事業再生コンサルタントの中小企業経営コラム

税金は会社が潰れても追いかけてくる(3)

第二次納税義務者には共同的な事業者、というくくりがあります。共同的な事業者とは、会社の事業の遂行に重要な財産を所有している人のことで、同族会社の株主又は社員が対象になります。

 

その財産から会社が収益を得ている場合で、会社が税金を滞納すると、同族会社の株主と社員はその財産を限度に第二次納税義務を負います。

 

これすごいですよね。

 

極端にいうと、親族から店舗借りて営業してたような場合、税金滞納したらその貸してくれた親族に行くって話です。実例もありまして、

 

「織物業を営む納税者が、同族会社の株主あるいは社員から事業の遂行に必要な大部分の織機その他の機械設備を借受けている場合のその財産。」

 

を重要財産として第二次納税義務を負わせた例が出ていました。これは正直ちょっと意味がわかりません。財産を貸している人がなんか悪いことをしたんでしょうか?

 

貸したことの対価を得ているか否かは判断基準にはならないようで、あくまでその財産の限度でとりにいくようです。賃貸料をもらえていた場合はいざ知らず、ただで貸してあげていたような人は完全に貸し損ですね。

 

まったくひどい話です。

 

貸してる相手が税金を滞納してとんずらしたら、税務署にとられる前に早々に貸しているものを回収しましょう。

 

 

事業譲渡で税金からは逃げられない

事業譲り受けた特殊関係人も第二次納税義務者となります。 事業を譲り受けた特殊関係人とは、事業譲渡で事業を譲り受けたのが、譲渡会社の関係者だった場合のことです。

 

イメージできるのは、第二会社方式などで譲渡会社に税金を残したまま、新会社へ事業譲渡したような場合です。この場合、新会社は譲渡会社と特殊な関係にあることが多いです。譲渡会社の息子さんや奥さんが新会社の社長をやる場合もありますね。

 

これは、ほぼほぼ法人格否認的な話です。昔は結構債務逃れのために使われることが多かったスキームですが、今はそういう目的のためには使えません。使う場合は、あくまで債権者の同意を得ながらになります。

 

税金面でも事業譲渡を税金逃れスキームとして使えない、ということになってますので、あまり無理はしないようにしましょう。ただ、ちゃんとした事業譲渡であれば税金に追いかけられたり、債務免脱だといわれることはありません。

 

また、追いかけるには1年以内の滞納分だったり要件もいろいろあります。全部が全部追いかけられるわけではないので、慎重なチェックが必要ですね。

 

無償又は著しい低額の譲受人等が第二次納税義務を負う場合もありますが、これは、税金を滞納などしている人からその資産をタダやメチャ安でもらったりした人に徴収にいく、ということです。

 

そもそも税金払えないほどお金がないのに、ただで資産をあげたりするのは、資産隠しや逃れの意図以外にないという判断です。税金で差し押さえ来ちゃうから不動産の名義だけ変えちゃえ!とかやるようなお方、たまにお見受けしますが絶対バツです。

 

名義だけ変えても新名義人が第二次納税義務を負うことになりますので、まったく意味がありませんし、贈与税なんかもかかってきちゃったりして、泣きっ面にハチ状態になること間違いなしです。

 

以上、第二次納税義務を負う可能性がある人について3回にわたり見てきました。

 

見ると税金を残して逃げ切ろうってのは無理な感じがご理解いただけるかと思います。とくに再生のタイミングですと、滞納税金はとても大きな問題になりますから注意が必要です。経営者の方は銀行さんには気を遣うのですが、税務署にはやたら強気だったりする方が多い傾向に見受けられます。

 

ホントにこわいのは税務署です。彼らは損得抜きに取りに来ます。

 

銀行は商売でやってますので、経済合理性という価値観が基本的にあります。つまり、取れないとこにはいかない、わけです。しかし税務署はたとえ火の中水の中、少しでも取れると思えばずーーーーと追いかけてきます。

 

動くだけコストかかってるんだから、無駄じゃない?という判断はそうそう簡単にはされません。

正直しつこいし、コワイです。いきなり差押したりしますし。ただ、きちんと対応さえすればそこまで無茶なことはされません。ちゃんと説明し、わかってもらうことが原則、唯一の解決法です。

 

逃げようとしないのが解決のコツです。逃げれば追われます。

誠実に対応していきましょう。すれば自ずと道は開けます。

 

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