経営改善計画書を銀行に納得させる3つの視点|事業再生コンサルタントが解説

経営改善計画書のフォーマットをダウンロードして書き始めたものの、金融機関に「もう少し具体性を」「根拠が弱い」と言われてしまった——そういうご相談を受けることが少なくありません。

 

問題は書き方の技術ではなく、銀行が計画書を読むときの視点を知らないまま書いていることにあります。書式に数字を埋めることと、金融機関が納得する計画書を作ることは、まったく別の作業です。

 

なぜ「書き方通り」では通らないのか

事業再生の現場で20年以上にわたり中小企業の支援をしてきた経験から言うと、経営改善計画書が金融機関に受け入れられない場合、原因はほぼ共通しています。

 

それは、計画書が「経営者の希望」を書いたものになっているという点です。

 

金融機関の担当者は、提出された計画書を「この会社が本当に再生できるかどうか」という目線で読みます。感情や意欲ではなく、根拠と数字と実行可能性を見ています。その視点を理解した上で計画書を構成することが、通る計画書と通らない計画書の分岐点です。

 

金融機関が計画書を読むときの3つの視点

①「なぜ悪化したか」の因果関係が明確か

業績悪化の原因を「コロナの影響」「物価高」といった外部要因だけに帰結させている計画書は、金融機関の信頼を得にくいです。

外部環境の影響は認めつつも、

 

自社の経営判断のどこに課題があったか

 

を自己分析できているかどうかが最初の評価ポイントです。

原因の認識が浅いと、改善策も必然的に表面的なものになります。「なぜ」を繰り返して問題の根本原因を特定することが、説得力ある計画書の出発点です。

 

②改善策に「誰が・いつまでに・何をするか」が伴っているか

「営業を強化する」「固定費を削減する」という方針は計画書に頻出しますが、それだけでは不十分です。金融機関が求めているのは

 

具体的なアクションとタイムライン

 

です。担当者・実施時期・数値目標の3点がセットになって初めて、実行可能な計画として評価されます。事業再生は「やるべきことをやる」の積み重ねですが、それを計画書上でも示せるかどうかが問われています。

 

③返済原資がキャッシュフローベースで示されているか

計画書の最終的な目的は、借入金の返済見通しを示すことです。

損益計算書上の黒字転換だけでなく、

 

キャッシュフローベースで返済原資が確保できるかどうか

 

が重要です。会社は赤字でも現預金があれば潰れません。逆にキャッシュがなくなれば黒字でも倒産します。この原則は計画書の評価においても同じで、資金繰り表との連動が計画書全体の説得力を左右します。

 

よくある失敗パターン2つ

「希望的観測」になっている

前年比20〜30%増の売上計画に、その根拠となる受注見込みや新規顧客獲得の具体策が伴っていないケースです。

計画を作った経営者には根拠があるつもりでも、第三者の目には希望的観測に映ることがあります。

 

過去実績との乖離が大きすぎる

過去の実績から見て達成が困難な数字を並べると、金融機関の担当者は「自社の状況を正確に把握できていない」と判断します。

現実的な数字に基づき、段階的な改善を示す方が、最終的には信頼を得られます。

 

計画書は「提出」ではなく「対話」のツール

経営改善計画書は、金融機関に提出して終わりのものではありません。

その後の返済条件の交渉、モニタリング、追加支援の要請——すべての局面で計画書が判断の基準になります。だからこそ、最初の計画書の質が、その後の金融機関との関係を大きく左右します。

 

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当事務所では、経営改善計画書の作成支援から金融機関との交渉まで一貫してサポートしています。「フォーマットはあるが、どう書けばいいかわからない」という段階からでもご相談ください。


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