事業再生コンサルコラム 2020年12月28日号

注目!事業再構築支援補助金

今日は12月28日ということで、今日仕事納めの会社さんが多いようですね。さて、暮れも押し迫ってきたところで、今回の事業再生コンサルのコラムは、補助金のお話。中小企業さん関係で来年の目玉を紹介しておきましょう。

 

事業再構築支援補助金が創設

 コロナ感染がまた拡大しており、経済活動にもまた負の影響が続く、広がる可能性高いところです。

そこで、経済産業省・中小企業庁では、ポストコロナ・ウィズコロナ時代を睨んで、中小企業さんに対しこういった社会変化への対応を促すため、企業の思い切った事業再構築を支援するための補助金を設けることにしました。

 

それが、「中小企業等事業再構築促進事業」です。

 

令和2年度3次補正予算案にて実施予定ですので、今国会と通ることが前提ですが、まず問題なく成立するでしょう。

 

気になるこちらの補助金額と補助率ですが、

 

・通常枠 補助金額100万円~6,000万円

     補助率2/3

・卒業枠 補助金額6,000万円超~1億円

     補助率2/3

 

となっており、1億円という数字が目立つかなり大型の補助金です。

通常枠の6,000万円というのもすごい金額ですね。(100万円~というのと振れ幅が大き過ぎてびっくりですけれど)

 

卒業枠というのは、特別枠でして、事業計画期間内に、

 

①組織再編、

②新規設備投資、

③グローバル展開

 

のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けのものになります。

ちなみに中小企業の範囲は中小企業基本法と同様です(参考→ https://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq01_teigi.htm )ので、そもそもそこそこの規模感のある企業さんが対象になります。製造業だと二桁億くらいの売上感でしょうか。

 

 

補助対象

さて、補助金の対象となる企業さんですが、条件は以下となっています。

 

1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。

2.事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。

3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

 

コロナ渦中、影響で売り上げが10%以上減少している会社さんがほとんどでしょうから、後は支援機関とどういう事業計画が描けるかだけですね。

そういう意味ではコロナで売り上げが落ちたほぼ全ての会社さんが対象といっても過言ではないでしょう。事業再生局面ではなかなか思い切った投資はしにくいですから、補助金の後押しはうれしいですね。

 

そして、中小企業だけでなく、その枠に収まらないちょっと大きめな中堅企業さんも対象となっています。

 

こちら中堅企業さんへの補助金額と補助率ですが、

 

・通常枠 補助金額100万円~8,000万円

     補助率1/2(4,000万円超は1/3)

・グローバルV字回復枠

     補助金額8,000万円超~1億円

     補助率1/2

 

となっています。中小企業さんよりちょっとボリュームアップしてます。

ただしその分補助率は中小企業さんより控え目です。

 

グローバルV字云々の枠ですが、特別枠になりまして、以下の要件を”すべて”満たす中堅企業さん向けのものです。

要件は、

 

①直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業。

②補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。

③グローバル展開を果たす事業であること。

 

コロナで売上が落ちている中堅企業さんが海外展開を狙っていくとき用ですね。

海外展開というくらいなのでメーカーさんが主になると思います。

中小企業の枠を超えるメーカーさんというと、資本金3億円超、従業員300人超なので、売上的にも50億以上くらいのなかなか手広くやられてる会社さんというイメージになりますね。

 

注目の予算枠

 補助金額も大きく魅力的な今回の事業再構築支援補助金ですが、それ以上に驚きな注目しているのが、こちらの予算枠です。

 

なんと1兆1,485億円!

 

これまで大型大型といわれてきたものづくり補助金予算の10倍以上です。

ということはかなりやる気・本気で、実際に使っていくぞというメッセージと受け取れます。

 

これは注目せざるを得ません。また、補助金は出来た当初が一番通りやすい、とも言います。

新事業への展開や再構築などアイデアはあるがお金が追い付かなかったような企業さんには大チャンスですね。

事業計画上の肝はおそらくスケール感、費用対効果の点かと思います。(金額も大きいですし)

 

中小企業、中堅企業の皆さんには、今後の情報についてアンテナをしっかり広げておいていただいて、こういった国の施策をうまく活用し、しぶとく生き残っていっていただければと思います!

 

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『中小企業経営者と”ともに歩む”』

池田ビジネスコンサルティング

 

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