ないないづくしなら飛び道具

ヒト、モノ、カネが十分にそろえば商売勝ったも同然です。

 

ということは、ふつうは揃わないわけですね。

簡単に揃ったらどこも大繁盛ですので。

 

つまり、3拍子揃っていても量が足りないとか、ヒトとモノはあるけどカネがないとか、何がしか欠けているのが普通だということですね。程度の差こそあれ。

 

なので、不足しがちなヒト・モノ・カネのレベルを上げたり、カバーしたりして、経営の質を高めていこうと常に努力しなくてはいけないわけです。

 

しかし、中小企業の場合は「構造的に」ヒトモノカネのすべてが足りなかったり、欠けがちです。

 

ヒトという観点では、優秀な人(あいまいな言い方ですが)はより雇用条件の良いところや倒産確率の低いところ(つまりは大企業)に行ってしまいますし、より安定した(つまりは潰れにくい)企業を選択するという点においても資本規模の小さな中小企業を選ぶ理由がありません。

 

自己資金も長期の開発資金を充てられるほど潤沢に保有している会社は少なく、必要時には借入による調達で賄っているところがほとんどです。いきなり元本返済が始まるお金で、当たるかどうか本人にもわからないような長期の研究開発などできません。すぐにお金にならない基礎技術などもってのほか。となるとモノも弱くなってしまう。

 

つまり、ヒトモノカネのないないづくしが中小企業の一般的な形態です。

カネがないからヒトが来ない、モノもできない、モノもないからカネもない、という負のスパイラル一直線の状況ですね。

 

かと言って、職安に募集をかけても欲しい人材はなかなか集まりません。

ごくたまーに鯛が釣れることもありますので無視はできませんが、選ばれる、というポジションではなかなか効果は上がらないのが実際です。

 

そもそもを言えば、「構造的に」ないないづくしになっているわけですから、普通にやっていたらいつまでたっても解決しません。

 

で、どうするか。

 

普通にやってもダメなんですから、飛び道具を使うしかありません。

普通じゃないといっても、あくまで経営者さんにとって普通じゃない、ということで一般的には普通のことだったりもしますから、ちょっと視点を変えるくらいのイメージです。

 

人材という意味では、社長の身内、子供の方々に入社いただくことが飛び道具ということになりましょうか。社長の子供さんは一般的に高等教育を受けていることが多く、比較的優秀で、大企業に就職されたりしています。つまり、息子なり娘さんなら、中小企業には普通来てくれないだろう人材が来てくれるわけです。

 

血縁を活用した、普通ではできないことを可能にする、ひとつの飛び道具的解決方法ですね。

 

実際、ご子息が会社に入っているような中小企業さんは比較的元気が良いように見えます。

企業にとっては他人の釜の飯を食ってきた外様でもありますし、既存社員さんとの関係でも、良い刺激になるのは間違いありません。

営業面でも外との繋がり、チャネルが増えるわけですから一石二鳥。

銀行なども後継者が入ってきたとなれば、それなりに支援体制を敷いたりするわけで、それこそ三鳥の世界。いいことばかりですね。

 

でも、です。

 

そのためには、まず子供さんから選ばれるような会社でなければなりません。

強制的に入れることもできませんからね。戦前ならいざしらず、子供さんにも意志や人格があります。では、そのためにどうすればよいか。来てもらうには何ができるか。どういう会社であればいいか。どんな会社だったら子供を入れたいと思うか。を考え、現実に行動することが必要になります。

 

営業面やモノづくり・サービスに関しても展開に詰まったら、飛び道具的思考で解決策を探るほかありません。

 

お金についても同様です。普通に考えては解決しない場合は、普通じゃない方法を考え、実行し、乗り越えるしか生き残る道はありません。

 

例えば、返済する資金がないとき、夜逃げしか思い浮かばない人が、とりあえず銀行に相談してみようと開き直って行動したとしたら、なぜそんなに切羽詰っていたかわからなくなるくらいあっさりと、その悩みは解決するでしょう。(あくまで当面の資金繰りだけですけど)

 

とはいえ、これが言うに易く実践はなかなか難しいものです。

そんなときに役立つのが経営者同士の勉強会や我々のような経営コンサルタントです。

 

他人はそもそも自分の思考の枠の外にいますから、すでに思考を超えていてるんですね。

これを参考にしない手はありません。外部の意見を取り込むことでより簡単に自分の思考を超えることができるのですから。

 

立ち位置が違うと見える景色も違うものです。

どんな迷路も上から見れば迷うことなしです。

 

いつもと違う思考パターンで物事を捉えてみるのも楽しいものです。

コンサルタントを使うと話を聞くだけでなく、実際の行動までしてくれるので変化がよりダイレクトかもしれませんね。

 

自分で解決が難しければ他人に聞くのが最も手っ取り早い解決策です。

道に迷ったら人に聞くのが、一番効率的に答えを導き出せる方法です。

 

ご参考まで。

 

連絡先イメージ
問題解決画像池田輝之

会社再生、事業承継・M&A、経営顧問、資金調達など経営コンサルティングのご相談は、当事務所までお気軽にどうぞ。

ご相談はこちらから

無料ダウンロード

経営改善計画書書式
資金繰り表書式

人気コラムTOP5 (前月)

セキュリティ対策自己宣言ロゴ