経営コンサルタントコラム 2012年12月3日号

金融円滑化法が終わるとどうなる?(2)

■円滑化法ってそもそも何?

ここで、円滑化法ってそもそも何なのだ?ということについてお話します。

円滑化法を利用しているのにかかわらずよくわかっていない社長さんもいたりしま

すので、少々おさらいです。

 

条文に書かれている円滑化法の目的は、次のとおりです。

「この法律は、最近の経済金融情勢及び雇用環境の下における我が国の中小企業者

及び住宅資金借入者の債務の負担の状況にかんがみ、金融機関の業務の健全かつ

適切な運営の確保に配意しつつ、中小企業者及び住宅資金借入者に対する金融の

円滑化を図るために必要な臨時の措置を定めることにより、中小企業者の事業活

動の円滑な遂行及びこれを通じた雇用の安定並びに住宅資金借入者の生活の安定

を期し、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的

とする。」

 

はい、長い文章ですね。

 

さて、大きく分けてポイントは4つ。

1.金融機関の努力義務

2.金融機関自らの取り組み

3.行政上の対応

4.更なる支援措置

 

■円滑化法のポイント

もっとも重要なポイントは1.金融機関の努力義務です。

これがあるからリスケジュール(貸付条件の変更)に応じてもらえるのですね。

 

その内容は、

・金融機関は、中小企業者又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合には、

できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置をとるよう努める。(注)対象となる

金融機関は、銀行・信金・信組・労金・農協・漁協及びその連合会、農林中金。

・金融機関は、申込み又は求めがあった場合には、他の金融機関、政府関係金融

機関、信用保証協会、企業再生支援機構、事業再生ADR、中小企業再生支援協議

会等との連携を図りつつ、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置等をとる

よう努める。(金融庁資料より)

 

です。

 

上段の「~できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置をとるよう努める」が肝

ですね。これがあるので、リスケの申込みがあったら原則応じないとまずいわけ

です。だから貸付条件の変更が容易なのですね。

 

■金融機関にとっての円滑化法

しかし、貸し手の金融機関にとっては厳しい内容です。

とりあえず申し込みがあったら貸付条件を変更せよ!というお達しです。

なかなか納得できません。そこで、金融機関側にとってもメリットがあるように

せねばなりません。そこで出てきたのが、貸付条件変更債権(リスケ申込みがあっ

た企業)は不良債権にしなくとも良い、という措置です。

不良債権にしてしまうと金融機関はその分だけ(区分によって何%等ありますが)

貸倒引当金を積まないといけません。貸倒引当金を積むことは費用が増す、とい

うことですから、その分金融機関の収益が圧迫されることになります。これをせ

ずともよい、というのは金融機関にとってはありがたい。

また、金融機関は自己資本比率を保持しなければなりません。資産としての貸付

債権が不良債権として負債になってしまうと応じて資本が小さくなってしまいま

す。これは困る。リスケに応じても不良債権と看做されないなら(実際は不良債

権ですが)まあ、良しとするか。そんな落としどころです。

 

まとめると、借り手にもプラス、貸し手にもデメリットだけでない格好で円滑化

法は船出したわけです。

 

今回はここまで。

次回は本題、円滑化法が終わるとどうなるか、についてお話します。

 

池田

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