経営状態の悪化についての様々なサインを見逃し、これに対し具体策を講じず、また対策が遅れ、過去からの経営資産を使い果たし、倒産リスクが高まった状態を「既往のしわ寄せ」といいます。
俗に「ゆでガエル」状態と言ったりもしますね。気づいたときには遅かった、という倒産パターンです。
倒産の理由は様々考えられますが、大きくは販売不振と既往のしわ寄せ、放漫経営、連鎖倒産というところです。
なかでも「既往のしわ寄せ」は直接的な要因がわかりにくく、複数の要素が絡むため、把握しにくく、対策が遅れがちです。過去の資産を食いつぶす前に策を講じておかなければなりません。
じわじわと倒産が迫ってくる既往のしわ寄せですが、兆候が早期にわかれば対処のしようもあるものです。そこで、代表的な以下7つの兆候をあげておきますので、ご自身の事業と照らし合わせ、今はまだ既往のしわ寄せの段階でないのかそうなのか、確認をいただければと思います。
1.売上の減少~毎年5%のダウンも5年で23%の減少、塵も積もれば山
2.設備の老朽化~品質の低下、故障リスク注意
3.社員の高齢化~スピードや対応力の低下、急な人員不足恐れ
4.人材育成していない~10年後にも同じ品質が保てるか、バランス良く採用
5.得意先の集中、固定化~得意先の動向で自社が影響受けやすい、分散化
6.値引き要請の受け入れ~利益の減少直結、仕方ない面あるが簡単に受けない
7.問題の先送り~異変に早めに気付き、即座に手を打つ
既往のしわ寄せの根本的な問題は、甘さと危機対応力の至らなさです。
倒産リスクを防ぐためには、常に危機感を持ち、兆しが見えた時にはスピーディーに対策を講じましょう。
現場・現物・現実の三現主義がポイントです。
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池田ビジネスコンサルティング
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