事業再生コンサルコラム 2019年9月29日号

展示会訪問記#16 センサエキスポジャパン、自動認識総合展

ちょうど中秋、9月の11~13日に有明のビッグサイト南棟で開催されたセンサエキスポジャパンと自動認識総合展にうかがってきました。

センサエキスポジャパン、自動認識総合展受付写真

2つの展示会にわかれてはおりますが、実際には南棟の4Fのワン・フロア(南3ホール&4ホール)で地続きで開催されていますので、一つの展示会のカテゴリーわけ程度の違いです。

 

自動認識総合展は、フロア全体の3分の2を使い、二次元コードやRFID、生体認証、画像認識などの展示だけにとどまらず、これらがどう現場で活用されているかを見ることができる展示会となっています。

 

RFID活用物流システムの展示が中心

展示内容は、RFIDを活用した物流システムの展示が中心です。デンソーウェーブ、サトー、凸版が大きなブースを出しており、目立っていました。ほか、東芝テックやリコー、マースなどが大きめなブースを出していました。

大きいメーカーさんについては、各社内容的にRFIDを使った倉庫管理ばかりで代わり映えしませんでした。

実例として展示されていた、イオンで導入された、HACCP対応にRFIDを用いる方策は面白いアイデアでしたね。(作業者の体調までチェックして管理する!)

 

RFID単体については、ZEBRAのブースが注目を集めていました。

こじんまりとしたブースでしたが、世界シェア№1のRFIDとのことで、のぞきにきているかたも多かったようです。

RFIDを倉庫内だけでなく、屋外でも使うとなると防水や防爆の課題があるようですね。それに対するソリューションを展示している会社もいくつかありました。

 

生体認証では、日立の静脈認証決済システムの展示がされていました。

静脈認証システム自体は10年前くらいからあるものですが、エラーや認証精度の向上により、金融の分野にも使えるようになってきたとのこと。

 

指紋だと型をとったコピーや指切ってもってくるなど(コワイコワイ)の恐れがあるが、静脈認証は血液が通っていないといけないので、そのような偽証は通用しないとのこと。

現在、広島のスーパーで実証実験中だそうです。

 

聞いている場では気づかなかったのですが、静脈は新たにできたり、縮んだりすることはないんですかね?まあ、一年に一度は認証し直すとかすればよいのでしょうが。

 

画像認識については、カメラというより、解析システム、AI分析の展示をされていました。

検査については目視からAIへという流れにうまく乗ることが必要でしょうね。人の目はとてもすばらしく、便利でありがたいものですが、目視検査はしんどい作業ですし、人手も集められるどうかわかりません。

とくに工場は地方にあることが主ですし、どうしても人員採用が課題になります(そもそも住んでいる人が少ないので)から、人手が多く必要な検査工程はなるべく自動化していく、というのが今後の主流になるように思います。検査エビデンスも残りますし、導入検討しない手はありません。

 

とったデータを飛ばすアンテナの展示もされていました。ゼネラル社のブースでは特殊な計上のアンテナを開発されたそうで、何枚重ねても電波が飛ぶことをアピールされていました。

ゼネラル社は事務用品メーカーさんとのことですが、RFIDに将来性を感じていたところ、子会社に金属加工できる会社があり、アンテナ事業へ参入されたそうです。新事業探索のアンテナも広げていたんですね。すばらしい。ちなみに単価は、20円/万枚、15円/10万枚だそうです。

 

点字ブロックにRFIDはナイスアイデア

実践例としてこれは!と思ったのが、RFIDを用いた障害者向けナビシステムで、点字ブロックの下にRFIDを埋め込んで、杖をデータ取得装置として道案内をするというもの。

 

段差があるとか、階段だとか、横断歩道だとか、場所によっては交通が激しいから気をつけろだとか、これまでそこに点字ブロックがある、という情報しか得られなかったところから、大きく得られる情報量を増やすことができます。

 

これは画期的。世のため人のために役立つものですね。ただ儲かる儲からないという話でいうと微妙にも思える(ものは安いがデータを入れるのが大変でコスト高)ので、ぜひ行政の側で取り組んで欲しいところです。

 

センサーは中小企業の展示が多い

センサエキスポのほうは、その名の通り、センサー関係中心の展示です。

センサーで得たデータを飛ばす関係でアンテナやデータを受ける側の展示もされていました。

データを受ける、ということでは自動認識と同様なので、両方にかかわるものですね。

規模的にはフロアの3分の1と少々こじんまりとした展示で、ブースのサイズも小さく、中小企業が多く出されているように感じます。

 

しかしいろいろなセンサーがあるんですね。

ざっと見ただけでも、

・速度センサ

・CO2センサ、酸素センサ、ガスセンサ

・流量センサ

・温度センサ

・傾斜センサ

・イメージセンサ

・電圧センサ

・圧力センサ

・超音波センサ

などなど。

ロボット技術はセンサーの塊のようなものだそうで、センサーを使った多くの学術的な研究はロボットに向けられているように感じました。

あとは軍需系。防衛装備庁がブースを出されていましたが、武器や防衛装置に多くのセンサー技術が使われているとのこと。たしかに。

 

センサー関連の事業に取り組むとしたら、電気まわりの課題に対するソリューションを提供できるかどうか、というところでしょうね。課題は様々あるようですから、論文や評論などを紐解いて、自らの技術をそこに投影してなにか貢献できることがあるかどうか、検討することになろうかと思います。

 

 

以上、センサー、自動認識の展示会訪問記でした。

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