用語集

事業再生の局面で時折、度々登場する用語を簡単に説明しています。

 

※本解説により述べている内容を交渉・業務等に用いたことにより発生した損害について、当事務所は何らの責任を負うものではありません。実務に用いる場合は各分野の専門家(弁護士、税理士等)に相談、ご確認の上ご活用ください。

 

ABL

Asset-Based Lendingの頭文字をとってABL(エー・ビー・エル)という。

動産担保融資のこと。

 

動産担保融資

 

ADR

裁判外紛争解決手続きのこと。Alternative Dispute Resolutionの頭文字をとってADRという。裁判によることもなく、法的なトラブルを解決する方法、手段など一般を総称する言葉。仲裁、調停、あっせんなど。

訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続。

 

PDF→裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の概要(法務省資料)

 

B/S

Balance Sheet(バランス・シート)の略。貸借対照表のこと。

 

CAPM理論

CAPM(Capital Asset Pricing Model:資本資産評価モデル、キャップエムと読む)は株主資本コスト算出方法のひとつ。ウィリアム・シャープ(1990年ノーベル経済学賞受賞)により発見されたモデル。WACC(Weighted Average Cost of Capital:加重平均資本コスト、ワックと読む)を計算するのに用いられる。

 

計算式は、

E(rE)-rf=β[E(rM)-rf] 

rM=市場の期待収益率

rf=リスクフリー・レート

期待リスクプレミアム=β×マーケットリスクプレミアム

となり、株式の期待リスクプレミアム(期待収益率とリスクフリー・レートとの差)はβ値に比例することになる。

リスクフリー・レートは一般的に10年物国債の利回りとすることが多い。

βは市場全体と比較してその株式の投資リスクの大きさを表す。

 

CF

Cash Flow(キャッシュ・フロー)の略。

現金収支のこと。資金の増減を意味する。

営業活動によるキャッシュフロー(本業での現金収支)、投資活動によるキャッシュフロー(投資での現金収支)、財務活動によるキャッシュフロー(借入等調達での現金収支)に分けられる。

 

DCF

Discount Cash Flow(ディスカウント・キャッシュ・フロー)の略。ディーシーエフと読む。企業が将来生み出すFCF(フリーキャッシュフロー)を現在の価値に割引 き、その合計を事業価値とする方法のこと。割引率はWACC(Weighted Average Cost of Capital)を使用する。

 

DES

デット・エクイティ・スワップの略。負債を資本(株式)に転換すること。エクイティは資本の意味。負債が株式に変わることで返済義務、金利負担から解放され、財務体質が改善される。未上場株式は処分が難しいため(特に中小企業では)、あまり用いられない手法。

 

DDS

デット・デット・スワップの略。負債を(資本性借入金に)劣後化すること。デットの意味は負債。スワップの意味は交換。債務を劣後化(後回しに)すること で返済を猶予し、企業に対する金融支援を行う。金融機関としては、(一定条件を満たせば)資本として扱えるため、不良債権としての引当金を積まずに済む (自己資本を毀損せずに済む)という意味もある。

 

DIP

Debter In Possession(占有を継続する債務者)の略。

民事再生申立て後、旧経営陣が残り再建中のこと。

 

DIPファイナンス

ディップ・ファイナンスと読む。民事再生法等を申し立てた倒産企業が、申立直後から計画認可までの期間において、運転資金を調達できず事業の継続が困難な場合に、この事業の価値を維持させる一時的な運転資金融資のこと。

 

DIP

 

EBIT

Earnings Before Intrests and Taxesの略。イービットと読む。

利払い前税引き前当期純利益のこと。

営業利益とほぼイコールの概念。

 

EBITDA

Earnings Before Intrest,Taxes,Depreciation and Amotizationの略
イービッダー、エビットディーエー、エビタダなどと読みます。企業の稼ぐ力(キャッシュフロー)を簡易的に示す指標。税引き前利益に減価償却費と支払利息を足したり、営業利益に減価償却費を足したりして算出します。フリーキャッシュフローに近い概念。

 

EBO

Employee Buy-Out(エンプロイー・バイ・アウトと読みます)を略してEBO(イービーオー)といいます。その名の通り、従業員(エンプロイー)が事業や会社を買収したり、経営権を取得すること。

 

EV

EVとは企業価値のこと。Enterprise Valueの略。

計算式は、

企業価値(EV)=株式時価総額+ネット・デット(Net Debt)

 

未上場の会社の価値を算定する場合はDCF(Discount Cash Flow)法が使用されることが多い。

 

EVA

EVAとは株主資本コストを考慮した業績指標のこと。経済的付加価値(Economic Value Added:略してEVA)と呼ばれる指標。

 

計算式は、

EVA=NOPAT(税引き後営業利益)-資本コスト

     =NOPAT-投下資本×WACC

   ※投下資本=有利子負債+株主資本(簿価)

あるいは

EVA=(ROIC-WACC)×投下資本

   ※ROIC=NOPAT÷投下資本・・・投下資本利益率のこと

∴ROICとWACCの間のプラスの差がEVAを高める

 

FCF

Free Cash Flow(フリー・キャッシュ・フロー)の略。

利払いや弁済、配当などに(フリーに)充てられる資金のこと。返済原資や配当原資。

 

【算出式】

FCF=(経常利益+支払利息-受取利息)×(1-実効税率)+償却費等-設備投資額-増加運転資本

 

IRR

Internal Rate of Returnを略してIRRという。内部収益率のこと。アイアールアールと読む。

内部収益率とは正味現在価値がゼロになる割引率のことをいう。

NPV同様、投資判断の指標として用いられる。

 

LBO

エル・ビー・オー。Leveraged Buy-Out(レバレッジド・バイアウト)を略してLBOという。企業買収手法のひとつ。

買収先企業のキャッシュフローを担保に資金を調達し、買収すること。少ない手許資金で大きな資本の会社を買収できる。

 

レバレッジ

 

M&A

Merger&Acquisitionの略。
企業買収、合併のこと。通常エムエー、エムアンドエーという。再生の局面では、支援者に事業を売却し、その資金力・信用度を活用し再建を図ることがある。

 

MBO

Management Buy-Out(マネージメント・バイ・アウト)の略。エムビーオー。

経営陣が事業や会社を買収したり、経営権を取得すること。

 

NCF

Net Cash Flow(ネット・キャッシュ・フロー)の略。

資金の「入」と「出」の差額。

キャッシュ(現金)がいくら増えたのか減ったのかを表す。

正味、純キャシュフローの意。

 

NOPAT

Net Operating Profit After Taxの略。税引き後のEBIT。

 

計算式は、

NOPAT=営業利益-みなし法人税

 

NPV

Net Present Valueの略。エヌピーヴイと読む。正味現在価値のこと。

 

計算式は、

NPV=将来発生するキャッシュフローの現在価値の合計-初期投資額

 

PVとの違いは初期投資額を差し引くこと。

正味現在価値がゼロになる割引率をIRR(内部収益率)という。

 

P/L

Profit & Loss Statement(プロフィット・アンド・ロス・ステートメント)の略。

損益計算書のこと。

 

PV

Present Value(現在価値)の略。将来の価値を一定の割引率で割引き、現在の価値を算定する方法。

 

計算式は、

n年後のX円の現在価値(割引率をr%として)=X/(1+r%)ⁿ

 

ROA

Return on Assets(リターン・オン・アセット)総資産利益率のこと。

事業に投下された資産から利益をどのくらい出せたか示す指標。

計算式は、当期純利益率÷総資産。

 

ROIC

Return On Invested Capitalの略。アールオーアイシーと読む。

投下資本利益率のこと。

投下した資本でどれだけの収益を上げることができたか、その効率を表す指標。

 

計算式は、

ROIC=NOPAT÷投下資本

 

SWOT分析

企業の戦略を立てる中で用いられる分析手法。

企業や組織の強み(strength)、弱み(weakness)、機会(oppotunity)、脅威(threat)を評価・分析する。それぞれの頭文字をとって、SWOT分析と呼ばれる。

強み、弱みは内的要因(自社内)より導き、機会、脅威は外的要因(自社外、マクロ環境)より導く。

 

WACC

WACC(Weighted Average Cost of Capitalの略、ワックと読む)とは、加重平均資本コストのこと。資本コストのの計算方法で、株主の要求するリターンと債権者の要求するリターンを加 重平均することにより計算する。つまり、WACCを上回る収益率を上げなければ企業価値は下がることを意味する。IRRのハードルレートやNPVの割引率 として使われる。

 

計算式は、

WACC=rE×E/(E+D)+rD(1-Tc)×D/(E+D)

rE:株主資本コスト

rD:負債コスト

E:株主資本(時価総額)

D:負債

Tc:実効税率

 

 

アモチ

アモチゼーション(Amortization)の略。

借入金の分割返済の意。均等分割はフル・アモチという。

下記のような感じで返済期間を意味することもある。

・その筋「アモチは?」

・銀行員「7年マックスですね」

 

アモチゼーション

アモチ

 

一般社団法人

公益法人の形態。平成20年12月より開始された新公益法人制度により設けられたもの。従前の社団法人が国等の許可を得なければ設立できなかったのに対し、要件さえ整えばすぐに登記申請可能。

なお、設立時には最低2名の社員(株式会社でいう株主)が必要だが出資等財産の拠出は不要。運営機関は理事、理事会(株式会社でいう取締役、取締役会)。

事業内容に制限はなく、営利法人同様の活動も行えるが剰余金の分配はできない。法人格が与えられるので、法人の名で不動産の所有なども可能。通常の一般社団法人と公益認定を受けた公益社団法人とがある。

 

一般財団法人

公益法人の形態。平成20年12月より開始された新公益法人制度により設けられたもの。従前の財団法人が国等の許可を得なければ設立できなかったのに対し、要件さえ整えばすぐに登記申請可能。

なお、設立時には最低1名の社員(株式会社でいう株主)で構わないが、300万円以上の財産拠出が必要。運営機関は理事、理事会(株式会社でいう取締役、取締役会)となっており、これを牽制する評議員、評議会も設けられる。

事業内容に制限はなく、営利法人同様の活動も行えるが剰余金の分配はできない。法人格が与えられるので、法人の名で不動産の所有なども可能。通常の一般財団法人と公益認定を受けた公益財団法人とがある。

 

売上債権回転期間

受取手形と売掛金の合計(売上債権)の回収に必要な日数を表す。

 

売上高営業利益率

売上高で営業利益を割ったもの。

企業の総合収益性として、営業利益を重視して把握する場合に用いる。

 

売上高経常利益率

売上高で経常利益を割ったもの。

企業の総合収益性として、経常利益を重視して把握する場合に用いる。

 

売上高総利益率

売上高で売上総利益を割ったもの。

取扱っている製品やサービスの収益力を表す。

 

売上高対支払利息割引料比率

売上高に占める支払利息・割引料の割合。

調達資金のコスト負担状況を表す。

 

売上高対人件費比率

売上高に占める(販管費中の)人件費の割合。

比率が小さければ、売上に対し効率良く働いているといえる。

 

売上高対販売費・管理費比率

売上高に占める販管費の割合のこと。

比率が小さければコスト管理が良好。

 

売上高対労務費比率

売上高に占める製造経費中の労務費の割合のこと。

比率が小さければ労務費の消費効率が高い。

 

売上高対当期純利益率

売上高で当期純利益を割ったもの。

企業の総合収益性として当期純利益を重視して把握する場合に用いる。

 

売掛金保証

取引先への売掛金、売掛債権を保証会社が保証し、取引先が支払不能となった場合にあらかじめ設定した保証金額の支払を保証すること、保証サービス。

 

倒産防止共済も取引先の支払不能に対応する意味では近いが、貸付であることが保証金の支払いとは異なる。

 

倒産防止共済

 

運転資金

=運転資本。事業を行うために必要な資金。

算出式は以下。

経常運転資金(正味営業運転資金)=(売掛金+受取手形)+棚卸資産-(買掛金+支払手形)

 

運転資本

運転資金

 

黄金株

株主総会決議等に拒否権を持つ種類株式のこと。拒否権条項付種類株式。

 

オフバランス

貸借対照表に計上されないこと。貸借対照表上から資産を外すこと。

ROA(資産利益率)を高める効果がある。

ROA

 

オンバランス

貸借対照表に計上されていること。計上すること。

反対語はオフバランス。

 

買入債務回転期間

売上高で支払手形・買掛金合計(買入債務)を割ったもの。

外部から仕入れる商品や原材料の支払いを、何日分の売り上げで支払えるか示す。

数値が大きいほど資金繰りの好転に寄与。

 

会社

会社とは、株式会社、合名会社、合資会社または合同会社のことで、法人格をもつ。

また、その名称を商号といい、商号中に株式会社、合名会社、合資会社または合同会社という文字を入れなければならない。

 

会社更生

法的再生手続き。民事再生との大きな違いは旧経営陣が退陣すること、担保権の実行が禁止されること。上場企業や大会社の再生の際に利用されることが多い。

 

会社分割

会社を分割して事業を分けること。事業再編法制に則った手続き。分割方法として新設分割と吸収分割があり、その対価は株式であるのが一般的。本社の一事業 部門を子会社化するような場合に用いられる。事業部門の価値が子会社株式に転じることになるので、本社(分割会社)の資産には変化がない。事業譲渡に比べ 許認可等を引き継ぎ易い。

 

株式会社

株式会社とは、株式を発行することにより出資を集め、それを用いて事業を行い、そこから得た利益を株主に配当することを目的とする営利法人のこと。

出資者の責任が有限であることから、事業失敗による損失のリスクを出資の範囲に限定できる。

会社の所有(株主)と経営(取締役)が分離しており、事業運営に注力し易い仕組み。また、出資持分(株式)の譲渡が容易で、出資の回収に都合がよい。

 

株主総会決議

株主総会決議はその決議内容によって、普通決議、特別決議、特殊の決議の3種類に分けられます。それぞれの決議の決議要件は以下のとおりです。

 

・普通決議…議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数

 

・特別決議…議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の多数

 

・特殊の決議①…議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の多数

・特殊の決議②…総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の多数

 

仮差押

かりさしおさえと読む。

金銭債権の執行を保全するため、債務者の財産処分に制約を加える裁判手続き。

債権者が差押をするには債務名義の取得など要件があり、時間を要することが多い。時間を要した場合、差押対象物が散逸(さんいつ)し、差押できなくなってしまう。これを避けるため、民事保全法の手続として仮差押えがある。文字通り、仮に差し押さえる制度。

仮差押えを申し立てる場合、一般的に担保を立てる必要がある。仮差押えは期限の利益の喪失事由になっていることが多い。

 

(仮差押命令の必要性)

第二十条  仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権について、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。

2  仮差押命令は、前項の債権が条件付又は期限付である場合においても、これを発することができる。


仮執行宣言付支払督促

支払督促を受けてから,債務者(支払督促を受けた人)が2週間以内に異議の申立てをしなかった場合に,裁判所は(債権者の申立てにより)支 払督促に仮執行宣言を付さねばならず、この仮執行宣言を付されたものを仮執行宣言付支払督促という。債権者はこれに基づき強制執行の手続(差押え)をとる ことができる。

 

仮処分

金銭債権以外の債権の執行を保全するための裁判手続き(金銭債権→仮差押え)。

通常、仮処分の申立てに対しては担保を立てることを求められる。

係争物に関するものと地位に関するものに大別され、係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。

仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる。

係争物に関する仮処分は処分禁止の仮処分と占有移転禁止の仮処分に分けられる。

 

為替手形

振出人が支払人(引受人)に受取人(またはその指図者)への支払を委託する使われ方をする手形。

約束手形との違いは、代金を支払うのが引受人であること。

現在の国内取引ではあまり使われていない。

 

議決権制限株式

株主総会の議題につき、議決権の行使制限がある種類株式。

 

期限の利益

債務者にとって利益となる期限のこと。

借入金などの返済に期限を有していること。

例えば5年ローンの場合、5年の期限の利益を有する、ということになる。

期限の利益を失えば、一般的には一括弁済を迫られることになる。

通常、金銭消費貸借契約書等には期限の利益の喪失事由が記載されており、当該事由に当てはまった場合に期限の利益を喪失する。

 

キャッシュフロー

CF

 

強制執行

強制執行は民事執行手続きのひとつ。いわゆる差押えの手続き。

主に不動産に対するもの、債権に対するもの(預金口座への差押など)がある。

勝訴判決を得たり,相手方との間で裁判上の和解が成立したにもかかわらず,相手方がお金を支払ってくれなかったり,明渡しをしてくれなかったりする場合に,判決などの債務名義を得た人の申立てに基づいて,相手方に対する請求権を,裁判所が強制的に実現する手続のこと。

 

緊急保証制度

「緊急保証制度」は、業況の悪化した中小企業の資金繰りを円滑にするため、平成20年10月31日に創設されたものです。これは、中小企業の方々が金融機 関から融資を受ける際、信用保証協会が100%債務保証をするというもの。借り手の中小企業が資金の返済をできなくなった場合は、信用保証協会が銀行への 返済を100%保証するため、金融機関から中小企業への融資がスムーズに行われるようになります。

参考→政府広報オンライン

 

金銭消費貸借契約

金銭消費貸借(きんせんしょうひたいしゃく・けいやく)とは、お金を借りる際に締結する契約のこと。借用書との違いは貸し手、借り手ともに署名押印する点 (一般的に借用書は借り手が差入れる形式)。消費貸借(民法587条)契約でその内容が金銭の貸し借りのところ、金銭消費貸借と呼ばれる。

 

民法587条(消費貸借)

消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって,その効力を生ずる。

 

金消(きんしょう)

金銭消費貸借(きんせんしょうひたいしゃく)契約の略。

金銭消費貸借契約

 

円滑化法

中小企業金融円滑化法

 

金融検査マニュアル

金融検査マニュアルは、金融庁の検査官が金融機関を検査する際の手引書。

正式名は「預金等受入金融機関に係る検査マニュアル」。

金融機関はこのマニュアルに反することはできないため、この内容を知ることは債権者交渉の点でとても重要。

平成14年には中小企業等の債務者区分などの検証にどのように適用するかについて、その検証のポイントと具体的な運用例をまとめた「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」が作成、公表された。

金融検査マニュアル別冊

 

金融検査マニュアル別冊

金融機関が中小企業の信用格付けを行う上で基準とするマニュアル。

中小企業等の債務者区分については、財務面における代表者等との一体性、企業の技術力、販売力や経営者本人の信用力等 を検査の際にきめ細かく検証することが必要とされるため、14年6月、「金融検査マニュアル」を中小企業等の債務者区分などの検証にどのように適用する かについて、その検証のポイントと具体的な運用例をまとめた「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」が作成、公表された。

PDF→金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕

 

繰欠(くりけつ)

繰越欠損金のこと。

繰越欠損金

 

繰越欠損金

繰越控除される欠損金のこと。

確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前9年以内に開始した事業年度で、青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額は、その各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入される。

繰越欠損金がその事業年度開始の日前9年以内に開始した事業年度のうち2以上の事業年度において生じている場合には、最も古い事業年度において生じたものから順次損金算入される。

 

経営革新計画

中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画書のこと。経営革新計画書を作成することで、経営理念の社員との共有化や経営目標が明確になりやすい。承認 を受けると「保証・融資の優遇措置」等の支援措置も用意されているが、融資等支援が保証されているわけではない。

 

経営セーフティ共済

中小機構の運営する倒産防止共済のこと。取引先が倒産した場合に無利子の貸付を受けられる制度。

 

倒産防止共済

 

 

競売(けいばい)

「きょうばい」と読まれることもあるが、法律的には「けいばい」と読むため、再生の局面では「けいばい」という読み方が通常一般的。

不動産に対して抵当権等担保権が付いている場合で、その担保権を実行(売らせてもらって回収します、ということ)する売却手続方法のことを競売という。

 

競売の流れは、

1.債権者が目的不動産の管轄裁判所に不動産執行の申立てを行う。

2.申立てが適法なら開始決定がなされ、差押。

3.裁判所が売却準備のための調査を行い、売却基準価額を設定。

4.売却実施、入札、納付、引渡し。

 

期間的には、通知が来てから1年程度で引渡しに至ることが多いようです。

開札日の前日まで競売の取り下げは可能ですので、それまでに債権者と調整が付けば、取り下げてもらうことも可能です。

競 売価格は市場流通価格の2割~3割引きくらいが通常です(人気物件はほぼ同額のようですが)ので、債権者もできれば競売ではなく、任意で売却してくれた方 がありがたいと考えます。期間的な面からも任意売却に経済合理性がありますが、価格決定プロセスの透明性や公平性を問われる場合、競売手続を選択すること が多く見受けられます。

 

合同会社

合同会社は営利法人だが、株式会社と異なり、合名会社や合資会社と同じ、持分会社というくくりに入る。ついては、所有と経営が分離しておらず一体となっている。

合名会社や合資会社との違いは出資者(社員)全員が有限責任であること。利益分配や議決権割合を出資割合と関係なく決めることができる。設立時定款認証が不要のため、設立コストが株式会社に比べ低く抑えられる。

 

合資会社

持分会社で、社員の一部が無限責任社員、その他が有限責任社員の場合の法人。登記により成立する。ついては最低2名の社員が必要である。(ここでの「社員」の意味は株式会社でいうところの「株主かつ取締役」のようなもので、一般的な社員の意味ではない)

 

持分会社の種類は、合名会社、合資会社、合同会社の3種類。持分会社の定款には、社員の住所氏名、無限責任社員・有限責任社員の別を登記する必要がある。

 

無限・有限は会社の債務に対するものであり、株式会社のように所有と経営は分離しておらず、社員が背負う経営についてのリスクは大きい。

経営者の信用が重要な法人形態が合名、合資会社である。

 

設立コストは株式会社の半分以下の費用となっており、費用面ではメリットあるも、無限責任を負うデメリットが大きく、最近ではあまり活用されていない。

 

合名会社

社員の全部が無限責任社員の持分会社のこと。登記により成立する法人。

社員の一部が無限責任社員で、その他が有限責任社員の場合は合資会社となる。ついては合資会社は最低2名の社員が必要。合同会社は社員の全員が有限責任社員。(ここでの「社員」の意味は株式会社でいうところの「株主かつ取締役」のようなもので、一般的な社員の意味ではない)

 

無限・有限は会社の債務に対するものであり、株式会社のように所有と経営は分離しておらず、社員が背負う経営についてのリスクは大きい。経営者の信用が重要な法人形態である。

 

設立コストは株式会社の半分以下の費用となっており、費用面ではメリットあるも、無限責任を負うデメリットが大きく、最近ではあまり活用されていない。

 

公正証書

公正証書とは、公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書のこと。

公正証書には、遺言公正証書、任意後見契約公正証書、金銭の貸借に関する契約や土地・建物などの賃貸借に関する公正証書、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する公正証書並びに事実実験に関する公正証書などがある。

事業用定期借地権と任意後見契約は公正証書にしなければならない。

 

固定資産回転率

固定資産で売上高を割ったもの。

回転率が高いほうが資金繰りに余裕をもたらす。

また、効率的な資産活用が行われているともいえる。

 

債権回収会社

サービサー

 

債権者代位

債権者は、弁済期限が過ぎた債権を保全したい場合、債務者の権利(差押えできるもの)を債務者の代わりに行使することができる。その権利が金銭の支払や動産の受領であれば、第三債務者に対し、その支払や引渡しを自分にするよう求めることができる。なお、行使したとしても債務者自身が自ら取立て、引渡しを受けることは可能。

 

債権が金銭等分けられるものの場合、その額を超えて権利を行使することはできないが、処分をされないようにすることはできる。権利を保全するために登記や登録を行わせることも可能。

 

債務名義

債務名義とは,強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在,範囲,債権者,債務者を表示した公の文書のこと。民事執行法第22条に記載されている。

強制執行を行うには,この債務名義が必要。主に確定判決、仮執行宣言付判決、仮執行宣言付支払督促、和解調書・調停調書がある。

 

【民事執行法第22条】

1.確定判決(同条1号)

~「100万円を支払え。」又は「○○の建物を明け渡せ。」などと命じている判決で,上級の裁判所によって取り消される余地のなくなった判決を言います。

2.仮執行の宣言を付した判決(同条2号)

~仮執行の宣言(「この判決は仮に執行することができる。」などという判決主文)が付された給付判決は,確定しなくても執行することができます。

3.抗告によらなければ不服を申し立てることが出来ない裁判(同条3号)

4.仮執行の宣言を付した支払督促(同条4号)

5.訴訟費用の負担等の額を定める裁判所書記官の処分(同条4号の2)

6.金銭の支払等を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(執行受諾文言)が記載されているもの(執行証書、同条5号)

7.確定した執行判決のある外国裁判所の判決(同条6号)

8.確定した執行決定のある仲裁判断(同条6号の2)

9.確定判決と同一の効果を有するもの(同条7号)

 

詐害行為取消権

債権者を害しようとした行為は取り消しを請求できる。ただし、受益者が善意の場合はできない。

 

債権については、

・財産権であること

・詐害行為の前の原因に基づいたもの

・強制執行により実現できるもの

であることが必要。(民424)

 

債務者が所有する財産を売った場合でも取消を請求できるが、

・不動産の金銭への換価(つまり売却)などを行ったこと

・売却で得た金銭等を隠す意思があったこと

・隠すつもりであることを受益者(購入者)知っていたこと

という要件が必要。(民424の2)

 

ただし、知っていた購入者から知らない(善意の)購入者に転売された場合は、取消請求できない。請求するには全員が知っている必要あり。(民424の5)

 

支払不能状態のときに、債務者と通じて(他の債権者を出し抜くつもりで)担保を出したり、返済されたりした場合も取消し請求できる。(ただし支払不能になる前30日以内)(民424の3)

代物弁済したものの価額が債務の額より大きい場合は、大きい部分について取消請求できる。(民424の4)

 

先取特権

債権者平等の原則を修正して、特定の債権者の債権を優先的に弁済を受けられるようにした制度のこと。優先弁済効は債権に応じて異なり、抵当権などの約定担保物権との調整に注意が必要。

先取特権は、一般先取特権(債務者の総財産を対象)、動産先取特権(債務者の特定の動産を対象)、不動産先取特権(債務者の特定の不動産を対象)の大きく3種類に分けることができる。

一般先取特権には、共益費用の償還請求権、雇人給料債権、葬式費用債権、日用品供給の代金債権と4累計あり、優先順位は左から順となっている。

動産先取特権の優劣は、第1順位:不動産の賃貸、旅館の宿泊および運輸の先取特権、第2順位:動産保存の先取特権、第3順位:動産の売買、種苗または肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権、となっている。

不動産先取特権は、不動産保存(修理、修繕)、不動産工事(増築、新築、造成)、不動産売買の順番に優劣がある。

 

差押え

債権等の強制執行や担保権の実行のために行われる裁判手続きのこと。債務名義により行われ、執行文の付与された債務名義の正本に基づいて実施される。差押がなされると勝手に処分(譲渡等)できなくなる。一般金融機関は余程でないと差押はしない(担保や保証を取っていることもある)が、税の滞納については急に差押を打たれることもあるので注意が必要。

 

(債務名義)

民事執行法第22条:強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。

一  確定判決

二  仮執行の宣言を付した判決

三  抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)

三の二  仮執行の宣言を付した損害賠償命令

四  仮執行の宣言を付した支払督促

四の二  訴訟費用若しくは和解の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)

五  金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)

六  確定した執行判決のある外国裁判所の判決

六の二  確定した執行決定のある仲裁判断

七  確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)

 

サービサー

債権管理回収業に関する特別措置法による民間債権回収会社のこと。

不良債権の処理等を促進するため,弁護士法の特例として,債権管理回収業を法務大臣による許可制をとることによって民間業者に解禁する一方,許可に当た り,暴力団等反社会的勢力の参入を排除するための仕組みを講じるとともに,許可業者に対して必要な規制・監督を加え,債権回収過程の適正を確保しようとす るもの。

 

産活法

産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法。略称は「産活法」。

国際競争力の強化を目指した民主導の戦略的な産業再編等を促していくとともに、ベンチャー等の成長企業による新事業展開、地域中小企業の活性化等を後押しする。

制度・資金調達面での支援、支援機関(中小企業再生支援協議会、事業再生ADR、産業革新機構)の設置。

計画類型は7つ。

・事業再構築計画

・経営資源再活用計画

・経営資源融合計画

・債権放棄を含む計画

・事業革新新商品設備導入計画

・資源生産性革新計画

・資源制約対応製品生産設備導入計画

金融機関が債権放棄をした場合、資産評価損の損金算入が認められている。

 

事業再生ADR

中立公正な第三者の関与により、裁判外手続(ADR)で再建計画や債務調整に関する合意を得て事業再生を図る制度。

事業再生に係る認証紛争解決事業者(事業再生実務家協会が認証1号で唯一)が、中立公正な立場の専門家を手続実施者予定者として推薦し、当該実施者がADR手続を主宰し、再生計画にういて債権者・債務者間の仲介・調整をし合意を図る。

計画は原則3年以内の経常黒字化と債務超過解消が求められ、株主、経営者責任が厳格。

金融機関が債権放棄に応じた場合、原則損金算入が認められる。

再生計画の承認には債権者全員の合意が必要。

費用は高額(5千万円程度)。

 

事業譲渡

事業を譲渡(売却)すること。会社全体の事業を譲渡する場合や会社の一部事業を譲渡する場合に使われる商取引。事業を売却する取引のため、譲渡対価(売買 価格)が発生する。通常は金銭での取引。会社分割に比べ、成立までにようする時間が少なく済むことが多い。譲渡対価の算定方法を恣意的に操作すると、後で 詐害行為等で譲渡が無効とされることがあるので注意が必要。事業継続上、許認可の引き継ぎが不可欠の場合には不向き。

 

自己資本当期純利益率

自己資本(純資産)で当期純利益を割ったもの。

株主の立場から見た収益力。

 

質権

質権は専有型の担保物権。目的物を債権者に引き渡すことが必要であり、占有改定は認められない。ゆえに動産に対して利用されることが多い。抵当権との違いは、債務の完済まで目的物を返還しないという留置的効力を有する点。動産質以外の質権としては、あまり利用されないが、不動産質、権利質がある。不動産質権の対抗要件は登記で、存続期間は最長10年。権利質の例としては債権質があげられる。債権質の対抗要件は第三債務者への通知あるいは承諾。動産登記制度が使える場合は登記を対抗要件とすることも可能。目的債権の種類により対抗要件は異なるので注意。

 

執行認諾文言付公正証書

「強制執行認諾文言」と言われる文言が記載された公正証書のこと。

この文言が公正証書に記載されると、約束が守られない場合には、裁判所の判決がなくても公正証書によって強制執行(差押え)をすることができる。

 

実抜計画

実抜(じつばつ)計画。「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」のこと。“実”と“抜”を採り、「実抜計画」と略して呼ばれる。

実抜計画が策定されていれば、条件変更が行われた場合でも、貸出条件緩和債権に該当しない取扱いとなる。計画期間が5年を超え10年以内であり、かつ、明 らかに達成困難であるとは認められない場合には、進捗状況が確認できない計画策定直後であっても、概ね計画通りに進捗しているものとして取り扱われる。

 

私的整理

法的手続きによらず、債権者・債務者の話し合いによる合意により再生を果たす方法。

 

私的整理ガイドライン

私的整理に関し関係者間の共通認識を醸成し、私的整理を行うに至った場合の関係者間の調整手続き等をガイドラインとして取り纏めたもの。

企業の私的整理に関する基本的考え方を整理し、私的整理を行うに至った場合の具体的な関係者間の調整手続き、対象となる企業の選定基準、再建計画の要件等を予め定めている。

法的拘束力は無いが、金融機関等債権者はこのガイドラインを遵守するよう期待されており、実際遵守されることが多い。

PDF→私的整理ガイドライン

 

私募債

社債で多数の者を勧誘しないもの。公募でないので私募。証券会社等のプロ投資家を対象とするプロ私募と、勧誘相手を50人未満とする少人数私募がある。資金調達の手法のひとつ。銀行からの借入れが通常月々元本の支払があるのに対し、社債は数回の利息の支払いのみのため、投資回収が売却に依っているようなビジネスにとって都合良い資金調達方法。一方、社債購入者にとってはリスクが高く、それに応じた利息を設定する必要もある。

 

少人数私募債

 

資本性借入金

十分な資本的性質が認められる借入金のこと。資本とみなすことができる借入金、劣後ローン。既存のローンを劣後化(DDS)することによりバランスシートを改善することを意図。平成23年11月に“みなす”ことのできる条件が明確化された。条件は以下。

償還条件:5年超

金利設定:事務コスト相当の金利の設定可能

劣後性:必ずしも担保の解除は要しない(一定の条件満たす必要有)

 

資本性借入金

十分な資本的性質が認められる借入金のこと。資本とみなすことができる借入金、劣後ローン。既存のローンを劣後化(DDS)することによりバランスシートを改善することを意図。平成23年11月に“みなす”ことのできる条件が明確化された。条件は以下。

償還条件:5年超

金利設定:事務コスト相当の金利の設定可能

劣後性:必ずしも担保の解除は要しない(一定の条件満たす必要有)

 

社債

会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、募集時の取り決めに従い償還されるものをいう。企業が資金調達する際に発行する債券のこと。国が発行するものは国債、企業が発行するものは社債。英語で債券のことを「bond(ボンド)」という。投資家募集の人数制限により、制限のない公募と制限のある(50人未満)私募とにわかれる。中小企業が発行する場合は私募。

 

収益執行

不動産から生ずる収益を被担保債権の弁済に充てる方法による不動産担保権の実行をいう。賃料上に物上代位権を行使すると、管理コストの捻出が困難になりやすい。そこで、目的物の維持管理に要する費用を除外した部分のみが抵当権者に配当されるように設けた制度。物件荒廃の防止、管理人が積極的措置を取り得る点、管理人が物件の占有管理を為し得る点などの効用がある。

 

取得条項付株式

一定の事由が発生すると会社が強制的に取得できる種類株式のこと。

 

取得請求権付株式

株主が会社にその取得を請求できる権利の付いた種類株式のこと。

 

種類株式

会社法108条1項に規定される株式のこと。

 

(異なる種類の株式)

第百八条  株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、委員会設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。

一  剰余金の配当

二  残余財産の分配

三  株主総会において議決権を行使することができる事項

四  譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。

五  当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。

六  当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。

七  当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。

八  株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第六項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条に おいて同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の 決議があることを必要とするもの

九  当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること。

 

準金銭消費貸借契約

準金銭消費貸借(じゅんきんせんしょうひたいしゃく)契約とは、売掛金など消費貸借によらない債権を消費貸借契約に切り替える契約のこと。準消費貸借の目的物が金銭なので、準金銭消費貸借。

 

民法588条(準消費貸借)

消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。

 

準金消(じゅんきんしょう)

準金銭消費貸借(じゅんきんせんしょうひたいしゃく)の略。

準金銭消費貸借契約

 

純資産価額方式

株式の評価方法のひとつ。上場していない中小会社の株式を評価する際に用いる。

会社の総資産や負債を、原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から、負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額で評価する。

 

商業手形

実際に行われた商取引について振り出された手形のこと。

支払を手形で行うと、手もと現預金の減少(支払)を一時的に繰り延べられる。

これを振り出せば支払手形、受け取れば受取手形となる。

 

証書貸付

借用書(金銭消費貸借契約書)を差し入れて融資を受ける方法。

返済期間1年以上の長期借入で使われることが多い。

 

譲渡制限株式

株式を譲渡により取得する場合、会社の承認を必要とする株式のこと。

 

譲渡担保

譲渡担保は、売買契約等によって所有権を債権者に移転する形をとるものの、実体としては担保の意義をもつもの。借入金の担保に不動産・動産を譲渡し、返済後、元の所有者に戻す。(返済できなければ処分して清算)

法については特に規定がなく。慣習法上認められた物権として位置づけられている。

不動産譲渡担保の対抗要件は登記、動産譲渡担保の場合は占有改定が多いが、即時取得の第三者に対抗するためには、動産譲渡登記の方法が検討できる。

清算方法には、帰属清算(所有権を確定的に移転し差額を清算)と処分清算(第三者に売却し清算)の二通りのものがある。

 

少人数私募債

資金調達手段のひとつ。社債の一種で縁故債ともいう。募集できる数が限られている(50名未満)のが特徴。金融機関からは借入ができないが、知人等で支援 者がいる場合に活用。一般的は借り入れに比べ、金利や返済期間、返済方法等柔軟に設計できる。通常、担保を設定することはできない。

 

処分禁止の仮処分

不動産に関する権利についての登記(仮登記を除く。)を請求する権利(以下「登記請求権」という。)を保全するためのもの。処分禁止の仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。

 

所有権留保

売買時において、代金完済時に所有権が移転する契約により、代金の回収を担保する方法。動産売買代金債権については、先取特権により優先弁済権が認められているが、所有権留保を用いることにより、私的実行による債権回収が可能となる。車など動産についての割賦販売で用いられる事が多い。

 

ストックオプション

会社の従業員・取締役などに対して、予め定められた価格(権利行使価格)で、会社の株式(ストック)を取得する権利を付与する報酬制度。

時価が権利行使価格を上回らなければキャピタルゲイン(売却益)が得られないため、株価上昇のための意欲を刺激する。会社にとっては、資金負担なく従業員・取締役のインセンティブを高められる。行使するしないは権利者の自己判断。放棄することもできる。

 

セーフティネット貸付

「セーフティネット貸付」には、「経営環境変化対応資金」と「金融環境変化対応資金」があります。前者は、今般の景況悪化等の影響により売上や利益 が減少している中小・小規模企業、後者は国際的な金融不安等を背景に金融機関との取引状況が変化し、資金繰りに困難をきたしている中小・小規模企業の経営 の安定を図るために、政府系金融機関である日本政策金融公庫(日本公庫)が資金を貸し付ける制度です。

長期固定の低金利で融資を受けられるというメリットがあり、中小・小規模企業であれば、原則として業種を問わず、利用することができます。

参考→政府広報ライン

 

セール&リースバック

資産を処分(売却)して、処分した先からその資産を借り受け、使用すること。再生の現場では、担保に供している不動産を売却、売却先より売却不動産の賃貸 を受け、使用するケースが多い。これにより債務の圧縮が図れ、不動産も使用することが可能となる。ただし、借り受ける際に要する費用(一般的には賃料)の 負担に耐えられる財務状況か否かは慎重に検討しなければならない。

 

全部取得条項付種類株式

全部取得条項付種類株式とは、株主総会の決議によってその全部を強制的に会社が取得できる種類株式のことをいう。100%減資に用いられることが多い。

 

占有移転禁止の仮処分

債務者占有者には明け渡し請求等できるが、占有者が変わってしまうとできなくなる。これを防ぐため、占有移転禁止の仮処分の申立てを行う。

 

占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、債権者は、本案の債務名義に基づき、次に掲げる者に対し、係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができる。

・当該占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたことを知って当該係争物を占有した者

・当該占有移転禁止の仮処分命令の執行後にその執行がされたことを知らないで当該係争物について債務者の占有を承継した者

※占有移転禁止の仮処分命令の執行後に当該係争物を占有した者は、その執行がされたことを知って占有したものと推定する。

 

総資産利益率

ROA

 

総資本回転率

売上高を総資本(総資産)で割ったもの。

投下資本がどの程度の効率で売上を得られたかを表す。

 

総資本営業利益率

総資本(総資産)で営業利益を割ったもの。

営業活動の効率性を示す。

 

総資本経常利益率

総資本(総資産)で経常利益を割ったもの。

総資本を用いてどれだけ経常利益を獲得できたかあらわす。

 

総資本当期純利益率

総資本(総資産)で当期純利益を割ったもの。

総資本を用いてどれだけ当期純利益を獲得できたかを示す。

 

相殺

相殺とは、二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときに、各債務者が、その対当額についてその債務を免れることをいう。相殺の禁止や制限をすることは可能。

時効で消滅した債権についても、時効完成前に相殺可能な状態になっていた場合は、さかのぼって相殺が可能。悪意による不法行為にもとづく損害賠償債務や生命や身体の侵害による損害賠償債務は債務者から相殺はできない。債務者が差押禁止債権を受働債権として相殺を主張することも禁止。

差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。

 

損益計算書

企業の一定期間の収益と費用の状態を表す財務諸表。経営成績を示す。P/L(ピーエル:Profit & Loss Statementの略)と称されることも多い。

 

損益分岐点

売上高と費用が同額になる売上高のこと。

売上高が損益分岐点を下回ると損失が発生し、上回ると利益が出る。

算出式は、

損益分岐点売上高=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

 

貸借対照表

企業の一定時点における資産・負債・資本(純資産)の状態を表す財務諸表。

資産-負債=純資産。純資産がマイナスであれば債務超過。

 

第二会社方式

経営危機に瀕した企業の内部に、収益が見込める事業部門がある場合、その部分を切りだし、新会社として再スタートを図る方法。GOOD事業とBAD事業を 切り分け、いいところだけでも生き残らせる方策。事業の切り離し手法として、事業譲渡や会社分割が利用されることが多い。

 

棚卸資産回転期間

売上高で棚卸資産(商品・製品、半製品・仕掛品、原材料・貯蔵品等)を割ったもの。

平均的な在庫期間をあらわす。

 

為手(ためて)

為替手形の略称。

為替手形

 

中小企業金融円滑化法

平成21年12月4日施行の中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律。この法律により、金融機関は中小企業の借り手や住宅ロー ンの借り手の申込みに対し、できる限り条件変更等行うよう努めなければならない。条件変更を行う際に、経営改善計画等がなくとも、最長1年以内に計画等を 策定できる見込みがあれば、不良債権とはならない。平成23年3月末を以て終了する予定であったが、経済状況等から終了が1年延長され、震災等の影響から 平成24年3月末までまたさらに1年再延長された。

 

中小企業再生支援協議会

「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)」に基づき、 47都道府県に設置されている、中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援する「国の公的機関」(経済産業省委託事業)。公正中立な第三者機関という立ち 位置。相談は無料だが、中長期的なアドバイスを専門家に求める場合や、実際の再生計画作り(2次対応)を依頼する場合は別途費用が必要。

 

重畳的債務引受

「ちょ うじょうてきさいむひきうけ」と読む。債務引受とは、もともとの債務者(借り手)から、その債務(返済する責任)を引き受けることをいう。これに「重畳 的」と付く場合、もとの債務者からその債務は新債務者へ切り替わらず、負ったままとなる。そのため、もとの債務者と新たな債務者両方とも併存的に債務者と なる。免責的に債務を引受ける場合、債権者(貸し手)の同意が必要だが、重畳的な引受けの場合、同意は不要。第二会社方式による再生スキームの中でよく用 いられる。

 

抵当権

債務者(又は第三者)が担保に供した不動産について、他の債権者に先立って弁済を受ける権利。

債務不履行になった場合は抵当不動産の果実(例、賃貸物件の賃料など)にも及ぶ。

複数の抵当権の優先順位は登記の前後による。(抵当権者間の話し合いで順位の変更も可能)

 

抵当権消滅請求

抵当権消滅請求(民379)とは、抵当権の付いた不動産を取得した人(第三者)が、抵当権者に対し、代価や物件の価額を債権者に弁済することにより抵当権の消滅を請求できるもの。

債務者が2ヶ月以内に競売に進まなければ承諾したものとみなされる。

すべての債権者が第三者が提供した代価等を承諾し払い渡しを受けたとき抵当権は消滅する。

主たる債務者、保証人、これらの承継人は請求できない。また、請求は競売による差押の効力発生前にしなければならない。

 

手形

手形(てがた)。有価証券のひとつ。

大きく分けて、為替手形と約束手形の2種類がある。

手形を発行する者を振出人といい、手形により支払いを受ける者を受取人という。

 

手形貸付

金融機関等に約束手形を振出し、融資を受ける方法。

一般的に返済期間1年以内の短期資金の融資の際に用いられる。

金融機関は券面額から利息等を指し引いた金額を貸し付ける。

手形は不渡りを2回出すと倒産となるため、返済に対する心理的プレッシャーが強い。

金銭消費貸借契約の貸付債権であるとともに手形債権でもある。

 

手形のジャンプ

手形のジャンプとは、手形の支払期日を延ばすことを意味する。

資金繰りが逼迫している等手形決済資金が用意できない場合に用いられる。

手形のジャンプ(支払期日の延長)は、手形の書き換え、支払期日の訂正により行われる。

 

手形割引

約束手形(商業手形)を支払期日前に銀行や割引業者などに売却し、現金化すること。

割引料(年4%~15%)と取立手数料を差し引いた金額を受け取ることになる。

手形割引は買戻し請求権が付いていることが多く、この場合、割引いた手形の振出人が倒産する等決済できない状況に陥った際には、代金の弁済を請求される。

 

転換社債

発行時定めれた価額で発行会社の株式に転換できる権利の付いた社債のこと。平成14年商法改正により、正式名称が転換社債型新株予約権付社債となった。CB(シービー、Convertible Bondの略)ともいう。発行会社株式の市場価格が転換価格よりも高ければ、株式に転換し売却することで売却益を得ることができ、市場価格よりも低ければ、社債利息を受け取り、また額面金額の払い戻しが受けられる。なお、転換価格修正条項付転換社債として、転換価格を修正できる条項のある転換社債もある。

 

動産担保融資

売掛金や棚卸資産を担保として融資をする方法。

不動産等に担保余力がなく、融資が受けられない場合には有効だが、金利は高めなため、計画的に活用しなければならない。売掛債権に譲渡禁止特約が付いている場合は担保として扱われないことが多い。

 

倒産防止共済

倒産防止共済とは中小企業基盤整備機構の運営する経営セーフティ共済のこと。略して倒産防(とうさんぼう)と呼ばれることもある。

取引先事業者が倒産したことにより売掛金債権等の回収が困難となった場合に、共済金の貸付が受けられる共済サービスであり、特徴は以下のとおりとなっている。

【特徴】
・貸付
・無金利
・返済期間5年~7年
・貸付額 50万円~8000万円
(回収困難となった売掛金債権等の額と掛け金総額の10倍のいずれか少ない額)
・損金算入可

【貸付が受けられない場合】
・取引先事業者の倒産が加入後6か月未満に生じたもの
・請求が倒産日から6か月を経過した後になされたもの
・中小企業者でない
・貸付金の額が50万円未満の場合
・貸付金の額が共済契約者の月間総取引額の20%未満
の場合
・共済契約者に倒産または倒産に準ずる事態が生じていいるとき
・共済契約者がすでに貸付を受けた共済金の償還を怠っているとき
・倒産した取引先事業者に対し、売掛金債権等を有することとなったこと、またはその回収が困難となったことにつき、共済契約者に悪意または重大な過失があったとき
・上記のほか、共済契約者と倒産した取引先事業者との取引額、代金の支払方法などが確認できないとき

 

特別決議

特別決議は、会社法309条2項各号で定められている決議内容の場合に当てはまります。決議の要件は、「議決権を行使することができる株主の議決権の過半 数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定 款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。」と規定されています。

 

特殊決議

特殊の決議は、会社法309条3項各号および4項に規定される決議に関するもので、3項についての決議要件は、「議決権を行使することができる株主 の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合 にあっては、その割合)以上」とされ、4項については、「総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総 株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上」とされています。

 

特別清算

解散して清算手続きに入った株式会社が、債務超過などで清算の遂行に著しい支障をきたす場合などに裁判所の監督下で清算業務を行う法的清算手続きのこと。債権者3分の2以上の賛成によって成立。

 

匿名組合

匿名組合とは、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配するもの。当事者間の契約により効力を生じます。TK(ティー・ケー)と略されて呼ばれることも多い。

 

組合と名前がついているが、団体ではなく2当事者間の契約。ついては法人ではない。また、組合員同士他の組合員かわからない(匿名性)のが特徴。投資先にもわからないため(対外的には営業者の名前で取引するので)、名前を知られたくないが投資はしたいといった場合に有用。

 

営業者は既存の事業会社がそのまま行うことはなく、通常、新たにヴィークル法人(合同会社や株式会社)を設立して、営業者として活動する。なお、営業者が個人であっても可能。出資は金銭のみとなっています。出資額以上の負担はない。

 

法人ではないので利益に税金がかからず、二重課税の問題を回避できるのもファンド等で活用される理由。(組合員が配当を受け取ったときに課税)

 

任意売却

抵当権等担保設定されている不動産を処分する際、競売ではなく、通常の売却手続きで処分を行うこと。略して任売(ニンバイ)と呼ばれることも多い。

不動産抵当等担保を差し入れて借りた金銭が返済不能となった場合、抵当不動産の競売に清算されるのが通常である。一方、競売手続きは清算までに時間がかかり、また、通常取引価格よりも安価となることが多い。

抵当権者にとっては、競売によらず任意に売却をすることにより、回収までの時間の短縮、回収額の極大化を図ることができる。ついては、債務者(抵当権設定者)は、抵当権者との間で、売却金額の了解を得ておく必要がある。なお、転居費用は必要経費として考慮されることが多い。

債務者にとっては、知人等に売却することにより将来の買い戻しや賃貸として居住継続等を検討する余地を作ることができる。

競売市場での価格が高騰すると、債権者に応じてもらいにくい傾向がある。(公正明白で本来的な手続きである競売でも十分に回収が期待できるため)

 

ネットキャッシュフロー

NCF

 

根抵当権

一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度において担保するために設定する抵当権のこと。

不特定の債権の範囲は、一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。

根抵当権者は、確定した元本等について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。

根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。

 

根保証

根保証契約とは、一定の範囲に属する不特定の債務について保証する契約のこと。根保証契約を締結して保証人となる際には、主債務の金額が分からないため、将来、保証人が想定外の債務を負うことになりかねない。

個人(会社などの法人は含まれない)が保証人になる根保証契約については、保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ、保証契約は無効。この極度額は書面等により当事者間の合意で定める必要があり、極度額は「○○円」などと明瞭に定めなければならない。

また、個人が保証人になる根保証契約については、保証人が破産したときや、主債務者又は保証人が亡くなったときなどは、その後に発生する主債務は保証の対象外。

 

破産

破産手続とは、債権者その他の利害関係人の利害および債務者と債権者との権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする法的手続のこと。

 

バランスシート

Balance Sheet(バランス・シート)。貸借対照表のこと。

 

普通決議

普通決議は、会社法上の別段の定めがある場合を除いたすべての決議に当てはまります。決議の要件は、「議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数」と規定されています。

 

物上代位

抵当権の対象である建物などが滅失して保険金債権が発生したような場合に、抵当権が保険金債権などに存続する制度のこと。物上代位の対象は「目的物の売却、賃貸、滅失又は既存によって債務者が受けるべき金銭その他の物」となっており、代金債権や土地収用時に与えられた換地などが考えられる。賃料債権への物上代位も認められるが、第三者に対抗するためには差押えが必要。

 

プレパッケージ型民事再生

民事再生計画中は資金調達が困難になることが多いため、手続き申し立て前にスポンサーを発掘し、スポンサーの資金的支援を背景に再生計画の信憑性を高め、 債権者の承認を得やすくする。手続き申し立て前からそのような仕組みを整えるためプレパッケージと呼ばれる。再生計画承認後再生を実行するにあたっても、 信用補完されるため、取引先との関係も維持できる可能性が高まり、結果、再建のスピードを早める効果がある。

 

プロラタ

按分の意。英語でProratableというため、略してプロラタと呼ばれる。

プロラタ方式

 

プロラタ方式

債権者が複数いる場合に、各債権者の有する債権額に応じて計算した金額をそれぞれ返済すること。

例:月でトータル100万円をプロラタ方式で返済する場合

・債権者3名でそれぞれ5000万円、3000万円、2000万円の債権を有するとすると、債権総額1億円なのでその割合は各々50%、30%、20%となる。

・月返済額100万円を上記割合で按分するとそれぞれ50万円、30万円、20万円を返済することとなる。

プロラタ

 

フリーキャッシュフロー

FCF

 

返済猶予法

中小企業金融円滑化法

 

法人格否認

会社の債務について個人は原則責任を負和ないのが原則(連帯保証をしていれば別)だが、この原則を貫くと正義・公平に反すると認められる場合、特定の事案について、その会社の背後にいる株主や別会社を会社と同一視することを法人格否認の法理といいます。
新会社の設立が旧会社の債務逃れを目的としてなされた場合に法人格の濫用が認められ、新旧両会社に責任追及可能という判例があります。近時、債務逃れを目的とした会社分割が認められないという最高裁判決がありましたので、会社分割による再生はますます注意して検討しなければなりませんね。

 

保証契約

保証契約とは,借金の返済や代金の支払などの債務を負う「主債務者」が、その債務の支払をしない場合に、主債務者に代わって支払をする義務を負うことを約束する契約をいいます。

なお、連帯保証契約とは、保証契約の一種ですが、主債務者に財産があるかどうかにかかわらず、債権者が保証人に対して支払を求めたり、保証人の財産の差押えをすることができるものです。

 

法的整理

破産法、民事再生法、会社更生法などの法的手続きによる倒産手続きのこと。

再生型(民事再生や会社更生)と清算型(破産など)に大別される。

 

民事再生

法的な再生手続き。民事再生手続きを申立て、再生計画に承認が得られれば債務のカット等負債の軽減がなされ、事業の継続を図れる。従前の経営陣が残り、再 生を遂行していくが、再生計画承認を得るためには、減資等既存株主また経営者の責任の取り方も問われる。再生計画の実行が頓挫した場合は自動的に破産に移 行する。取引先(特に仕入先)等も債務カットに応じることになるため、その後の取引が困難になる等事業継続に対する悪影響が発生することも十分考慮しなけ ればならない。また、再生計画実行中は金融機関からの資金調達ができなくなることが多いため、資金繰りには注意が必要。

 

免責的債務引受

「めんせきてきさいむひきうけ」と読む。債務引受とは、もともとの債務者(借り手)から、その債務(返済する責任)を引き受けることをいう。これに「免責 的」と付く場合、もとの債務者は債務を負わなくなる。「“責”任を“免”れる」ので免責的。免責的に債務を引受ける場合、債権者(貸し手)の同意が必要。

 

役員選任権付種類株式

種類株主総会で取締役または監査役を選任できる種類株式のこと。

 

約束手形

振出人が一定の期日に名宛人に対して手形記載の金額を支払うことを約する有価証券。

振出人とは支払人、名宛人とは受取人のこと。

振出し側は代金の現金支払いを先延ばす効果がある。

逆に受け取り側は代金の現金回収が支払期日までできないことになる。そのため、手もと資金に余裕がない場合は、割引等により現金化することがある。

 

約手(やくて)

約束手形の略称。

約束手形

 

有形固定資産回転率

有形固定資産で売上高を割ったもの。

比率が大きい場合は、有形固定資産への投資が適切であることを示す。

 

融通手形

商取引に起因しない約束手形のこと。

複数の会社間で約束手形を振出し合い、割引等により資金化する。

資金難の会社同志で行われることが多いため、不渡りになることが多い。

 

融手(ゆうて)

融通手形の略称。

融通手形

 

優先株

配当や残余財産の分配について優先権が付いた種類株式のこと。

 

リスケジュール

借入金の返済スケジュールを変更すること。元本部分の返済を猶予してもらい、金利のみの支払いに変更することが多い。元本返済を猶予いただくことで、資金 流出を防ぎ、キャッシュフローを安定させる効果がある。猶予期間中に内部改善等利益が出る体質に改善できるかが肝。中小企業金融円滑化法の施行を受け、金 融機関は要望に対して比較的柔軟に対応してくれる。

 

リファイナンス

債務の借り換え。金利負担の重い債務や返済期間の短い債務をより条件の良いものに切り替える。

 

留置権

他人の物を占有する者が、そのものを修理するなどその物に関する債権を有している場合に、債務の履行があるまでその物の引き渡しを拒むことかできる担保物権のひとつ。

物を留置して債務者に支払を促す制度だが、優先弁済権はなく、実質は拒絶権の程度。破産手続きが開始した場合は留置権は効力を失う。商取引での留置権を商事留置権といい、民法上の留置権と異なり、先取特権的な扱いとなる。

 

劣後株

配当や残余財産の分配に制限のある種類株式のこと。後配(こうはい)株ともいう。優先株と反対の意。

 

レバレッジ

Leverage(レバレッジ)。leverの意味は「てこ」。

借入等他人資本(←これが「てこ」)を使って利益を高めること。

 

連帯債務

主債務者と連帯して債務を負うこと。保証との違いは主債務者が債務を履行しないときに履行責任を負うか負わないか(連帯保証は負わない)。

債権者は連帯債務者の誰にでも全部の返済を求めることができる。

連帯債務者のひとりがいなくなっても返済負担が減るわけではない。

連帯債務者のひとりが債権者と新たに契約して、これまでの債務を消滅させた場合は、他の連帯債務者もその債権者との債務は消滅する。相殺して債務を返済した場合も同様。

弁済した連帯債務者のひとりは他の連帯債務者に応分の負担を求めることができる。

 

連帯保証

債務者に連帯して保証すること。

通常の保証と違い、連帯保証人には催告および検索の抗弁権がない。

つまり、債権者は連帯保証人に直接に請求できる。

簡単に言えば、「まずは借りたヤツに言えよ」とは言えないということ。

法人での借入の場合、代表者が連帯保証をしている(要求される)場合がほとんど。

 

民法454条:保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。

民法452条:債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない

民法453条:債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない

 

 

 

 

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