経営コンサルタントコラム 2021年10月2日号

銀行の動きが気になる今日この頃

銀行が回収に動き始めた?

最近、金融機関の動きが気になります。

回収方向とまではいきませんが、保全の方向に行き始めているように感じます。

 

昨年からのコロナ禍、政府の中小企業支援策により、コロナ融資、保証などで多くの中小企業が借入を行いました。しかも月商も何倍もの結構な額を。

 

流動性を確保しながら(借りたカネにほとんど手を付けずに)事業をなんとか回している会社さんは問題ありませんが、実際コロナの影響で業績が悪化したところがほとんどでしょうから(おこもり需要系で儲かった会社もあるようですが)、多かれ少なかれ借りたカネに手を付けているわけです。

 

赤字で悪化した資金繰りを借入で賄った場合、その後業績が平行線なら絶対返済できません。回復しても収支トントンでは無理です。減価償却費分は使えますけども。

 

たとえば月の損益がこんな感じとしましょう。

 

売上3000万円

原価2700万円(90%)

粗利300万円(10%)

販管費600万円(20%)

赤字300万円

 

手元のお金が300万円しかなく、来月以降も赤字はつづくと思われたのでコロナ融資で2000万円借りました。

 

さてその後。大急ぎで血のにじむようなコスト改善をし、月50万円ずつ赤字を改善、半年でなんとか損益トントンまで解消できました。

 

売上3000万円

原価2500万円(83%)

粗利500万円(17%)

販管費500万(17%)

利益0万円

 

で、返せるのかよ、というところなんです。

できませんよね、利益ゼロなんですから。コロナ融資でも利息もゼロだったら、その支払いが始まれば赤字になりお金は減っていきます。

 

長引くコロナの影響と国の倒産抑止対策

売上が回復すれば筋肉質になった経営体質から利益は従前より増加していくでしょうが、回復するか!?という問題が別に湧いてきますね。回復しなければ当然返せません。

 

コロナで売上が減少した会社で銀行借り入れがあるところは、たいていこのような問題を抱えています。

 

これはコロナ融資が始まった直後から我々業界界隈ではささやかれてきたことです。銀行が貸しはがし始めたらバブル崩壊後の倒産続出状態と似たような修羅の世界になると。

 

そんなことは頭の良いかたは当然お見通しですね。

金融機関の側としては一刻も早く回収したい、国としてはそれをやられると中小企業がバンバン潰れるので阻止したい。

 

なので、コロナ融資開始からほぼ1年後の今年6月に、国は金融機関宛に「事業者の実情に応じた資金繰り支援等の徹底について」という要請を出しています。

 

この「徹底について」の中身はといいますと、

 

1.きめ細やかな支援を引き続き徹底すること

2.コロナの影響を受けている事業者へ最大限柔軟な資金繰り支援を行うこと

3.新規融資の積極的実施、事業計画策定の積極的支援、返済条件変更の積極的な提案等長期返済猶予など最大限柔軟な対応を継続すること

4.金融機関同士密に連携して丁寧な対応を行うこと

5.貸し渋り、貸し剥がしを行わないこと

 

要は「潰すなよ!」ということですね。

内閣府、金融庁、財務省、厚生労働省、農林水産省、中小企業庁連名での要請です。国の強い意思がかいま見えます。

 

国の要請と現場との乖離

しかし、どうも最近、銀行が融資はしない、運転資金のロールも条件付けるような、政府要請とは異なる動きをしているように感じます。

しかもあまり目立たないように。

 

先に示した通り、売上が回復しなければ返済はできません。

コロナも長引き、中国経済も怪しくなり、景気が戻り、業績が回復するようにはなかなか思えません。

返済可能性が下げれば回収に走るのは金貸しの常道です。

 

国はなんとか焼野原にならないよう、要請というかたちで事前予防策をとっていますが、銀行の個別現場単位では違う話になっているのかもしれません。

 

コロナの影響で売上が減少した企業が今、貸し剝がしを受ければ資金繰りに窮し倒産にいたることは明白です。

 

自社を守るためにも、「事業者の実情に応じた資金繰り支援等の徹底について」をしっかり読んでおきましょう。

 

もし金融機関から政府方針と異なるような提案、脅しを受けた場合は、『「事業者の実情に応じた資金繰り支援等の徹底について」を見て安心していたのに、実際は違うではないか、国は信用できない!国に文句言う!』と、銀行さんの前でお付き合いのある政治家さんや金融庁などに電話してみるといろいろ事情が変わるかもしれません。

 

 

PDF「事業者の実情に応じた資金繰り支援等の徹底について」

https://www.fsa.go.jp/news/r3/ginkou/20210910/210910.pdf

 

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