経営コンサルタントコラム 2014年4月16日号

リスケ更新を断られるかも!?

経営者保証ガイドラインができ、返済猶予を大盤振る舞いする円滑化法の流れもそろそろ終わるかと睨んでいましたら、やはり、そのような流れのようです。

 

というのも、先日(3月19日)の日経に、

 

「中小企業の転廃業促す 金融庁、返済猶予から転換~地銀などに対応要請」

 

という記事が掲載されていました。

全文は権利の関係で掲載できませんが、

 

~金融庁は中小企業金融円滑化法に基づき返済猶予を受けてきた中小企業に対し、転廃業を促す方針に転換した。金融機関への立ち入り検査でこれまでは返済猶予を求めてきたが、無条件で返済を猶予するのではなく、金融機関が抜本的な企業再生に取り組むよう促す。~

 

という内容のものです。

 

無条件で猶予しないとありますね。

また、今後リスケ中に企業に対しては、

 

・早期の事業再生

・事業再編

・業態転換

・休廃業

 

を求めていくとも、書いてありました。

つまり、ざっくり言いますと、 「ちゃんとやってないところには、リスケの更新無しよ」 ということですね。

 

とはいえ、いきなり方向転換すると、ついてこれない人が大勢出て、社会問題など大事に発展してしまいますので、そろりそろりと、徐々に変わっていく感じかと思います。

 

しかしやはり、これまで再生計画さえ出せば(下手をするとそれも出さずに)、リスケ(返済猶予)を銀行が認めてくれていた状況からは、大変大きな転換です。

 

「元本猶予して様子見てみたけど、業績の回復が思うようでなければ(元本を返すまでにいたらないようであれば)支援終了、一括返済求めますよ」と変わる、ということですから、リスケを繰り返して、業績の回復もないままぬるぬるといける状況ではなくなるわけです。

 

資産が負債を上回っている企業については、国の仲介で債務免除等行う仕組みを作るようですが、そもそもリスケしている企業は債務超過(資産<負債)であることが多いです。となるとそのような債務免除システムもオールマイティなセーフティネットというわけでもなさそうです。

 

更にいうと、メガバンクの収益状況がここ数年かなりよろしい。みずほと三井住友はこの3月期は過去最高益です。ということは、銀行が貸出を損切りしても問題ない状況・体制にもなってきているわけですね。

 

ただ、中小企業を応援せよ、というお上からのお達しはありますので、これをむやみにはできないと思いますが、ホンネからすると、「返済されないようなものは管理コストだけでも赤字なのだから切っちゃえ」という感じかと想像します。

 

しかも金融庁さんの中には「円滑化法からの流れは潰れるべき企業を生き残らせただけだ」という意見があるやに聞きます。

民主党時代から自民党に替わりました。自民党が暫くは強そうです。となると行政も亀井法案からの流れにいつまでも付き合っているとは思えません。

 

つまり、現在リスケ中の企業さんは、金融機関の立ち位置が、「再生可能な場合は抜本的な整理・再生策を打たねばならず、そうでない場合は廃業促す」、簡単にはリスケの更新を認めない流れである、ことはようよう理解されておいたほうがよろしい、今から準備されておいたほうがよろしい、ということです。

 

返済猶予で何とか資金繰りが回っているような企業さんは、金融機関がリスケに応じてくれなくなれば(そして何も手を打たねば)倒産します。

抜本的に解決(これはある意味、経営者責任を問われることにもなるのですが)しなければならないタイミングに来ていると考え、手を打つべきです。

 

リスケに応じてくれない⇒元本弁済できない⇒期限の利益喪失⇒口座や資産の差押⇒倒産 という単純なストーリーにはまらぬよう、準備をしっかりしておきましょう。

 

池田ビジネスコンサルティング

代表 池田輝之

 

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