経営コンサルタントコラム 2013年3月14日号

再生と株主総会決議

再生の現場にいると、株主総会の決議がポイントになる局面に出くわすことがあります。

事業譲渡や会社分割などは特別決議となるので、株主構成が複雑だと、何をするにも調整が大変になるのですね。

 

その特別決議、そういえばほかにもいろいろあったよなぁ、ちょっと確認しておくか、という軽い気持ちで条文をチェック(半分趣味)したところ、思いのほか手間がかかってしまいました。せっかくですので、自身の備忘の意味も含め、皆さんと共有したいと思います。

 

まず、確認です。

 

株主総会の決議は、普通決議、特別決議、それと特殊の決議があります。

普通決議は議決権の過半数を持つ株主が出席して、出席した株主の議決権の過半数をもって行う、と書いてあります。株主総会の決議は原則これです。普通決議から漏れるのが、普通じゃない特別決議と特殊決議。

 

では特別決議って何なのだ、というと、「次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以 上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合 にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。」と書いてあります。

 

「次に掲げる事項」がわからないと意味がありませんね。

 

そこで次の事項。

一  第百四十条第二項及び第五項の株主総会

二  第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。)

三  第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会

四  第百八十条第二項の株主総会

五  第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号及び第二百四条第二項の株主総会

六  第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号及び第二百四十三条第二項の株主総会

七  第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役を解任する場合又は監査役を解任する場合に限る。)

八  第四百二十五条第一項の株主総会

九  第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)

イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。

ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。

十  第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)

十一  第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会

十二  第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会

 

正直、何が何やらわかりません。

ので、条文をコツコツと調べました。

 

私なりにまとめると、

 

■特別決議事項

〈決議要件〉議決権の過半数出席と出席した株主の議決権の三分の二

・株式会社又は指定買取人による買取りに関する買取る旨、対象株式数の決定および買取人の指定

・特定の株主から株式を取得する場合の株式数、金額および総額、期間の決定

・全部取得条項付種類株式の取得に関する事項の決定、相続人等に対する売渡請求に関する事項の決定

・株式の併合に関する事項の決定

・株式募集事項の決定、募集事項の決定の委任、株主割当の場合の募集事項の決定、募集株式が譲渡制限株式である場合の募集株式の割当に関する事項(取締役会設置会社は取締役会)

・新株予約権募集事項の決定、募集事項の決定の委任、株主割当の場合の募集事項の決定、募集株式が譲渡制限株式である場合の募集株式の割当に関する事項(取締役会設置会社は取締役会)

・累積投票により選任された役員および会計監査人の解任

・役員等の責任の一部免除

・減資に関する事項

・金銭分配をしない場合の剰余金の配当に関する事項

・定款の変更に関するもの

・事業の譲渡等に関するもの

・解散に関するもの

・組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転に関するもの

 

■特殊決議

〈決議要件①〉過半数株主の賛成、かつ、議決権の三分の二以上の賛成

・全株式について新たに譲渡制限

・消滅会社の吸収合併承認

・消滅会社の新設合併承認

 

〈決議要件②〉過半数株主の賛成、かつ、総株主の議決権の四分の三以上の賛成

・剰余金の配当を受ける権利を株主毎に異なる取扱いを行う旨を定款で定めるとき(優先株)

 

となりました。

 

重要な決定であればあるほど、決議要件が厳しい仕組みになっています。

しかし重要な決定ほど意思決定にスピードが求められることが多いです。

過半数、三分の二、四分の三、重要な数値ですね。

 

池田

次の記事経営者の自信と罠

連絡先イメージ
経営コンサルタント写真

会社再生、事業承継・M&A、経営顧問、資金調達など経営コンサルティングのご相談は、当事務所までお気軽にどうぞ。

ご相談はこちらから

無料ダウンロード

経営改善計画書書式
資金繰り表書式

人気コラムTOP5 (前月)

著作・出演等

著作等
池田ビジネスコンサルティングロゴ

事業再生・会社再生・事業承継・顧問等経営コンサルティング

池田ビジネスコンサルティング