経営コンサルタントコラム 2013年11月12日号

メニュー偽装と経営理念

お久しぶりです。池田です。

最近いろいろなプロジェクトを同時進行させているところ、なかなか時間がとれずコラムが後回しになってました。ご容赦を。

 

さて、巷を賑わせているメニュー偽装問題。

車海老と表記されていてもが実際には車海老でなく、バナなんとかいう別のエビだったり、加工肉なのに表示しなかったり、ということのようです。

 

ホ テルから百貨店、有名料理店といった、いわゆる高級と言われるお店が多いようですね。B級グルメの方が性に合っている私としては普段縁遠いお店たちではあ ります。 まあ、値段が味を左右するところもあるでしょうからね、お店の雰囲気なども味のひとつ。高級風なお店は高級な味がするものです。

しかし、ある程度の値段を超えるとあまり味の差が分からなかったりするのも実際かなぁと舌感覚としては感じるところではあります。実際のところ、回転ずしと普通のすし屋の違いはわかりますが、3000円の握りと1万円の握りのちがいはようわからんです(汗)

 

以前、大阪の料亭が虚偽表示で潰れましたよね。船場吉兆でしたっけ?あのときは結構騒ぎになりました。今回はあまりにも数が多くて、そのうち消え去る運命のニュースかもしれませんね。咽喉元過ぎれば熱さ忘れるのは日本人の特徴ですし。

 

と ころで、最初に騒ぎになった阪急阪神ホテルズさんは当初「誤表示」と見え透いたウソを言っていたようです。しかし誤表示はないですよね。バナメイエビと書 くべきところを車海老って書くのは誤りではないでしょう、明らかに。バナメイをハナメーとかパナナイとか書いちゃった、というのは誤表示と言われても認め ますけれども、通用しませんよね。仕入の値段が5分の1とかなんですから。

 

車海老メインで売っているのに中身が車海老でなければ詐欺です。

コンプラ―、という言葉がむなしく聞こちゃいますね。

 

で、こういう偽装をやっちゃった会社にも企業理念や経営理念なんかがあるわけです。

立派なやつが。

 

で、調べてみました。

最初に騒ぎになった阪急阪神ホテルズさんを例にとると、

 

■阪急阪神ホテルズ

・グループ理念

「安心・快適」、そして「夢・感動」をお届けすることでお客様の喜びを実現し、社会に貢献します。

・目指すべき姿

大手民鉄グループ中、日本一としての地位を確立し各事業部が各々の業界で「ナンバーワン/オンリーワン」となることを目指します。

・企業理念

心豊かな社会の実現に向けて私たちは、常に変革に取り組み、「安心・快適」そして「夢・感動」をお届けすることで心豊かな社会の実現に貢献します。

・スローガン

満足、そして感動(Delight)へ

・基本方針

Hospitality 顧客感動 お客さまの心にひびくおもてなし

Humanity 従業員満足 従業員の人間性と個性のはぐくみ

Honesty 企業倫理 誠実な企業市民としての取り組み

Harmony 社会貢献 地域社会との調和とふれあい

 

すごい立派ですねぇ。今となっては突っ込みどころ満載ですが。。

こんな立派な理念をお持ちの会社なのに、なのに偽装しちゃった。

ウソついて儲けちゃった。

 

この理念からしたら全否定でしょう。

メニュー偽装なんて言語道断(笑)

 

ということはですね、問題なのはこの理念が浸透してないってこと。

作ったっきりで額に入って飾られているだけの代物になってしまっていること。

まあ、大企業ってそうですけどね。私も勤め人だったころは理念なんて深く考えなかったですよ。教育なんて新人のときに暗唱させられたくらいで。ホントに実務で落とし込んでーなんてやってなかったですね。そういう雰囲気でもなかったですし。

 

たぶん、だからです。

 

仏作って魂入れずはだめなんですね。

理念作りは大切ですが、どう実地に結びつけるかがもっと大事。

でないとメニュー偽装、起きちゃいます。

 

今回の件、中小企業だったら潰れてますよ、まちがいなく。

大企業だから乗り切ってますけど。

 

やはり継続して結びつける、現場に浸透させていく努力を続けなければなりません。

この手のことは忘れがちなんです、とかく。人は易きに流れやすいものなので、常に浸透した状態をキープしなければなりません。

 

これができるかどうか。

 

すぐに儲けに繋がる話でないのでやりたがらない経営者の方が多いですが、こういう教育をコツコツやり続けていく企業が生き残っていくのでしょうね。

 

ちなみにもうひとつ。

究極のホスピタリティで有名なリッツ・カールトンさんも今回偽装がありました。

こちらさんの理念はクレド、というのですが、世界的に有名で尊敬を集めているものです。これでも事件が起きちゃうんですから、やはり、いかに浸透させるかが大事なんですね。

 

ご参考までにこのクレドとサービスバリュー(価値観ですね)を以下に載せておきますのでご覧になってみてください。

 

ではまた次回。

 

池田

 

■ザ・リッツ・カールトン

◆クレド

・リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。

・私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。

・リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。

◆サービス・バリューズ:私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。

・私は、強い人間関係を築き、生涯のリッツ・カールトン・ゲストを獲得します。

・私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、されないものも、常におこたえします。

・私には、ユニークな、思い出に残る、パーソナルな経験をお客様にもたらすため、エン・パワーメントが与えられています。

・私は、「成功への要因」を達成し、リッツ・カールトン・ミスティークを作るという自分の役割を理解します。

・私は、お客様のリッツ・カールトンでの経験にイノベーション(革新)をもたらし、よりよいものにする機会を常に求めます。

・私は、お客様の問題を自分のものとして受け止め、直ちに解決します。

・私は、お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、チームワークとラテラル・サービスを実践する職場環境を築きます。

・私には、絶えず学び、成長する機会があります。

・私は、自分に関係する仕事のプランニングに参画します。

・私は、自分のプロフェッショナルな身だしなみ、言葉づかい、ふるまいに誇りを持ちます。

・私は、お客様、職場の仲間、そして会社の機密情報および資産について、プライバシーとセキュリティを守ります。

・私には、妥協のない清潔さを保ち、安全で事故のない環境を築く責任があります。



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