事業再生コンサルタントの中小企業経営コラム

ものづくり補助金第22次公募要領が公開

2025年10月24日、ものづくり補助金の22次公募が始まりました。

申請受付は12月26日の17時から、締切は1月30日の同じく17時となっています。

採択発表はまだ予定ですが、4月下旬ごろのようです。

 

ものづくり補助金は、生産性向上を狙った革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓用の設備投資などへの補助金です。新製品開発にもってこいの補助金ですね。

 

今回は、要件の緩和や審査における優遇措置が新たに実施される!と謳われているのが目玉でしょうか。その目玉について、前回と比べて気が付いたところでは、

 

・最低賃金引上げ特例の適用要件が「+50円以内で雇用している従業員」から「地域別最低賃金以上~2025年度改訂の地域別最低賃金未満で雇用している従業員」に変わっている点

・あとは賃上げ加点について、前回は、従業員及び役員の給与支給総額となっていましたが、役員が省かれました。役員報酬を上げなくともよいので、緩和されたといえるかもしれません。

・最低賃金引上げについても2項目の加点が追加

 

がありました。しかし、よくよく考えると、緩和と見せかけて、賃上げ加点されないようなところには出ません、という宣言かもと思ったりもします。注意してかかりましょう。

 

ものづくり補助金22次の補助金額等枠組み

さて、補助対象の枠組みは前回同様、通常とグローバルの2枠です。

 

A) 製品・サービス高付加価値化枠

革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援

既存の改善などではだめで、あくまで新製品・新サービス開発への取り組みが対象です。

 

補助上限額(補助下限額100 万円)

従業員

1~5 人 750 万円

6~20 人 1,000 万円

21~50 人 1,500 万円

51 人以上 2,500 万円

補助率 中小企業1/2、小規模企業・小規模事業者及び再生事業者2/3

 

B) グローバル枠

海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援

インバウンド対応での事業でもOKです。

 

補助上限額(補助下限額100 万円)

3,000 万円

補助率 中小企業 1/2、小規模企業・小規模事業者 2/3

 

特例として、大幅賃上げ時には従業員数に応じて補助上限が引上げられます。

従業員数

1~5 人 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 100 万円

6~20 人 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 250 万円

21~50 人 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 1,000 万円

51 人以上 各補助対象事業枠の補助上限額から最大 1,000 万円

 

中小企業については、最低賃金引上げ時に補助率を2/3に引上げる特例もあります。

ただし、補助上限UPとの併用はできません。

 

ものづくり補助金の審査とは

ものづくり補助金は事業計画書を出さないといけない(というかこれが審査対象の本丸)のですが、その要件は基本的に3つ+αあります。

 

基本要件①:付加価値額の増加要件

付加価値額を年平均3.0%以上増加させる計画

 

基本要件②:賃金の増加要件

役員含む給与支給総額を年2.0%以上増加または一人当りを最低賃金の年平均成長率以上増加させる計画

 

こちらは社員に表明した上で、実際に達成が求められます。できない場合は補助金の返還となることもあるので要注意です。

 

基本要件③:事業所内最低賃金水準要件

事業所内最低賃金を毎年の最低賃金より30円以上高くする計画

 

基本要件④:従業員の仕事・子育て両立要件(従業員数 21 名以上の場合のみ)

一般事業主行動計画の策定・公表を行うこと。両立支援のひろば、というサイト上で当該計画を公表する必要があります。作ればいいわけですが、公表に1~2週間要するようですので、「なるはや」でやっておきましょう。

 

 

グローバル枠の場合は上記に追加で以下のような要件があります。

 

グローバル要件①:海外への直接投資に関する事業

グローバル要件②:海外市場開拓(輸出)に関する事業

グローバル要件③:インバウンド対応に関する事業

グローバル要件④:海外企業と共同で行う事業

 

この辺りの要件は前回21次と同じですね。

 

大幅賃上げ特例については、給与は6%以上の年平均成長率、最低賃金は50円以上になります。

最低賃金引上げ特例は、地域最低賃金以上の従業員が30%以上である月が3か月以上あること、となっています。前回22次では最低賃金+50円以内の従業員が30%以上いること、となっていましたので、ここは変更のあったところですね。

 

このあたりの要件をしっかり満たした数値計画を作るのが大前提です。慣れていないとなかなか手間ではありますが。

 

 

さて、ではどのような計画が採択されるのかというと、採点基準というか審査の項目も明示されているのですね。こちらは原則5項目です。

 

審査項目 1:補助事業の適格性

・要件を満たしているか

 

審査項目 2:経営力

・具体的な経営目標があるか

・SWOT分析されてるか

・既存事業並みに伸びる事業か

 

審査項目 3:事業性

・高い目標値の設定とその実現可能性があるか

・課題の明確化と解決策の提示されているか

・市場規模や動向分析されているか、成長性あるか

・顧客に与える価値、ターゲットの明確さ、ニーズの調査検証、選ばれる理由

・差別化と競合優位性

 

審査項目 4:実現可能性

・必要技術力と優位性

・組織体制、財務状況

・スケジュールの妥当性

・費用対効果の高さ(売上スケール)

 

審査項目 5:政策面

・地域への経済的波及効果

・複数者連携

・先端デジタル技術や低炭素技術、環境配慮型事業

・成長と分配の好循環(投資リターンの高さ)

・米国追加関税措置で大きな影響を受けている

 

審査項目 6:大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性(大幅賃上げ特例適用申請者のみ)

 

これらが計画書に盛り込まれていないと基本的に落ちます。

全部盛り込まれた上で、そのレベル感+加点分で通る通らないかが決まります。

 

 

で、その加点項目はというと、

 

1 経営革新計画

2 パートナーシップ構築宣言

3 再生事業者

4 DX 認定

5 健康経営優良法人認定

6 技術情報管理認証

7 J-Startup J-Startup 地域版選定

8 新規輸出1万者支援プログラム(グローバル枠に申請する場合のみ対象)登録

9 事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画取得

10 賃上げ加点

補助事業終了後 3~5 年の事業計画期間において、従業員の給与支給総額の年平均成長率を 4.0%以上増加、並びに事業所内最低賃金を毎年3月、地域別最低賃金より+40 円以上の水準を満たす目標値を設定し、設定した目標値を交付申請時までに全ての従業員又は従業員代表者、役員に対して表明している事業者。

 

前回は、従業員及び役員の給与支給総額となっていましたが、役員が省かれました。役員報酬を上げなくともよいので、緩和されたといえるかもしれません。

さらに、最低賃金引上げについて2項目の加点が追加されました。

 

10-2 地域別最低賃金引上げに係る加点

2024 年 10 月から 2025 年 9 月までの間で、補助事業の主たる実施場所で雇用している従業員のうち、「当該期間における地域別最低賃金以上~2025 年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員数の 30%以上である月が 3 か月以上ある事業者。

10-3事業所内最低賃金引上げに係る加点

2025 年 7 月と応募申請直近月の事業場内最低賃金を比較し、「全国目安で示された額(63 円)」以上の賃上げをした事業者

 

11 被用者保険任意適用に取り組む場合

12 えるぼし認定取得

13 くるみん認定取得

14 3年以内の事業承継/M&A

15 成長加速マッチングサービス会員登録

 

全部で15項目あります。政府推進施策への取組み協力者は優遇します、という仕立てです。

取れるものはできるだけとりましょう。

宣言するだけとか認定受けるだけとかもあります。

今回は賃上げがポイントでしょうけども。

 

 

以上、12月26日から申請開始となる、22次ものづくり補助金のご案内でした。

ちなみに、最近の採択率は3割ほどで推移しています。

 

さらに詳細を、という方は以下のものづくり補助金のポータルサイトから情報ご参照ください。

 

https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

無料ダウンロード資料

経営改善計画書書式の無料ダウンロード
資金繰り表書式の無料ダウンロード
中小企業実態基本調査に基づく経営指標の無料ダウンロード

人気コラムTOP5 (前月)

セキュリティアクション宣言二つ星マーク