経営コンサルタントコラム 2015年3月4日号

コンサルティング料金の決め方

この前お正月だと思ったら、もう3月。時が経つのは早いものです。

3月が決算月である会社さんも多いですね。

前月の2月は売上的低迷するタイミングでもあり、4月以降の出荷に向け、資金繰りが厳しくなる時期でもあります。

そのような季節柄、新規のご相談がもっとも多いのも3月です。


そんな私もここのところ(ありがたいことに)ご依頼が立て込んでおりまして、このコラムもほぼ週刊などと言っておきながら、ほぼ月刊になりつつあります。なるべく早期に「ほぼ週刊」状態に戻したいと思っていますが、なかなかどうしてすぐには片付きそうになく、もう少々ご猶予ください。すみません。


相談となると、我々のようなコンサルタントに相談されるのが初めて、という方もいらっしゃいます。なにぶん、普段皆さんあまり接触のないような業種ですから、けっこう身構えていらっしゃる方も多いです。

実際、怪しい自称経営コンサルタントの方も多く跋扈している業界ですから、それはある意味正しい立ち位置かと思いますが(苦笑)


怪しいかそうでないかは、それなりに話せばけっこう分かるものですが、少々敷居が高いと思われているのは事実ですね。


さて、高い敷居を跨いで、コンサルタントと会う約束をつけたとします。


話を聞いて、

「外部の客観的な意見をわが社も取り入れてみるか」

「幅広い課題のとりあえずの相談先にぴったりだ」

と思ったとします。(合うコンサルがいてよかったですね)


となると次に心配になってくるのが料金。

コンサルティング・フィーですね。


コンサルタントというと「なんか高いかも」というイメージがあるようで、頼みたいけど高いこと言われると困るな、という気持ち上のハードルがあるようです。


料金について、一体いくらからが高いのか、いくらなら安いのか、具体的にお持ちの方はそういらっしゃいません。大半の方は、(後で聞くところによると)なんとなくまあいいか的あいまい状態の中で契約に至るようです(汗)


コンサルティング料金の設定方法は大きく分けて2つのパターンがあります。


ひとつは成果報酬のスタイル。

~の何%といったような報酬形態でわかりやすいです。

M&Aのアレンジや営業紹介、相続など具体的にやってもらいことがはっきりしていて、何か買ったり、売ったり、資産が動いたりする場合に合っている方法です。

単純に成果報酬のみということは少なく、活動費として実費程度の月額報酬は求められることが多いです。

一方、短期に結果が出るようなものでないと難しいという側面もあります。コンサルタントもいつまでもただ働きできません。


ふたつめは固定制。

月額~円とされているところが多いでしょうか。顧問料などはこちらが多いですね。

都度の相談ではじっくり対応することはむずかしいコンサルタントも、顧問となれば、相談時間以外の時間も、会社のことを常に頭に置いて、じっくり活動してくれます。


※ちなみに私の事務所では、それぞれの算定方法に依頼会社の売上別に金額の高低をつけています。売上サイズによって負える負えないというのは金額的に絶対ありますので、規模の大小かかわらず幅広く相談をお受けしたい意味で価格に変化をつけています。金銭的な問題でサービスを受けられない、というのは当事務所の理念的に避けたいところですので。


しかし、報酬の算定方法に違いはあれど、もともとの基準がなければ金額は決められません。

つまりは、算定のための根拠、基準があるわけです。


例えば、製造や仕入のある商売ならば原価がありますので、あとはこれにいくらの利益を乗せるかで売値が決まります。

利益率は業種によってだいぶ違いますが、一般的には粗利率25~50%くらいになりましょうか。

勘がいい方だと、作るのに1万円くらいだから、12500円という売値は一般的(ぼったくりではない)な価格だな、とすぐイメージできます。

価格の妥当性が認識しやすいです。


翻って、コンサル業は、間にモノが介在しませんので、原価イメージがわきづらい。

なので、価格に?がついてしまうのですね。


でも算定根拠、あるんです。

今回は皆さんにコンサル料金の基本的な決め方をお伝えします。


コンサル料金は根本的にそのコンサルタントのお給料に比例します。

その人に時間いくら払えば来てくれるのか、これが基本の考えかたです。


で、その時間単価は労働時間と年収の割り算で決まります。


年間の労働時間は、


1日8時間×(365日‐年間休日115日※)=2000時間


です。※一般的な上場企業の参考値


コンサルタントの年収は1000万円では下の方で、パートナー(仕事を取ってこれる人)クラスになると1000万円では雇えません。最低でも2000万は要ります。これが市場価格です。


では、2000時間を年収で割れば、単価となるかというとそう単純でもありません。

企業では家賃や光熱費、スタッフの給料など、コンサルタントの給料以外にも利益を出さねばなりませんから、単価にこれを乗せて算出することになります。


言い換えると、一等地のかっこいい(家賃が高い)ビルで、コンサルタントを支えるスタッフや受付嬢がいたり、また、広告を出したりすれば、家賃やら人件費やら何やらその分のコストを上乗せしなければやっていけないわけです。当たり前ですけれど。


つまりはコンサルの人件費が原価で、その他の費用は販管費というイメージです。

となると、コンサルタントの給料は労務費の扱いですね。


なので、コンサルのレベルが同じなら、販管費が安く収まっている方が、単価が低くなり、お買い得となります。蛇足ですが。


さて、それでは単価を算出してみましょう。


目標とする営業利益率を売上の20%とすれば、必要となる売上額は、


売上‐コンサル年収‐販管費=売上の20%

売上=コンサル年収+販管費+売上の20%


となります。


販管費を売上の40%(一般的な数値)とし、コンサルタントの年収は1500万円とします。


年収と利益目標の前提条件を入れると、


売上=1500万円+売上の40%+売上の20%


となり、売上の項目をまとめると、


売上‐売上の60%=1500万円

売上の40%=1500万円


なります。

売上の4割が1500万円になれば良いわけですから、


売上=1500万円/40%

売上=3750万円


年間労働時間は2000時間ですから、

年収1500万円のコンサルを使った場合に得るべき時間単価は、


時間単価=3750万円/2000時間

時間単価=18750円


となります。

時間単価で2万弱いただかないと、合わない、という計算です。


これは直接面談に要した時間だけでなく、拘束(移動)時間も含まれます。

例えば、面談が3時間、移動が1.5時間×2(往復)だとすると、


1.875万円×6時間=11.25万円


になります。

いかがでしょう?お分かりいただけましたでしょうか?


基本的に、コンサルの給料とその他コストに利益を乗せたものを、年間労働時間で割ったものがお示しする単価になります。


なので、販管費がかかりそうな感じ(一等地のビルや豪華なオフィスなど)がするところはそれだけの単価が上がりますし、スタッフが大勢いるところでも単価は上昇します。


大手と呼ばれるコンサル会社が一等地に豪華なオフィスを構えているのは、イメージ・営業的な意味と、優秀な人材を雇用しやすくなるメリットを享受する意図からです。


その分、コストが上昇し、単価は上がります(時間4万円もざらです)が、その分、専門性の高い優秀な人間を揃えられたり、高次元のサービスを提供することが可能になります。

顧客は大企業が中心で、単価は高くともあまり問題でない状況(年間数千万円の料金は驚く話ではない)ため、それを許容でき、高単価でも事業として成り立っています。


さはさりながら、一般的コンサル会社での算出基準は時間1~2万円くらいです。

移動時間なども加味すると、月イチ訪問で10万円、という価格設定になるわけです。

あくまでコンサル会社側の都合ですが。


私の事務所の場合、あまりコンサル側の都合ばかり押し付けてもなぁ。。というところと、一社でも多くの中小零細企業のお役に立つ、という設立理念的なところと鑑み、売上に応じて上下つけさせていただいている、ということになります。


たしかに、月イチ10万って高いなーと思われる方もいるかもしれませんが、それだけの市場価値がある人を使おうとすればそれだけお金がかかります。


年収1500万円の人を雇えば、プラス社会保険料2割で1800万円の負担です。

コンサルタントならある意味、年間135万円で雇える。ただし毎日はいませんし、部下でもありませんが。さてさて、これを安いと見るか、高いと見るか。

社内の人には話しにくいことがあったり、各種会合・勉強会では公過ぎて内情を話せないといった状況であれば、月10万円はそれほど高くはないのでは?と思います。

税金を考えれば、実際の負担は4割引きの6万円※ですし。


※利益が30万円の場合、税金はその4割、12万円。コンサル料として10万円、費用が増えると利益が10万円減り、20万円に。税金はその4割で8万円。費用が増えるまえの税金が12万円、減った場合の税金は8万円となり、税金が4万円少なくなることになる。つまり、コンサル料金10万円といっても、その実質負担は、少なくなった税金を差し引いた6万円となります。


最後に成果報酬などの料金制度について。


成果に応じた報酬、というのが本来あるべき姿かと思いますし、そのようなご希望もたまにお聞きします。が、その算定基準によっては、短期的な利益向上、偏重策に走ったり、中長期的な継続性と逆の行動に出る可能性も排除できません。つまり、会社さんにとってプラスにならない場合も考えられます。(例:単純に人件費を下げ(=解雇)れば利益は向上するが、忠誠度や技術力の低下は否めず、中長期的には企業の力を殺ぐことなる。)


一番大事なのは、その企業が「継続的に」利益を上げられるようになる、こと。


これにはバランス感覚が必要になります。無理は禁物(緊急事態はまた別ですが)です。

その点、コンサル料金の成果報酬制というのは、本来企業が求めるべき方向性とは一致しないのではないかな、と個人的には思っています。


無論、成果報酬の方があっている業務もありますので、すべて否定するわけではありませんが、経営顧問的な仕事や再生・再建支援などは合わないのかな、と思います。


以上、今回はコンサル料金の算定基準や制度・仕組みについて細かくお話しました。

それではまた次回。



季節の変わり目です。体調など崩されぬよう、ご自愛の程。


池田

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