経営コンサルタントコラム 2019年12月8日号

展示会訪問記#23 IIFES、新価値創造展

今回の展示会訪問記は、IIFES 2019と新価値創造展 2019です。

いずれも11月の最終週、27日~29日に東京ビッグサイトで行われました。

IIFESは西展示棟、新価値創造展は南展示棟での開催です。

IIFESとは、Innovative Industry Fair for E × E Solutions の略称で、オートメーションと計測の先端技術総合展、というのが日本語での表記です。

主催は日本電気工業会、日本電気制御機器工業会、日本電気計測器工業会の3法人になりまして、リードエグジビションなどの展示会屋さんの主催ではありません。

 

新価値創造展は、第15回中小企業総合展東京、というのが正式名称です。

主催は中小機構さん、お国の展示会ですね。

 

さて、IIFESから見ていきます。

まず入ってすぐオムロンのブースを目の当たりにし、その展示ブースの大きさに驚きました。

でかい機械を見せるような展示会は別にして、ここ最近これだけ広く内容も充実した展示はなかったかもしれません。

主催が工業会だからか、オムロン以外でも展示ブース一つ一つがすごく広く、見やすくとってあります。出展料が展示会屋さんの主催よりも安いのかもしれませんね。

オムロンさんの展示ですが、内容的には、ロボット活用(自動生産や搬送)やIoT、5Gの活用、自動検査でのAI活用と実践などなど、大変幅広く興味深いものでした。現状のメーカーが取り組んでいる全てを網羅しているかんじですね。(どこでもやっているともいえますけど)

 

5Gは、作業者動線を分析するのに使われていました。熟練者のノウハウを記録し他の者に展開、生産効率を向上させたいという意図のようです。

 

AI自動検査は、モデル推定を活用した少量のNGデータでも分析を可能する技術、条件定義無しでも検出可能とするようなシステムを研究しているとのことでした。こちらは未来技術としての展示でしたので、市場に出るにはもう少し時間がかかるかもしれないとのお話でした。が、そんな悠長なことを言っていていいのかな?とも思います。のんびり構えていると、中国の企業にあっという間に置いてかれることになってしまう気がして心配です。なにせアメリカ並の投資をしていますからね。

 

熟練者ノウハウの共有化という点で企画された製品は他にも多く企業で展示されていましたが、堀場製作所のブースで展示されていた、AR(拡張現実)技術を活用したチェックシステムなどもそのひとつです。ARデバイスを付けると注意点や要確認ポイントなどが直接視界に図示されるというものでした。マニュアルなどを手にとって見る必要がないため、作業効率の向上効果があるようです。

 

その他企業別に見ていきますと、パナソニックはモノを売るというよりノウハウを売ろうとしている雰囲気がありました。これまでモノを作って売ってきたことで持つ生産技術や工程管理方法などを機械やシステムとして販売展開しよう、という感じですね。

三菱電機なども同じような感じですが、よりシステム寄りです。なお、こちらのブースもとても広かったです。

安川電機のインバータ説明ブースは人だかりができていて多くの関心を集めていました。一緒に聞いてみると、IoTで得たデータを利用して異常を予見、掃除時期をアラート(警告、注意)するというもので、よくあるアイデアかなー程度で特段新しさはありませんでした。実際作るのは大変かとは思いますが。しかしIoTは異常予見くらいしか活用できないんですかね?すごいお金かけてビッグデータを取っても、活用が修繕検知やら消耗品の補充推奨やらでは面白くありません。(投資回収はできないですな)

もっと素晴らしい、あっと驚く活用法を示してくれる日本企業が現れませんかねぇ。。

 

AIについては、横河電機で展示されていた、生産制御をAIにさせる、というAI活用方法は興味深く拝見しました。

展示内容は三段水槽の制御AIで、制御を強化学習させ、最適操業を導くというものでした。

三段水槽の水位を同一にするという制御は見た目以上に難しいものだそうで、人がやってもおいそれとはできないらしいです。

 

ロボット、AI、IoTがIT・メーカー関連展示会での潮流ですが、今回は「5G」「エッヂコンピューティング」が新たに推され始めた印象を持ちました。

 

エッヂコンピューティングとは、

 

コンピューターネットワーク上で、利用者に近い場所に多数のサーバーを配置し、負荷の分散と通信の低遅延化を図ること。サーバーの集約化を図るクラウドコンピューティングに比べ、通信遅延を100分の1程度にすることができ、リアルタイム処理を必要とするMtoMやIoT端末への対応が可能となる。[補説]エッジはコンピューターネットワークの端、縁(へり)の意。(出典:デジタル大辞林)

 

というものです。

 

 

機械制御などですと、超短時間(ミリ秒単位くらい≒リアルタイム)での処理が要求されるため、エッヂコンピューティングが(クラウドでは対応しきれないため)必要機械制御などですと、超短時間(ミリ秒単位くらい≒リアルタイム)での処理が要求されるため、エッヂコンピューティングが(クラウドでは対応しきれないため)必要とされているようです。

 

 

5Gは1ミリ秒程度の超低遅延なので、5Gの普及と併せ注目されています。

今後はさらなるデバイスの小型化や低消費電力化などが求められていくでしょう。

AIによる自動検査装置もカメラだけで完結する時代が来るかもしれません。

そのような時代の波に乗るためにどうすればよいか、日々の動向は要チェックですね。

 

IIFESは初日の昼頃見学したのですが、来場者も多く、盛り上がっている感がありました。

システムでなく製品としてのAI活用を早く見たいと感じたオートメーションと計測の先端技術総合展でした。

 

さて、次は西展示棟のとなり、南展示棟で開催されていた新価値創造展にまいりましょう。

こちらの展示会は中小企業がメインのため、IIFESと真反対にブース一コマが小さいです。

ただ、コマが小さい分だけ数はありますので、見て回るのはなかなか骨が折れます。

ちなみに今回は約380社の展示でした。(はい、全て見ました。)

展示は「産業・技術」「健康・福祉」「環境・社会」3つのテーマで区分されています。

展示割合的には、産業技術が8割、あとは1割ずつ、という感じです。

産業技術は更に、

・ソフトウェア、システム

・制御、自動運転、安全、セキュリティ

・ロボット、ドローン

・素材材料

・電気電子機器

等々分野ごとにブースがまとめられています。

 

ただ、展示内容的には特にこれといったものは残念ながらありませんでした。

来場者もIIFESと比べると寂しい入りで、ちょっと盛り上がりに欠けるなぁという印象です。

なかなか中小企業の展示でさらにブースが小さいとなるとどれに注目すべきか、わからない感じなんですよね。

 

展示も部品がならべてあるだけとか、製品が置いてあるだけとかで、どう使ってもらいたいかとか特徴などがなかなかわかりにくい。

総花的過ぎるとすべてがふんわりしてしまって印象に残りづらいと思います。

顧問先さんがブースを出すときにはその辺り注意しておかなければですね。

 

一方、特別展示と銘打たれた展示物は興味をそそるものがいくつかありました。

特別展示はSDGSと生産性向上というテーマで、それぞれ先端の企業がブースを出されていました。

ただ、そのブースもお金をかけていないあっさり風味は否めずでした。

 

内容的にはAI解析やセンサー、3Dスキャナ、ロボット、バイオなど面白い技術や製品が並んでいましたが、各企業が単独で出展しているときの取り組みようと比較してしまうと、ちょっとアピールに足らず、来場者の注目もなかなか得られていないようでした。

見せ方も大事ですね。

 

ひとつ、変わり種ですが、三菱UFJ技術育成財団という公益財団法人さんが出展されていて、助成金のご案内をいただきました。

ものづくり、技術系の事業に対して助成金を最大で300万円(補助率1/2)提供するとのこと、10%程度の採択率のようなので簡単にとれるものではないですが、技術的に面白そうなものを企画していたらドアをノックしてみるのもありかもしれませんね。

通ればそこからいろいろと広がるかもしれませんし。

 

 

以上、IIFES、新価値創造展の展示会訪問記でした。

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