前年同月比で倒産件数5.7%増加

ニュースの概要

 

東京商工リサーチによると、2025年4月の倒産件数は828件と783件だった前年4月と比べ45件、5.7%の増加となったようです。

 

前月比では-2.9%と若干減少していますが、例年3月は一年で最も倒産が多い月となっているため、減少は特に驚くべき良いニュースというわけではありません。

 

むしろ、減少幅としては過去年と比べ小さくなっており、実質増加傾向と考えてもよさそうです。

実際、1-4月の年間累計としては、前年同期間比で+5.9%、倒産数は増加しています。

 

産業別では

産業別で見ると、前年同月から増加しているのは、増加率順に農林漁鉱業、小売業、運輸業、サービス業他、建設業、情報通信業の6業種です(全10業種中)

減っているのは、金融保険業、不動産業、卸売業、製造業の4つ。

 

ただし、1-4月の同期比で見ると、ちょっと様相が異なりまして、増加が8業種となります。製造業、不動産業が増加に転じ、運輸業はむしろ減少となっています。(金融保険業は変わらず)

 

括りの大きいサービス業ですが、飲食、宿泊、福祉介護、理美容、エステの別では、エステの倒産が前年同月比+85.7%と増えていますね。飲食業、介護計も20%以上増加しています。

 

一方、宿泊や理美容は倒産件数は減少しています。宿泊業はインバウンド景気に支えられているのでしょうね。今後円高に振れたらどうなるかわかりませんが。

 

(東京商工リサーチ資料より弊所作成)
(東京商工リサーチ資料より弊所作成)

 

これまでは米価やガソリン価格の高騰で、コスト上昇にさらされてきた飲食店や運輸業がつらい状況でしたが、仕入コスト増加の影響を受けた飲食店トランプ関税の国内製造業への影響が見えてくるのはこれからです。

 

それをと考えるとあまり景気の良い話はしにくい情勢であることは確かで、倒産件数が減っていくことは考えにくいです。

 

物価上昇と差し引いた実質賃金はここ数年マイナスで推移しています。政府は無理矢理賃金上昇させようと企んでいるようですが、ここにきて景気後退となるとそれも難しそうです。

 

ある意味、景気後退がスタグフレーションの芽を摘んでくれるという効果があるとも言えます。これを「神の見えざる手」というのかどうなのか、未来は神のみぞ知るわけですが、拙速に動くよりも今は慎重に様子見というのが正解なのかもしれません。

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