2025年7月25日、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の第21回公募が始まりました。
21回ともなると毎度おなじみではありますが、ものづくり補助金は「中小企業等が行う、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等の取組を支援する」ものになります。
今回のスケジュールですが、公募開始が7月25日、受付開始が10月3日、締切が10月24日となっています。採択の公表日はまだ未確定ながら、来年1月下旬ごろだそうです。
さて、気になる補助金額ですが、今回は製品・サービス高付加価値化枠とグローバル枠、2枠の募集となっていまして、それぞれ異なります。
製品・サービス高付加価値化枠は、従業員数で上限が変わる格好です。
従業員5人以下 750万円
6~20人 1,000万円
21~50人 1,500万円
51人以上 2,500万円
なお、補助率は1/2です(小規模と再生事業者は2/3)
グローバル枠は、従業員数関係なく3,000万円が補助金の上限になります。
なかなか大きい金額ですね。
補助率は高付加価値枠と同様です。
各枠の特徴ですけれども、まず、製品・サービス高付加価値化枠は『革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援』する枠組みです。従来からの「もの補助」ですね。
グローバル枠は『海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援』するものです。
海外と言っても輸出だけでなく、インバウンド対応も含まれるため、飲食など輸出とは縁がなくとも使えますので要チェックですね。
対象となる経費は、機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費などですが、機械装置・システム構築費は必ずないといけません。
また、機械装置・システム構築費以外は500万円まで(グローバル枠は1,000万円まで)しか認められていませんので要注意です。
さらに、補助対象経費額が事業に必要な費用の2/3以上でないといけないので、1,000万円の補助金を受けようとすると、補助率1/2ですから補助対象経費額は2,000万円、ということは、事業の総費用額は3,000万円以内でないといけない、ことになります。ちなみに総費用額は税込み、補助対象経費額は税抜きで考えます。
こちらも案外盲点かもしれませんね、注意しましょう。
応募についての基本要件は3つ+α(従業員数21名以上の場合)
①付加価値額の年平均成長率を3%以上増加させる
②給与支給総額の年平均成長率2%以上増加させる
③事業所内最低賃金を事業実施都道府県の最低賃金より30円以上高くする
④「両立支援のひろば」に一般事業主行動計画を公表すること
グローバル枠については上記プラス別途下記いずれかである必要があります。
⑤-1海外への直接投資であること
⑤-2海外市場開拓(輸出)に関する事業であること
⑤-3インバウンド対応に関する事業であること
⑤-4海外企業と共同で行う事業であること
また、今回はご多分に漏れず賃上げ特例も設けられていまして、
大幅賃上げ(年平均6%以上)する場合は、
従業員数5人以下 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 100万円
6~20人 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 250万円
21~50人 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 1,000万円
51人以上 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 1,000万円
最低賃金引上げ(50円以上)する場合は、補助率が2/3に引上げられます。
補助金額が嵩上げされるのは魅力的ですが、従業員数が多いと嵩上げ以上に会社全体の人件費が上昇してしまうおそれがあるので、慎重に検討しないといけませんね。
以上、注意ポイントはいろいろありますが、それでも設備投資額の1/2が出る補助金は魅力的です。
応募するにあたり申請書類を作成するのもなかなか手間ですし、採択されたらされたでその後の手続きは面倒で煩雑ではあります。
ただ、1,000万円分の仕事だ、と割り切ってもらえればそれはそれである意味「コスパ良い」業務ともいえます。
人員不足の折、省力化、省人化での設備投資を考えられている企業さんも多いかと思いますので、締切も10月とまだ先ですし、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?
詳細は↓ものづくり補助金ホームページをご覧ください。
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