デジタル化・AI導入補助金2026 1次締切の採択結果と活用ポイント

2026年6月18日、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援する「デジタル化・AI導入補助金2026の1次締切分採択結果が公表され、申請数6,440者に対し採択数は2,982者、採択率は全体で46.3%となったことがわかりました。

 

今回はこの結果を、経営改善・事業再生支援を専門とする立場から読み解きながら、制度の仕組みと申請枠ごとの特徴について整理します。

 

これからの申請を検討されている事業者様の判断材料としていただければ幸いです。

 

1次締切の採択結果

まず、今回公表された数値を確認します。

 

申請枠 申請数 採択数 採択率 前回比
通常枠 2,028 891 43.9% +8.1%
セキュリティ対策推進枠

88

64 72.7% +19.9%
インボイス枠(インボイス対応類型) 4,324 2,027 46.9% +1.9%
 全体  6,440 2,982 46.3% +3.7%

※前回は2025年8次公募の結果との比較です。

 

 

全体の採択率は前回から3.7ポイント上昇しましたが、内訳を見るとその伸び方には大きな差があります。申請数全体の3分の2を占めるインボイス枠の採択率がほぼ横ばいだった一方、通常枠は8.1ポイント、セキュリティ対策推進枠は19.9ポイントと、それぞれ大きく伸びています。

 

各枠の内容や補助金額などについては、公募要領公開時のコラムに記載しておりますので、そちらを参照いただければと思います。

デジタル化・AI導入補助金2026公募要領公開

 

採択結果から見える申請枠ごとの傾向

今回の結果を見て特に注目したいのは、申請数の規模と採択率の伸びが必ずしも一致していないという点です。

 

インボイス枠は申請数4,324者と圧倒的なボリュームを持つ枠ですが、採択率の伸びは前回比+1.9%にとどまりました。これは、インボイス制度対応という比較的明確な要件のもとで申請が集中しやすく、競争率が高止まりしやすい枠であることを示しています。

 

一方で採択数そのものは2,027者と全体の約7割を占めており、絶対数で見れば依然として最も多くの事業者が活用している枠であることに変わりはありません。

 

これに対して通常枠は、申請数こそインボイス枠の半分以下である2,028者にとどまるものの、採択率は43.9%(前回比+8.1%)と大きく伸びました。

 

在庫管理システムや会計ソフトなど、自社の業務プロセスに応じて柔軟にITツールを選定できる枠であり、申請内容と自社の経営課題との整合性をしっかり説明できれば、採択につながりやすい傾向が出ているといえます。

 

セキュリティ対策推進枠は申請数こそ88者と小規模ですが、採択率は72.7%(前回比+19.9%)と突出した伸びを見せています。サイバー攻撃の増加を背景に、国としてもサイバーセキュリティ対策への支援を強化したい意図がうかがえる結果です。

 

 

全体としては前回からの微増にとどまっていますが、これは申請数の多いインボイス枠の採択率が伸び悩んだ影響が大きく、中身を見ると通常枠とセキュリティ対策推進枠の躍進が目立つ結果だったといえるでしょう。

 

デジタル化AI補助金(旧IT導入補助金)各枠採択率推移

経営改善の視点から見た補助金活用のポイント

私たちが中小企業の経営改善計画書作成や事業再生のご支援をする中で感じるのは、補助金は単独で使うものではなく、自社の経営課題全体の中に位置づけて初めて効果を発揮するということです。

 

ITツールの導入そのものが目的化してしまうと、補助金が採択されても現場で十分に活用されず、効果報告の段階で労働生産性や賃上げの数値目標が未達となり、補助金の返還が求められるケースも制度上は想定されています。

 

デジタル化・AI導入補助金の審査項目にも「自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか」という事業面からの審査項目が明記されており、これは経営改善計画の考え方と本質的に重なる部分です。

 

 

補助金の申請を検討される際は、どのITツールを導入するかという視点に加えて、自社の生産性向上に向けた中期的な計画の中でその投資をどう位置づけるか、という視点を併せて持つことをおすすめします。

 

まとめ

デジタル化・AI導入補助金2026の1次締切では、申請数6,440者に対し採択数2,982者、採択率46.3%という結果となりました。

 

インボイス枠の採択率が伸び悩んだ一方、通常枠とセキュリティ対策推進枠は大きく採択率を伸ばしており、申請枠選びと申請内容の質が結果を左右する傾向がより明確になってきています。

 

 

次回以降の締切スケジュールや制度内容は変更される可能性があるため、最新情報は事業ホームページでの確認をおすすめします。自社にとってどの枠が適切か、またどのような事業計画として位置づけるべきかお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

 

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池田ビジネスコンサルティングでは、デジタル化・AI導入補助金補助金をはじめとした補助金の活用支援から、販路開拓・経営計画の策定サポートまで、中小企業・小規模事業者の皆様のお悩みに幅広く対応しています。

 

「補助金が使えるか確認したい」「経営計画書の書き方が分からない」という段階からお気軽にお問い合わせください。

 

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▶ 関連記事:デジタル化・AI導入補助金2026公募要領公開

 

▶ 関連記事:IT補助金を使うには?(システム屋さん視点で)

 

池田ビジネスコンサルティング(代表 池田輝之)

https://www.ikedabc.jp/

 

■ 出典・執筆情報

参照:デジタル化・AI導入補助金採択結果

https://it-shien.smrj.go.jp/download/grantdecision_list/

参照:デジタル化・AI導入補助金公募要領等

https://it-shien.smrj.go.jp/download/

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