い
ます。
その理由はクライアントに流れる空気感や、社員達に漂う雰囲気を肌で感じたいからです。たとえ、すぐに応接室に通されたとしても、多少なりとも社内に目をやることができれば、「やる気」があるのかないのか、社内の雰囲気が良いのか悪いのか、理解することができます。
企業再生の相談をするくらいですから、その企業の業績や財務状態は良くありません。社内の雰囲気も総じて悪いものです。本来であれば全社一丸となって難局に対峙していくべき大ピンチ、という局面なのですが、残念ながらそのような雰囲気を感じることはできません。
大抵の場合、社内には無力感や苛立ち感といったネガティブな雰囲気、空気が漂い、支配しています。やる気を感じさせてくれることは非常に少ない、というのが実際です。
しかし、時として数ヶ月後に倒産に至るような企業が再生を果たすためには、社員のやる気という力のレバレッジ(てこ)が絶対に必要となります。目ぼしい資産のない中小企業が再生を果たすためには、人財・能力という無形の資産に、やる気のレバレッジをかけ、現状プラス・アルファの収益を捻り出していくしか方法はありません。
強固な経営体質を築くための戦略アドバイスやプラン作成の支援は、コンサルタント等外部協力者から受けることが可能です。しかし、できた計画を実際に行動し運用するのは、その企業に勤め現場で汗をかいている社員達です。彼らの頑張りなしに企業が再生を果たすことは絶対にできません。
したがって、財務的な倒産回避(短期的な資金繰り改善策の実行)後、次のステージで最も重要になってくるのがやる気の創出・回復です。社員のやる気と奮起なしには、倒産回避から再成長の軌道に乗せることなど夢物語になってしまいます。そのくらい、企業再生の局面では「やる気」が重要な要素なのです。
「やる気」を阻害しているものとは?
では、どのようにやる気を出してもらうか。やる気に満ちた社員と活気のある職場を実現するには何をすれば良いか。そのためには、まず、何がやる気を邪魔しているのか、やる気の阻害要因を探し出す作業から始めます。
本来、やる気は人間に生まれつき備わっているものです。でなければ、誕生し、言葉を覚え、成長することはできません。「やる気がないから言葉を覚えないという子どもがいるのか?」ということです。やる気のない赤ちゃんはいません。皆、生きるのに一生懸命です。
したがって、(つづく)