先月6月6日締め切りの事業承継・M&A補助金11次公募分の採択結果が7月11日に補助金ホームぺージ上で発表されました。
こちら申請件数590件に対し、採択件数は359件とのことで、採択率は60%とこれまで通りの水準と思います。
事業承継・M&A補助金をご存じない方にここでこの補助金について説明しておきます。
事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aに際して行う設備投資や、経営資源の引継ぎに関してかかる費用の一部を補助してくれるものです。補助対象の枠組みとして、事業承継促進、専門家活用、廃業・再チャレンジ・PMI推進の4枠が設けられています。
今回11次で募集のあった専門家活用枠とは、M&Aの専門家(仲介やフィナンシャルアドバイザー)に対して支払った報酬の一部を補助してくれる枠です。
補助金上限は600万円となっていて、デューデリがある場合はプラス200万円、廃業の場合も+150万円増額されます。補助率は買い手の場合が2/3、売り手の場合は原則1/2となります。
M&Aの報酬体系は各業者さんによってまちまちではあるのですが、大抵はいわゆるリーマン方式に則った形になっています。動いた金額レベルを何段階か設けて、そのレベルにより報酬率を設定、成功報酬額を算出するやり方です。
成功報酬のみのパターンと最低報酬額の設定が別途あるパターンに分けられますが、一般的には後者であることが多いです。最低報酬額は業者さんによって幅広いですが、安くて500万円、高くて2000万円くらいかと思います。
なお、10次につづき、11次も専門家活用枠のみの募集となっていました。(9次までは経営革新枠も募集あり)
ちなみに、この専門家たる業者さんですが、補助金の対象となるためには、お国のやっている『M&A支援機関登録制度』に登録された業者さんでないといけません。
とはいえ、この補助金を使おうと提案してくれる業者さんだったら登録されてないということはないと思うので、その点はあまり心配しなくても大丈夫かと思います。
さて、今回11次は61.9%となった採択率ですが、過去直近5回の推移を見てみると、だいたい60%を目安に採択されていることがわかります。一方、廃業・再チャレンジ併用の場合はそれよりちょっと下がりまして45%平均くらいになります。
基本的には、M&Aにより守られる雇用や地域経済に対する影響が審査の中心にあるように思います。なので、あまり小さな規模M&Aですとその点で不利になるかもしれません。
過去の交付決定額を見てもたいていがマックスの600万円となっていますので、実際は900万円などという報酬では済まないサイズ感であることが想像できますね。
さはさりながら、600万円も補助してくれるこの制度、事業承継絡みで会社を買収したり売却したりする場合はとても使える制度です。多少の申請手間も600万円と思えば安いものですよね(笑)
M&Aを検討されている会社さんは一応チェックしておきましょう。
参考:事業承継・M&A補助金HP
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