経営コンサルタントコラム 2017年6月7日号

会って話す。

お久しぶりです。池田です。

前回のコラムからまただいぶ時間が空いてしまいました。

今回は会って話す効用の話です。

 

メールやらチャットやらITコミュニケーション・ツール華盛りです。

 

ちょっと前までツールというと電話が中心でした。そういえば、ポケベル(ポケット・ベル)なんていうのもありましたね。ポケベルはコミュニケーション取れるまでのもではありませんでしたが、連絡手段としては結構長く使われてました。

 

しかし、今のスマホを使ったツールのレベルからしたら「のろし」並の時代感です。

 

そんな時代ですから、取引先さんとの連絡もメールやらなにやらパソコンでカタカタ、が中心です。

 

電話だと相手の時間を奪う、というマナー的な気遣いもあり、また、一応文章に残ることになるので、言った言わない論を避けられる、というメリットもあり、メールはビジネスで広く使われています。

 

また、社内連絡などに使われることも多く、メールのみならず、グループチャットやらなんやらスケジュール管理も含めて、相手は人ではなく、パソコンくんばかりです。

 

極めつけは、隣の席の人とメールでやりとりするっていうおかしさ。

「あのさ、」って話せばいいのに、と思うのは古いんですかね?(笑)

 

メールを書く、イコール文章を書くということです。

文章というのは難しいもので、それだけで食っている人がいるくらいの領域(小説家や記者、ライターなどなど)ですから、言葉の使い方ひとつで捉え方がすごーく変わってくることもある難しいツールなわけです。

 

つまり、文章作成の得手不得手で相手の印象もバンっと変わっちゃうんですね。

 

しかも、自分が文章下手だと思って表現に気をつけている人は限りなく少ないという現実もあり。

 

誤解が誤解を生み、思ってもいないような火の吹き方をしているような場面をコンサルタントとして見ることも多いです。

 

そんな何往復もメールのやりとりするなら、会って話してきなさいよ、そのほうが解決することが多いから、と嫌がる相手を諭して行ってきてもらうと、「いやー解決しました。意外と嫌な人じゃなかったです。」ですって。

 

そうなんです。文章って難しいんですよ。

作文はうまく書けないのに、メールでやりたがるという、矛盾。

メールも文章なんですけどね。。

 

なので、余程腕に自慢の文筆家でなければ、直接会って話してきたほうが、誤解なく済みます。

 

隣の人とも直接話したほうが早いです。

 

というのも、文面だけの情報量より、会って、顔色とか声色とか、様子、雰囲気の情報の方が圧倒的に多いんですよね。

 

だから、会ったほうが解決し易いんです。

 

最近でも、すごくもめている案件があって、メールのやりとりが凄まじいんですよね。もう何回往復してるんだっていうくらいの分量。

文面も怒ったような、突き放すような感じで、いやもう喧嘩腰です。

最後はなんか意地の張り合いというか、言った言わないというか(メールなので発言自体は残ってますけど)、誤解だ六階だ、とか。

 

でも、やりあって、責任なすりつけ合いしても何も解決しないわけです。当たり前ですね、目の前の出来事放って置いて、誰が悪いとか、いや悪くないとか言ってるんですから。

 

まずは起きてる事象を解決せよ、というのが常道。

それには良いも悪いもありません。

 

ある意味、解決したい、ちゃんとしたいというベクトルは双方基本同じなんです。責任がーとかいっているくらいなので。嫌なことが起こった、という認識は共有しているわけですからね。

 

なので、会って話してきなさーい!ということで一席設けて会ってきてもらったら、なんてことはない、むしろ仲良くなって帰ってきた(笑)

 

事案解決の糸口も見つかったみたいで、問題が解消すれば、むしろ雨降って地固まるの典型のような出来事になりました。

 

ただ、会っても解決しないときもあります。

 

それは、相手方が解決を望んでいないとき。

解決したい、というベクトルを有していないと会ってもダメです。

 

解決を望まない人に、いくら解決策を提示しても無駄です。

望んでいないのですから。

 

一部クレーマーのかたとか、話を聞いてもらいたい的な潜在意識、深層心理のなかでやり取りしちゃうような人だと、これはやっかいです。

 

まともに対応したら参っちゃいます。

 

それでも会えば解決することもあります。

コミュニケーションのレベルがメールや電話よりも上がりますから。

メールだから言える、電話だから言える、直接会ってないからいえるわけで、面と向かえばなかなか言えるもんではありません。

 

反社会的な勢力のかたがたは、むしろ面と向かうのを得意としていますので、会う解決策はおいそれとは使えませんので、特殊事例として要注意ではあります。

 

ちょっと脱線しましたが、基本、コミュニケーションは情報量が多いほど間違いがおきづらいです。

 

時代に逆行するかもしれませんが、会って話せるのならば、会って話すべきです。

 

問題が発生したら、現場へ飛んでいって状況を把握し、会って話して解決する。

 

いいたいのは、勝負は情報量でつく、ということです。

人の表情やしぐさから得られる情報は文面よりも遥かに多いものです。

 

最近はフリーデスクやら在宅勤務やらで、同じ部署でも顔を合わすのは月に数回みたいな感じになっている会社もあるようです。

ITツールの進化で可能となった働きかたで合理的だとは思います。

 

ただしかし、チームとしてはどうでしょう?

毎日顔を合わせている同僚とそうでないのと比べれば、どちらが仲良くなりやすいかは明らかです。(不仲になることもありますけど)

 

通勤がなくて合理的、オフィスがなくて合理的、ビデオチャットもあるし、要件はメールで済むし、まあいいですよね。

 

ただ、それで相乗効果が生まれるかっていうとない気がするんです。

チームの良さって、2人で3人分、4人分の力を発揮するようなことだと思うんです。気づきを与え合ったりとか刺激をえたりとか。

 

だから高校野球の強豪校などは合宿生活なのでしょう?

 

一人一人の力や能力は足りない(ことが多い)から、相乗効果を期待して、成果としてレバレッジが効いて強い相手に勝つ、ということですね。

 

一丸野球、とかいいますしね。意味があるわけですよ。切磋琢磨とか。また、実際に効果があるから今日まで続いているわけで、単純な精神論だけではないと私は思います。

 

社会人に合宿しろとはいいませんが、社内コミュニケーションの量をどう増やすか、行き来する情報量をいかに増やすかは、非常に大事な課題かと思います。

 

一見合理的な何かの影には、それにより失うものもある、ということも忘れてはいけません。

 

便利さを追求することで、むしろ企業の根本的な力を削いでいく可能性もある、ということは頭の片隅に置いておいたほうがよいでしょうね。

 

ITツール華盛りの昨今ですが、直接のコミュニケーションも忘れずに、という今回のコラムでございました。

 

参考になれば。

 

池田

 

 

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