経営コンサルタントコラム 2019年7月9日号

展示会訪問記#8~販促マーケティング総合展2019夏

6月は展示会の開催が多く、毎週なにがしかの展示会が催されています。

前回は幕張メッセのINTEROPでしたが、今回は東京ビッグサイト西ホールで行われた、販促マーケティング総合展2019夏(会期6月19日~3日間)に伺ってきました。

 

販促マーケティング総合展は、

・第11回販促EXPO

・第7回看板・ディスプレイEXPO

・第1回店舗運営EXPO

・第6回営業支援EXPO

・第4回広告宣伝EXPO

・第2回Web販促EXPO

の計6種類の展示内容で構成されています。

上から3つが1階で、下から3つが2階での展示です。

さて、それでは出入口近くの看板・ディスプレイEXPOから見てまいります。

名の通り、看板やノボリなどの展示物が多いです。

皆さん効果的!と自社の展示物を訴求してはいますが、まわりで同様の展示をしているブースを眺めてみると、どうにも違いがわかりません。

 

そもそも効果的であるということを証明してくれるようなデータの提供もありません。

どうやって効果的であるか、理解すればいいんでしょう?わかりませんよね?!

派手なものは目を引くでしょうが、その分お値段も高いわけで、知りたいのはコストリターンの関係。

 

投下コストに対してどれだけ儲かったか、儲かるのか、他社より効果的なのか、をきちっと言えないと「効果的」とか言っちゃだめだと思いますがどうでしょう。

結局のところ価格勝負の世界と思いますので、参入する場合はコスト面で優位性が築ければ(どう人件費を抑えるかというとこでしょうが)、看板・ノボリもなかなかおもしろいビジネスかもしれません。

 

あとはデジタルサイネージですね。ただ前回のINTEROPと比べると展示量が少なかった印象です。(INTEROPの展示が充実していた対比もありますが)

デジタル系の展示のなかでは、映像が空間に浮かんで見える3Dホログラムディスプレイは、興味深いものでした。宣伝ツールや飾りだけに使うのはもったいないですね。

店舗運営EXPOについては、パッケージや印刷物の展示が主でした。

なにか新しい技術やビジネスが云々という話もなく、展示の派手さはあり、目は引きましたが、必要なときにネットで探せば十分、という印象です。

おそらく業界的に新規参入がなく、既存の取引関係性のなかでやっていれば食べていけるのでしょうね。知らぬ間にデジタル系に広告を取られて気づいたら回復できない的な「ゆでガエル話」とならないよう、将来戦略を描いていただきたいものです。(大きなお世話かもしれませんが)

 

販促EXPOは、内容的にはノベルティグッズの展示会でした。

クリアファイルやタオル、トートバッグ、ボールペンやTシャツなどいろいろと展示されていました。中国の企業も中国パビリオンというかたちで、まとまっていらしてましたね。

企業規模は小さい会社さんから大きな会社さんまで、様々な会社さんがブースを出してました。製造的にも特別な技術が必要なものもなく、また、企画メインであとは外注、仕入のような会社さんも多いからなのかもしれません。

 

しかし、こういうノベルティグッズの効果というのは、どれほどなんでしょうね。個人的にはあまり意味がないように思います。そもそもノベルティグッズ屋さんがノベルティグッズ配っても、お客さんがブースに寄ってくれていませんでしたし。もらったところでどうなんでしょうね。ノベルティ目当てで立ち寄るお客なんて対応するだけ無駄かと思いますけれど。。

さて、2階へ上がり営業支援EXPOを回ってみます。

こちらはほぼIT系の会社ですね。内容的には、名刺管理のCMで有名なSansanから決済関係のネットプロテクションズ、セールスフォース等のSFA、営業支援系、サイボウズやキントーン等業務管理系など、幅広く展示されていました。

特にセールスフォースは大きくブースを使ってアピールされており、展開に力を入れているのがわかります。

 

SFA・営業支援システムに稟議やらなにやらの機能を追加して、業務管理系フルパッケージ化を図るながれのように感じます。そうなると一回入るとなかなかやめられませんからね、継続率の上昇につながると思います。

ただ、メールやらLINEやら、既存のサービスでも十分対応できるような気がするんですよね。こんな支援パッケージまでいるのか、という疑問について、「どちらかというとシステムというよりフローの問題なんじゃない?」的な気持ちも払拭できず、まだ腑に落ちていないのが正直なところです。

 

2階の人出は1階よりも多く感じます。IT系展示会独特のむやみに積極的な説明員、八百屋並に声を張る企業さんたちも相まってかなり賑わっている印象でした。関心も高いし、儲かってもいる業界なんでしょうね。

 

他、消火栓広告や交通関連広告の企業さんの展示も興味深く拝見させてもらいました。(いろいろ話も伺えましたので、顧問先の広告代理店にご案内しようと思っています。説明員さんその節はありがとうございました。)

もう1件、この展示会と青海展示場で同時開催されていた、学校教育総合展にも伺ってきました。

 

学校教育総合展では、

第10回教育ITソリューションEXPO

第2回学校施設サービスEXPO

の2展示会が行われていました。

 

場所割的には90%が教育ITソリューション展が占めています。

学校施設サービスについては、イトーキやオカムラなど什器類の展示が主で、目には付きますが、来場者の関心は少ないようで、教育ITソリューション展へ流れていました。

来場者もいつものビジネスの系展示会と違い、学校や教育の関係者風(なんとなく先生っぽい)のかたが多く、その分、教育系のブースに人が集まっており、関心が高い様子でした。

 

教育ITソリューションEXPOは、

セキュリティ系

学校業務支援系

プログラミング教育系

教材・教育コンテンツ系

eラーニング系

ICT機器系

と6つの系統に細分化されています。

 

一番広くブースをとっていたのは意外にもICT機器系でした。(プログラミングとか教育コンテンツが多いのかな、と思っていた)全体の2割くらいを占めていました。

学校関係は悪くないマーケットなんでしょう。

合わせてセキュリティや業務支援など、直接教育の部分でないものが展示会の7割方でした。学校で言えば事務系の方が関与する部分ですかね。

とはいえ、人の集まりはやはり教材やコンテンツなどが一番。先生らしき皆さんの目はそちらに集中しておりました。

意外と関心が薄そうだったのがプログラミング教育などのブース。今どきで流行りかなーと思ってのぞいてみましたが、人だかりもあまりなく。親御さんには関心を集めるも、学校関係者にはまだ響いていない、というところでしょうか。授業カリキュラムに入ってこないと大きく動くことはないのかもしれませんね。

セキュリティや業務支援については、システム寄りのお話です。ある意味どこにでもあるシステムを学校関係者向けに紹介している、という印象は拭えません。学生証の発行などに特異性を見出し差別化しようとしている企業もありましたが、特段新しいものはなく、社員証発行そのままのシステムでアイデアとしては陳腐なものですね。(展示企業さん辛口ですみません)

この展示会で一番驚いたのは、グーグルやマイクロソフト、キヤノンにパナソニックやNEC、レノボ、シャープ、ソニー、リコー、エプソン、NTTと世界に名だたるビッグ企業が出展していたことです。

言っても学校関係者に向けたビジネスですから、どうしたってマーケットは限られていて、また少子化も進むなか、さらに市場のパイが小さくなるのは明らかなわけです。そこに、これだけの錚々たる企業さんが一同に介するというのは、よほどおいしいマーケットなのかな、と勘ぐりたくなります。

学校関係はとかく決断が保守的になる傾向、寄らば大樹の意思決定になることが多いので(自分では良し悪しの判断がつかないから名前で決める的な)うまみがあるのかもしれませんね。

モノ系は電子黒板の展示が目立ちましたが、どんなニーズを汲んで作っているのか不明な感じです。なにせコンセプトが不明確。この製品をもってどういう未来を描きたいのか、自分たちは何を目指しているのか、まったく謎でした。(また辛口ですみません)

 

全体的には結構な賑わいでしたので、教育ITソリューションについて来場者の関心も高かったと思います。

が、ある意味、企業ではもう済んでいることを学校に横展開している感は否めず、IT普及が遅れているエリアならではの高関心なのかな、との印象を受けました。

 

学校関係者とコネクションがあるシステム会社さんは「うちには技術的に新しいものなんてないし、、」などと考えず、二番煎じでも、汎用品でもいいのでどんどん提案して突っ込んでいくのが吉でしょうね。

 

以上、販促マーケティング総合展および学校教育総合展の展示会訪問記でした。

 

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