事業承継・M&A補助金 15次公募がスタート── 新設「小規模売り手支援類型」の内容と申請スケジュールを徹底解説

2026年5月22日、事業承継・M&A補助金の15次公募要領が公開されました。申請受付は2026年6月中旬から7月下旬(予定)と、来月にも始まります。

 

14次の採択率は60.7%と、ものづくり補助金・IT導入補助金の過去平均(約40%)を大きく上回る水準が続いています。事業承継・M&Aのタイミングが近い方は、ぜひ今回の15次公募を検討してみてください。

 

今回の最大の変更点は、専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設されたことです。本稿では、新設類型の内容・4枠の補助率と補助上限・申請スケジュールを詳しく解説します。

 

15次公募の目玉:専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設

今回の15次公募で最も注目すべき変更点は、専門家活用枠の中に「小規模売り手支援類型」が新設されたことです。

 

従業員数など一定の要件を満たす小規模事業者がM&Aの売り手として専門家を活用する場合、補助率が通常の1/2から2/3に優遇されます。小規模事業者にとって、M&Aの専門家費用の負担が軽減される点は歓迎すべき改善です。

 

ただし、補助上限額は450万円と、通常の売り手支援類型(600〜800万円)より150〜350万円低く設定されています。小規模なM&Aでは専門家費用も小さくなりやすいためと思われますが、現実的には多くのM&A仲介業者が最低報酬を1,000万円程度に設定しており、補助上限450万円では2/3にも満たないケースが多くなります。

 

小規模事業者のM&A支援をより実効性のあるものにするため、今後の補助上限額の引き上げを期待したいところです。

 

4枠の内容・補助率・補助上限

事業承継・M&A補助金は、取組内容と経費の種類に応じて以下の4枠に区分されています。各枠の詳細な申請要件については、14次採択結果の解説記事もあわせてご参照ください。

 

① 事業承継促進枠

事業承継時に、引き継ぐ予定の経営資源を活用するための設備投資等を行う際の費用を補助します。親族内承継・従業員承継を考えており、承継を機に設備の刷新・更新を検討している方に最適な枠です。

 

補助率:1/2(小規模事業者は2/3)

補助上限:800万円

     →一定の賃上げを実施する場合は1,000万円に引き上げ

 

② 専門家活用枠

M&Aを進める際に活用する専門家(M&Aアドバイザー・仲介会社・士業など)への報酬・手数料等の一部を補助します。今次から「小規模売り手支援類型」が新設され、買い手・売り手・小規模売り手の3類型体制となりました。

 

■ 買い手支援類型

補助率:1/3・1/2・2/3

    ※100億企業要件を満たす場合、1,000万円以下の部分は1/2、1,000万円超は1/3

補助上限:600〜800万円(DD費用申請時は200万円加算)

     ※100億企業要件を満たす場合は2,000万円

 

■ 売り手支援類型

補助率:1/2・2/3

    ※赤字または物価高等による営業利益率低下に該当する場合

補助上限:600〜800万円(DD費用申請時は200万円加算)

 

■ 小規模売り手支援類型(新設)

補助率:2/3(小規模事業者等に限定)

補助上限:450万円

 

③ PMI推進枠

M&A成立後の事業再編・統合プロセス(PMI)に取り組む際の専門家費用および設備投資費用の一部を補助します。M&Aが増加するなか、「成立後の統合をどう進めるか」が企業価値を左右する重要なフェーズとして認識されつつあり、活用ニーズが高まっています。

 

■ PMI専門家活用類型

補助率:1/2

補助上限:150万円

 

■ 事業統合投資類型

補助率:1/2(小規模事業者は2/3)

補助上限:800万円

     →一定の賃上げを実施する場合は1,000万円に引き上げ

 

④ 廃業・再チャレンジ枠

M&Aによる事業継続を目指したが成立に至らなかった場合に、既存事業の廃業にかかる経費(解体費・在庫処分費・原状回復費など)の一部を補助します。他の枠との併用申請も可能です。

 

補助率:2/3または1/2

    ※事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠と併用申請する場合は、各枠の補助率に従う

補助上限:300万円

     ※専門家活用枠(小規模売り手支援類型)との併用時は150万円

 

15次公募のスケジュール

現時点で発表されているスケジュールは以下のとおりです。

 

公募申請受付期間:2026年6月中旬〜2026年7月下旬(予定)

採択日     :2026年9月中旬(予定)

交付申請受付期間:2026年9月中旬〜2027年7月下旬(予定)

交付決定日   :2026年9月下旬(予定)

事業実施期間  :交付決定日〜2027年11月下旬(予定)

実績報告期間  :2027年2月中旬〜2027年12月上旬(予定)

補助金交付手続き:2027年5月中旬以降(予定)

 

来月中旬から申請受付が始まり、締切はその約1カ月後、採択結果の発表は締切から約2カ月後という流れです。事業承継・M&Aを検討している方は、今から準備を進めておくことをお勧めします。

 

コンサルタントからの視点:「タイミングが合えば大変使いやすい補助金」

事業承継・M&A補助金は、対象となる取組が「事業承継またはM&A」という特定の局面に限られるため、ピンポイントではあるものの、逆に言えばそのタイミングに合えば非常に使いやすい補助金です。

 

採択率が安定して60%前後を維持していることも、他の補助金と比較した際の大きな魅力です(14次の採択率:60.7%)。ものづくり補助金の直近採択率が30%台前半まで低下していることと比べると、その差は一段と開いています。

 

昭和創業の中小企業では今まさに世代交代の時期を迎えており、後継者への引継ぎやM&Aによる第三者への承継が全国各地で活発に動いています。こうしたタイミングで補助金をうまく活用することは、コスト負担を抑えながら次のステージへの投資を実現する、合理的な経営判断です。

 

「自分の会社はどの枠が使えるのか」「申請要件を満たしているか確認したい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

 

まとめ

・2026年5月22日、事業承継・M&A補助金15次公募要領が公開

・最大の変更点は専門家活用枠への「小規模売り手支援類型」新設(補助率2/3・上限450万円)

・申請受付は2026年6月中旬〜7月下旬(予定)、採択は9月中旬(予定)

・4枠(事業承継促進・専門家活用・PMI推進・廃業再チャレンジ)の補助率・上限は枠・類型により異なる

・賃上げを実施する場合、事業承継促進枠・事業統合投資類型は補助上限が1,000万円に引き上げ

・採択率は14次実績で60.7%、ものづくり・IT導入補助金の過去平均(約40%)を大きく上回る

 

【事業承継・M&A・補助金活用のご相談は当事務所へ】

 

池田ビジネスコンサルティングでは、事業承継・M&Aの戦略立案から補助金活用のサポートまで、中小企業経営者の皆様のお悩みに幅広く対応しています。

 

「後継者問題をそろそろ考えたい」「M&Aで会社を売りたい/買いたい」「15次の補助金が使えるか確認したい」──どの段階からでもお気軽にご相談ください。

 

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▶ 関連記事:事業承継・M&A補助金14次採択結果を解説

 

池田ビジネスコンサルティング(代表 池田輝之)

https://www.ikedabc.jp/

■ 出典・執筆情報

 

参照:事業承継・M&A補助金 公式サイト

https://shoukei-mahojokin.go.jp/

 

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