事業再生コンサルコラム 2019年11月3日号

展示会訪問記#19 JAPAN IT WEEK秋

今回の展示会訪問記は、10月23日から3日間幕張メッセで開催されたJAPAN IT WEEK 秋です。

幕張メッセは4~8ホールを使われていましたので、中規模の展示会になります。

内容的にはその名の通りIT系の展示会ですが、分野は幅広く、総花的な印象です。

展示名をあげますと、

 

第3回AI・業務自動化展秋

第3回店舗ITソリューション展秋

第9回モバイル活用展秋

第10回クラウドコンピューティングEXPO秋

第8回データセンター&ストレージEXPO秋

第5回IoT/M2M展秋

第8回セールス自動化・CRM EXPO秋

第7回通販ソリューション展秋

第9回Web&デジタルマーケティングEXPO秋

第1回ソフトウェア&アプリ開発展秋

第9回情報セキュリティEXPO秋

第1回組込みシステム開発技術展秋

 

全部で12分野の展示会となっています。

ここまで細分化されていると、むしろ一分野ごとの展示が薄い気がいたします。

また、銘打っているわりには境が曖昧で、ここから違う展示ね、というようなわかりやすい区分けもありません。

展示会によく足を運ぶ私のような人間にとっては、もう少し分野を絞って展示内容を深堀り、数を増やしてくれたほうがありがたいですが、ざっくりIT事情全般知りたい、というニーズに対してはこういった範囲を広く構えた展示会のほうがマッチしているかもしれませんね。

 

ちなみに、本展示会は春にも同様の内容で開催されています。(JAPAN IT WEEK 春)

そういう点では春と比較してなにか変化があるか、情勢変化など定点観測的用途として見ていきたいと思います。

 

 

RPA、AI、セキュリティ、IoTがトレンド

それでは各ブースを回ってまいりましょう。

見てまいりますと、IT界のトレンドとしては、

 

・RPA

・AI/ディープラーニング

・セキュリティ

・IoT

 

上記4点が中心のようです。

 

この流れはここ1,2年変わっていないように見えますが、RPAについては、展示が増えたように感じます。ここ最近、他の展示会を見ても、積極的にアピールされていますね。これも人手不足や働き方改革の流れからきているのでしょうか。

定型書類作成に時間を取られているならRPA活用一択

RPAでよく見かけるのが、HACCP支援ツールとしての活用です。食品関係は昨年から全事業者にHACCP対応が求められるようになった関係で製造工程での確認、記録作業が増加しているでしょうから、頷けます。

さらにIoTと組み合わせることによって、検査データと報告書類等がダイレクトにつなげれば、より作業工数を削減できるでしょう。これは食品だけでなく、作業工程がある企業ならどの企業にも活用できるかと思います。

 

※HACCP

食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法(厚労省HPより)

 

IoTは、上記のような使い方以外ではなかなか良い活用法が見つけられていないように思います。

機械にセンサーなどをつければいろいろデータは収集できますが、活用するのが修繕時期や補充品のアラート、資材管理などだけでは寂しい限り。もっとよい製造業での活用法を探りたいですね。

 

セキュリティについては、相変わらずSKYが大体的に展示ブースを出していて、人もそれなりに入っていました。SKYはどうってことない、よくあるセキュリティシステムなのにいつも人気がありますね。わかりやすさ、とっつきやすさではピカイチですので、そのあたりがお客さんを掴んでいるところかと思います。現場のシステム屋さんより、総務部門のキーパーソンに訴求する感じでしょうか。やりますね。

 

セキュリティはモニタリングする人が必要で、中小だとその人材がいなかったりするわけですが、それも自動化やAI化しちゃうと導入するだけで、あとは勝手に見てくれるフルサービスの商品になるんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?運用保守なんてコストかけずに済みますし、どこかでサービス化しませんかね。

 

業務ソフトは○○業向け、と銘打つと、とたんにあたりが良くなる気がします。その実、中身はどの業種もほぼ同じで、ようは売り方。工夫次第でお客さんの引きが違うのは明らかなので、SKYじゃないですが、売り方、アピールの工夫も大事ですね。

 

AIでは音で検査診断する、というシステムが目を惹きました。ハンマーで叩いて音で対象物の状態を判断する、電車の検査などで目にするあれをAI化しちゃった、というものですね。

人の経験値を機械化するという意味でAIでの正しい消化方法と思います。つまりはAI検査官。

こういった人の知見に代わるAI活用はこれからどんどん増えていくでしょう。

人同様の経験をコンピューター上でさせればさせるほど精度はどんどん上がり、やがては人間を超える、というのも容易に想像できます。

ただ、とはいえ、まだまだ人には追いついていないAI。AIでなんでもできるわけではありません。なにせ猫を猫と認識できるようになったのはつい最近なんですから。過度な期待は禁物です。そういう意味では人間てすごい!と再認識するところでもあります。

 

その他、SEO業者さんもブースを出されていましたが、イマドキ感はなかったですね。来場者の注目も集めていないようでした。小手先のテクニックでは通用しない時代になってしまったのかもしれませんね。つい数年前あれほど隆盛だったのに、盛者必衰の理を表しているようです。

 

本展示会しかり、楽々精算のブースはどの展示会でも大きくアピールされています。

結構な出展費用もかかっているでしょうに、経費精算だけのソフトウェアでそれほど儲かるものですかね?

  

業務単位の方が導入しやすいのでしょうが、、

それと、どうもソフト屋さんは経費精算なら経費精算だけ、給与なら給与だけ、出退勤なら出退勤だけ、会計ならそれだけ、とバラバラに作られている気がしてなりません。会社の業務はバラバラに動いているわけではないので、統合パッケージのほうが求められているように思うのですが。。とくにバックオフィスが脆弱な中小企業にとって、ソフトがバラバラなのはかえって混乱をきたすように思えます。

 

全体的な方向性は春の展示会とあまり変化はないようでした。

IT活用のスピードが少し鈍くなっているようにも思います。

もやもやしている間に投資活発な中国企業にやられてしまわないか、不安もよぎるJAPAN IT WEEK秋でした。

 

 

以上

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