経営コンサルタントコラム 2013年10月19日号

ポスト倒産回避の経営術(2)

(前号より続き)

 

一方、問題を棚上げして、景気が戻るのを待つ、という戦略?もあるでしょう。

景気回復と資金減少とのチキンレースです。会社が潰れるか潰れないかは他人(世の中)次第という恐ろしいレースです。とてもではありませんが、採りえない戦略です。

そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが、実のところ、チキンレースに挑む(笑)経営者さんは結構いらっしゃいまして、私の経験上、半数以上の経営者さんはチキンレース好きに思えます。

 

さて、返済を猶予してもらうためには、再生計画や返済計画書の提出を銀行などから求められます。しかし、どんなに立派な計画書を作っても(誰かに作ってもらっても)、そんなものは一銭の儲けにも繋がりません。

 

計画書作成支援をしてお代を頂戴している商売をしていて言うのもなんですが、返済計画書など、債権者たる銀行の稟議用資料、返済猶予の免罪符としてありがたく使われるだけです。正直に言えば、だれも計画書通りに進むなど思っていません。

 

銀行側の大人の事情(債務者区分を落とさなくていいとかなんとか)に合わせてあげるだけのものです。誰の責任にもならぬよう、また、その場をやり過ごすための資料です。実際どうなのか、というよりも書類形式上に求められる内容になっていることのほうが重要な代物です。無論、作るだけではもったいないので、実際に活用されるのがベストですが。

 

じゃあどうすればいいんだ?というところですが、問題を発見し、解決すればいいのです。ただし、どんな問題でも、です。「聖域なき」改革です。誰か昔の総理大臣さんが仰っていましたね。それができなければいずれ間違いなく潰れます。

 

ガンを見つけて切除、撲滅すれば良い。切除できなければ負け。単純な話です。

 

とはいえ、まずはガンを見つけられるかが第一のハードルになります。見つからなければ切除も何も手の打ちようがありません。でも大丈夫、すぐに見つけられます。

 

あとはそれに対峙できる精神力があるかどうか。最後は気持ちです。

再生は、債権者との戦いではなく、自分(自社)との戦いです。問題は自分(自社)の中にあるのです。

 

今は多くの支援があり、これでも倒産しちゃうところはもうどうしましょう?というくらい恵まれた状況です。そのような再生への道筋、レールが敷かれている昨今、極端に言えば、倒産回避はもう誰でも為し得えます。そこに特別なノウハウなどありません。

行政主体で行われているものですから、その条件から内容まで全て公にされています。本で読み、ネットで調べ、必要書類を作り、お願いすればOKです。

 

事業譲渡、会社分割、第二会社、DDS、多少耳にされたこともあるでしょう。一般の方かすると魔法の呪文のようなこれらの言葉は、すべて倒産回避のテクニックを表すものであり、債務を切り離すテクニック論を意味します。倒産回避が困難だった時代の仇花のようなものですね。

 

倒産回避が難しいものでなくなった今、経営者に求められるのは、売上の増加です。コストは極限まで削減されている会社がほとんどで、更なる削減余地はもうほぼ無いと言っても過言ではありません。となれば売上を増やすしか収益を向上させる術はないわけです。

 

商売が時代に合わなければ、時代に合うものを作り出し、お金がなければないなりに独自のサービスやネットワークを構築し、ビジネスを創り出していく。そんな社長らしい行動力、実行力、企画力が必要な骨太の時代に入っています。

 

倒産回避ができた会社の経営者の方にはその次の意識、ポスト倒産回避の戦略を描いていただきたい。 まだまだ景気は厳しい状況が続いています。景気は下げ止まり、上向き傾向といいますが、中小企業に恩恵が及ぶのはまだまだ先のようです。しかし、中小企業でも頑張っているところは頑張っています。「日本でいちばん大切にしたい会社」という本でも紹介されていますが、小さくともしっかりと収益を出し、地域社会に貢献している会社が世の中にまだまだあります。

言い換えれば、会社が潰れる潰れないの話は景気の良し悪しではなく、やり方、考え方の問題、事はやりようであるということです。

 

経営者自身のため、従業員皆のため、地域社会のため、ポスト倒産回避の時代を乗り切り、再生・再活性化を果たしてもらいたいと切に願います。

 

池田


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