デジタル化・AI導入補助金2026「2次締切」採択結果を解説

令和8年7月23日、中小企業庁より「デジタル化・AI導入補助金2026」の各枠2次締切(複数者連携デジタル化・AI導入枠は1次締切)にかかる採択結果が公表されました。

 

本稿では、公表された採択結果データをもとに、採択率の推移と申請数の動向について、事業再生・経営改善支援の実務を行う立場から分析します。

 

採択結果の概要

公募期間は令和8年6月15日(月)までで、応募のあった5,699者について審査が行われ、2,936者が採択されました。全体の採択率は51.5%となっています。

 

枠別の内訳は以下のとおりです。

 

申請数 採択数 採択率 前回差異
通常枠 1,879者 819者 43.6% ▲0.3pt
インボイス枠(インボイス対応類型) 3,790者 2,096者 55.3% +8.4pt
セキュリティ対策推進枠 28者 20者 71.4% ▲1.3pt
複数者連携デジタル化・AI導入枠 2者 1者 50.0%
全体 5,699者 2,936者 51.5% +5.2pt

 

採択率は前回から上昇 ~インボイス枠の伸びが牽引~

全体の採択率は前回(2026年1次:46.3%)から5.2ポイント上昇し、51.5%となりました。

この上昇を牽引しているのは、申請数全体の約3分の2を占めるインボイス枠(インボイス対応類型)です。同枠の採択率は55.3%と、前回から8.4ポイントの大幅な上昇となりました。

 

全体申請数に占める構成比が大きいため、この枠の採択率変動が全体の採択率を左右する構造になっています。

 

一方、通常枠は43.6%とほぼ横ばい(前回比▲0.3pt)、セキュリティ対策推進枠は71.4%(前回比▲1.3pt)と、枠自体の採択のしやすさに大きな変化は見られません。

 


申請数の減少傾向は継続

採択率が改善する一方で、申請数の減少傾向には歯止めがかかっていません。

 

2025年度は各回とも概ね1万者前後の申請があったのに対し、2026年度に入ってからは1次6,440者、2次5,699者と、6千者台まで落ち込んでいます。

 

申請数が減少すれば、同じ予算規模でも1者あたりの採択可能性(採択率)は相対的に上がりやすくなります。今回の採択率上昇についても、インボイス枠の伸びに加えて、この申請母数の縮小が一定程度影響している可能性は否定できません。

 

申請数減少の背景として考えられる要因

申請数減少の要因は公表資料からは明らかではありませんが、実務上の肌感覚として、賃上げ要件(給与支給総額の年平均成長率3.5%以上等)のハードルの高さが、申請を見送る中小企業の増加につながっている可能性が考えられます。

 

この点はあくまで仮説であり、今後の公募要領の改定内容や次回以降の申請数の推移とあわせて注視していく必要があります。

 

デジタルAI補助金ご検討中の皆さんへ

デジタル化・AI導入補助金は、インボイス対応やセキュリティ投資など、中小企業の経営基盤強化に直結する制度です。

 

一方で、申請要件(特に賃上げ要件)の充足可否は、資金繰りや事業計画全体との整合性を踏まえた判断が必要です。

 

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池田ビジネスコンサルティング(代表 池田輝之)

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