経営コンサルタントコラム 2016年9月17日号

破産する“必要”はないのです。

アベノミクスの効果か、倒産件数は25年ぶりの低水準だそうです。

バブル時代と同じくらいですから、景気は良いんでしょう。

 

ただ、ここ3ヶ月程じわじわっと倒産件数が増えてきています。

8月は半年振りに前年同月を上回りました。なかでも卸売業と不動産業の増加が目立ちます。

 

リスケで息を継いでいるだけの会社(倒産予備軍)が多いな、というのは、肌感として結構ありまして、これがぼちぼち臨界点に達し、立ちゆかなくなったのかな、と思ったりします。(リスケだけでは本当の課題は解決しないですから)

 

負債1億円以下の小規模倒産が増えているのも最近の特徴ですね。

 

また、倒産ニュースを見ると倒産の形態として破産が多い印象です。

 

そこで思うこと、なぜ破産なのでしょうか?

 

企業再生の支援などをしている立場からすると残念でしょうがないんです。

他に手は無かったのかいな?と、どうしても思ってしまうんですね。

 

破産、ですから、単純にいうと、借入金を返せなくなった、という話なのは間違いありません。

売上も減少して、赤字だったのでしょう。

 

気になるのは、小規模から中くらいの事業規模の会社が多く破産を選択していることです。

小規模な事業体は、事業内容も一つだけであったり、商品やサービスも一つだけというところも少なくありません。

 

結果的に、再生しようにも手がなく、破産に至ってしまったということもあるでしょう。

 

しかしホントに考え尽くして、やりつくしての結論だったのでしょうか?

 

弁護士さんに破産っていわれたから。。とか、無いとも言い切ればいですよねぇ。

(ちなみに、弁護士さんは破産処理の方が手続きがラクチンなので、再生より破産を選びがちだ、という裏話もあるってことは知っておいたほうがよいです。)

 

とはいえ、社長が他人のせいにしてどうしますかね。

社長なら、事業が生き延びるための手段を考え、やり尽くして欲しいです。

 

多少なりとも売上があって、粗利もあるのであれば、よほどの場合を除いて、縮小しつつも事業を継続することは可能です。

 

利益はあるけど、返済に足りないなら、債権者と交渉して返済期間を伸ばしてもらったり、金利を下げてもらったりすれば、“当面”の問題は解消します。リスケですね。

 

返済期間を伸ばす程度では到底足らないならば、債務免除をお願いしましょう(認めてくれるのは難しいでしょうけど)。

 

それでもダメなら、民事再生を使えば、債務を減らして法的に再生を図れます。

 

もう経営に疲れた、ということでしたらM&Aで事業を売ってください。売る努力をしてください。

いや、売るという決断さえしてくれれば、繋ぐお仕事をしてくれる人はたくさんいますので、決断だけでOKです。

 

そうすれば、事業も雇用もある程度守れます。

自分の勝手で、事業と従業員さんを道連れにしないでほしいです。(残念ながらよくある話)

 

 

破産は、そうしたいろいろな策を練って、実行した後の、清算処理として使ってもらいたい。

 

ただ、それでも破産する必要はあるか、というと、ありません。

 

破産は必要があるものではなく、積極的に選ぶものだからです。

自動的に破産になるわけではありません。

 

たとえ、ほぼ永久に返せないような借金があっても、手持ちのお金もなく、金目の資産も無ければ、結局無い袖は振れないですから、破産という手段を使って債権者に配当などしなくてもよいのです。(配当できるものがそもそも無いから)

 

問題は支払い不能、なわけですから、できる範囲で返していく約束を債権者と結べればOK。

 

債権者だって回収できないのが明らかなのに、いつもまでも追っかけててはコスト倒れになってしましますし(回収するには人手もかかる)、ゼロよりはいいか、とお願いに応じてくれることも多いです。

 

なので、月1万だけなら返せますけどー、みたいな交渉をして了解を貰えることもあるわけです。債務免除の話をして認めてくれることも(これは少ないですけど)あります。

 

ただ、債務免除されず、リスケだけだと、儲けが出ればたくさん返済する、という具合になるので、うまく回復しても、債権者のために仕事をしているような感じになってしまいます。借りたお金を返している話なので、当たり前のことではあるのですが。。

 

債務免除は、なかなか一朝一夕には飲んでくれるような話ではないので、民事再生を申し立て、法的に解決していくのが一般的かと思います。

 

負担が少額になり、平均寿命と掛け算しても債務額に全く足らないのであるとすれば、実質債務免除みたいなものですから、そこであえて破産を選ぶかというと。。どうでしょうね。

 

つまりは気持ちの問題、実質的に不利益はないが、なんとなく気持ち悪い、もやもやしているのを解消するためのもののような気もいたします。

 

そもそも、破産、というのは、やり直し・再スタートのための法律なので、個人ベースで考えれば、破産後にもう一度起業、なんてこともあっていいんです。本来的には。

 

実際、アメリカでは、よく見るパターンですし、むしろ一度失敗した人の方が信頼度が高いなんてこともあります。(失敗から学んだだろう的な。バツイチの男が未婚女性に結構な人気なのもそういうことか。。)

 

さはさりながら、破産後の再起となると、日本では、ものすごーくエネルギーが要ります。

それができるなら、再生の方がはるかにラクでスピーディーです。

スポンサーなり支援してくれる方がいらしたら一層スムーズに進められます。

 

なので、今後も何がしか事業をしたいなら、(特に従前の事業と同じような商売をやるなら余計に)破産はしないほうがいいと思います。

 

破産が一番良い解決策なら、それはそれでよいでしょう。破産すべきです。

 

ただ、一番良い、と行き着くまでは、しっかりと熟慮検討していただきたいものです。

 

一時のラクに走ると、結局、損をするのは自分です。

育ててきた会社や事業を大切に扱ってあげましょう。

きっとなんらかお返しがあるはずですよ。

 

池田

 

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